トップダウンにはいくつか意味がありますが、代表的なのは「上層部から末端への意思伝達方式」です。
場合によっては、「上司からの命令」や「自分では決断はできない」なども意味します。
これで、とりあえずまずは「トップダウンとはどんな意味なのか」という疑問が晴れたと思います。
ただし「トップダウン」という言葉を、具体的にどう使えばいいのかは、まだわからないでしょう。
そこで次は「トップダウンの具体的な使い方と実例」について紹介していきます。
「トップダウン」の具体的な使い方と実例
「トップダウン」という言葉が、どんな時・どういう会話で・どんなワード共に使われるか解説していきましょう。
今回紹介する「トップダウン」の具体的な使い方とシチュエーションは、以下の通りになっています。
- 取引先に自社を紹介する時の「トップダウン」
- 取引先に提案する時の「トップダウン」
- お客さんとの打ち合わせ時の「トップダウン」
会話例とともに紹介していくので、今のあなたが一番近いシチュエーションの使い方をチェックしてみてください。
取引先に自社を紹介する時の「トップダウン」
取引先に自社を紹介する時に「トップダウン」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
取引先担当:「お付き合いするうえで稟議の流れを知りたいのですが…」
自社担当:「我が社は【トップダウン】になっています。そのため、少々お待たせするかと」
わかりやすく変換
取引先担当:「お付き合いするうえで稟議の流れを知りたいのですが…」
自社担当:「我が社は【上層部から末端への意思伝達方式】になっています。そのため、少々お待たせするかと」
使い方に関する解説
今回のシチュエーションでは「上層部から末端への意思伝達方式」という意味で「トップダウン」を使います。
「稟議」とともに「トップダウン」が出たら、確実に「上層部から末端への意思伝達方式」という意味になります。
ちなみに稟議とは「(会社としての)決断をくだす」「回答をする」という意味で、他社が知りたがる情報です。
他社に自社の仕組みを聞かれた時、「上層部から末端への意思伝達方式」という意味になると覚えておきましょう。
取引先に提案する時の「トップダウン」
取引先に提案する時に「トップダウン」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
取引先担当:「今回の提案だが、君らしくないね…」
自社担当者:「はい、実は【トップダウン】なのです」
わかりやすく変換
取引先担当:「今回の提案だが、君らしくないね…」
自社担当者:「はい、実は【上司からの命令】なのです」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「上司からの命令」という意味で「トップダウン」を使います。
誰からの指示なのか明白にする時は「トップダウン」を「上司からの命令」という意味で利用します。
さすがに「上層部から末端への意思伝達方式」という意味で使われることはないので、注意してください。
取引先に提案する時のトップダウンは、「上司からの命令」という意味で使うと覚えておきましょう。
お客さんとの打ち合わせ時の「トップダウン」
お客さんとの打ち合わせ時に「トップダウン」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
お客さん:「元々言っていたことと全然違います!早くなんとかしてください!」
営業スタッフ:「申し訳ございません。【トップダウン】なので、今はどうにもできないのです…」
わかりやすく変換
お客さん:「元々言っていたことと全然違います!早くなんとかしてください!」
営業スタッフ:「申し訳ございません。【自分では判断できない】ので、今はどうにもできないのです…」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「自分では決断はできない」という意味で「トップダウン」を使います。
ただ、お客さんの方がトップダウンの意味を知らないことが多いので、使うときは注意しなければいけません。
仮にクレーム対処のシチュエーションなら、余計に注意が必要です。
下手に横文字を使えば「何言っているのかわかりません!」と火に油を注ぐことになるでしょう。
ここまでは、「トップダウン」の具体的な使い方と実例をお伝えしました。
どういうシチュエーションなら「トップダウン」を使ってもいいのか、また使うべきなのか理解できたと思います。
ただし「トップダウン」と似たような言葉や、実は意味が違う言葉については、まだわからないでしょう。
そこで次は「トップダウンと似たような言葉・間違えやすい言葉」について紹介していきます。
「トップダウン」と似たような言葉・間違えやすい言葉
「トップダウン」という言葉と一緒くたにされやすいのが、以下の言葉です。
- ボトムアップ
- ミドルアップ
- マネジメント
これらの言葉と「トップダウン」を比較して、使い方のポイントや意味の違いを浮き彫りにしていきましょう。
「トップダウン」と「ボトムアップ」を比較
「ボトムアップ」の本来の意味は、「現場主義の経営方式」です。
ビジネスシーンにおいて「ボトムアップ」は、トップダウンの対になる言葉として使われます。
先述したようにトップダウンには「上層部から末端への意思伝達方式」という意味があります。
トップダウンは、経営者至上主義の経営方式といえます。一方、ボトムアップは現場の声をくみ取ります。
ちなみに実際のビジネスシーンにおいて、トップダウンとボトムアップが一緒に使われるのは本当に多いです。
トップダウンを批判する形で、ボトムアップが使われることもよく見られます。
どちらが正しいかはわかりませんが、社員の満足度が高いのはボトムアップであるケースが多いです。
「トップダウン」と「ミドルアップ」を比較
「ミドルアップ」の本来の意味は、トップダウンとボトムアップの中間的経営方式です。
トップダウンは、経営者至上主義の経営方式といえます。一方、ボトムアップは現場の声をくみ取ります。
人気なのはボトムアップですが、「現場の統率力がなくなる」「無責任な発言が増える」などの欠点もあります。
そこで生み出されたのがミドルアップで、トップダウンとボトムアップを臨機応変に取り入れる仕組みです。
しかしバランスを取るのは難しく、完全に実行できている企業は少ないといえます。
「トップダウン」と「マネジメント」を比較
「マネジメント」の本来の意味は、組織の管理です。
ビジネスシーンにおいて「マネジメント」は、「君のマネジメント能力は高い」といった使われ方をします。
一方、先述したようにトップダウンには「上層部から末端への意思伝達方式」等という意味があります。
トップダウンとマネジメントの意味を比較するとわかると思いますが、これらは意味が全然違います。
もし、あえてトップダウンとマネジメントを一緒に使うのであれば、どんな用法になるでしょうか。
「我が社のマネジメント方式は、トップダウンによって決まっている」という言い方が予想されます。
ちなみに実際のビジネスシーンで、トップダウンとマネジメントが一緒に使われるのはそこまでないのでご安心を。
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