スキームにはいくつか意味がありますが、代表的なのは「継続性を伴った計画」です。
場合によっては、「基本構想」や「収益を出す仕組み」なども意味します。
これで、とりあえずまずは「スキームとはどんな意味なのか」という疑問が晴れたと思います。
ただし「スキーム」という言葉を、具体的にどう使えばいいのかは、まだわからないでしょう。
そこで次は「スキームの具体的な使い方と実例」について紹介していきます。
「スキーム」の具体的な使い方と実例
「スキーム」という言葉が、どんな時・どういう会話で・どんなワードともに使われるのか解説していきましょう。
今回紹介する「スキーム」の具体的な使い方とシチュエーションは、以下の通りになっています。
- 会社で戦略会議をする時の「スキーム」
- 会社方針を話しあう時の「スキーム」
- 取引先に提案する時の「スキーム」
会話例とともに紹介していくので、今のあなたが一番近いシチュエーションの使い方をチェックしてみてください。
会社で戦略会議をする時の「スキーム」
会社で戦略会議をする時に「スキーム」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
重役A:「我が社のビジネスにおける【スキーム】をハッキリ決めておきたいと思う」
重役B:「現在進行系の【スキーム】にかける人員はどうする?」
わかりやすく変換
重役A:「我が社のビジネスにおける【継続性を伴った計画】をハッキリ決めておきたいと思う」
重役B:「現在進行系の【継続性を伴った計画】にかける人員はどうする?」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「継続性を伴った計画」という意味で「スキーム」を使います。
長期的な計画案というニュアンスで「スキーム」が出たら、確実に「継続性を伴った計画」という意味です。
「収益を出す仕組み」という意味ならまだしも、「基本構想」という意味で使われることはないので要注意です。
上記のような会話をする時のスキームは、「継続性を伴った計画」という意味で使うと覚えておきましょう。
会社方針を話しあう時の「スキーム」
会社方針を話しあう時に「スキーム」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
上司:「我が社の【スキーム】は、昔から“顧客第一”だ。見合った活動をしてほしい」
部下:「最近の営業方法は、我が社の【スキーム】とかけ離れている気がしますが・・・」
わかりやすく変換
上司:「我が社の【基本構想】は、昔から“顧客第一”だ。見合った活動をしてほしい」
部下:「最近の営業方法は、我が社の【基本構想】とかけ離れている気がしますが・・・」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「基本構想」という意味で「スキーム」を使います。
ポリシー(方針)のような使い方で「スキーム」が出たら、間違いなく「基本構想」という意味になるでしょう。
「収益を出す仕組み」および「継続性を伴った計画」という意味で使われることはないので、注意してください。
精神的な指針となる要素を話す時のスキームは、「基本構想」という意味で使うと覚えておきましょう。
取引先に提案する時の「スキーム」
取引先に提案する時に「スキーム」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
自社担当:「我が社のサービスの【スキーム】はこのようになっています」
取引先担当:「この【スキーム】によって、どれくらいの収益が可能なのでしょうか」
わかりやすく変換
自社担当:「我が社のサービスの【収益を出す仕組み】はこのようになっています」
取引先担当:「この【収益を出す仕組み】によって、どれくらいの収益が可能なのでしょうか」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「収益を出す仕組み」という意味で「スキーム」を使います。
「ビジネスモデル」と同じような使い方で「スキーム」が出たら、「収益を出す仕組み」という意味になるでしょう。
「継続性を伴った計画」という意味ならまだしも、「基本構想」という意味で使われることはないので要注意です。
稼ぎや収益を意識した会話時のスキームは、「収益を出す仕組み」という意味で使うと覚えておきましょう。
ここまでは、「スキーム」の具体的な使い方と実例をお伝えしました。
どういうシチュエーションなら「スキーム」を使ってもいいのか、また使うべきなのか理解できたと思います。
ただし「スキーム」と似たような言葉や、実は意味が違う言葉については、まだわからないでしょう。
そこで次は「スキームと似たような言葉・間違えやすい言葉」について紹介していきます。
「スキーム」と似たような言葉・間違えやすい言葉
「スキーム」という言葉と一緒くたにされたり、似た意味だと思われやすいのが、以下の言葉です。
- システム
- フローチャート
- プラン
これらの言葉と「スキーム」を比較して、使い方のポイントや意味の違いを浮き彫りにしていきましょう。
「スキーム」と「システム」を比較
「システム」の本来の意味は「仕組み・方法」です。
ビジネスシーンにおいて「システム」は、「我が社のシステムは以下の通りです」のような使われ方をします。
一方、先述したようにスキームには「継続性を伴った計画」「収益を出す仕組み」などの意味です。
スキームとシステムの意味を比較するとわかると思いますが、本質は違いますが両者は少し似ています。
スキームはシステムを比べると、もっと具体的な内容になっており、システムの方が漠然としています。
両者はビジネスシーンにおいて一緒に使われることも多いので、意味を一緒くたにしないように気をつけましょう。
「スキーム」と「フローチャート」を比較
「フローチャート」の本来の意味は、「手順および工程における一連の流れを表した図」です。
ビジネスにおいて「フローチャート」は、「今回はこのフローチャートに沿って行う」のような使われ方をします。
一方、先述したようにスキームには「継続性を伴った計画」「収益を出す仕組み」などの意味があります。
スキームとフローチャートの意味を比較するとわかると思いますが、これらは全く別の意味です。
もし、あえてスキームとフローチャートを一緒に使うのであれば、どんな用法になるでしょうか。
「我が社のスキームはこのフローチャートに従う」という言い方が予想されます。
ちなみに実際のビジネスシーンにおいて、スキームとフローチャートが一緒に使われるのは非常に多いです。
スキームは前章で示したようなシーンで使われますが、フローチャートも同じく会議や打合わせで使われています。
意味は全然違うのですが、使うシーンが同じのため、スキームとフローチャートが一緒くたにされるのです。
「スキーム」と「プラン」を比較
「プラン」の本来の意味は、「計画」です。
一方、先述したようにスキームには「継続性を伴った計画」などの意味があります。
スキームとプランの意味を比較するとわかると思いますが、これらは似ています。
しかし厳密には違うので要注意です。具体的に言うと、プランには「継続性」が伴いません。
一時的に行う計画のことを「プラン」といい、長期に及んで継続的におこなう計画を「スキーム」といいます。
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