元転職エージェントだから知っている!転職エージェントの裏事情を暴露

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転職活動において転職エージェントを利用するメリットは大きい。

効率の良さ、案件の質、転職活動全般にわたるサポートなど、様々なメリットにもかかわらず、無料で利用できるという魅力がある。

ただし、自分自身できちんとコントロールし、転職エージェントを「利用する立場」でないと、メリットを活かしきれないので注意が必要だ。

実際に、転職エージェントを利用して失敗した、という声もある。

その失敗談を見てみると、転職エージェントを過信したり、頼りきり、任せきりになってしまったりというケースが多い。

自分自身で判断すべきことは判断し、エージェント側の都合に振り回されないようにすることが肝心なのだ。

そこで、中途採用の現場で担当者として経験を積んできた筆者が、転職エージェントの裏事情を明かしていく。

この「知識」から、転職エージェントを上手に利用するための「知恵」を獲得して転職を成功に導いて欲しい。

また、転職エージェントの裏事情を分かりやすく掴むために、まずは大きく3つの立場について解説し、その上で裏事情を詳しく解説していこう。

さらに、それが転職を考える登録ユーザーにとってどのような影響があるのか、注意点を伝授するので参考にして欲しい。

転職エージェントを理解するための3つの顔

転職エージェントの裏事情を理解するために知っておいて欲しい、転職エージェントの3つの側面、3つの顔について解説していこう。

その「3つの顔」とは次の通りだ。

転職エージェントを理解するための3つの顔

  1. 第1の顔:「求人企業」こそ、お客様
  2. 第2の顔:「営業成績」が求められる営業マン
  3. 第3の顔:「転職希望者」に寄り添いたいと思っている

エージェントにも2種類ある

3つの顔を解説する前に、転職エージェントにも、企業側の採用を担当するエージェントと、登録ユーザーの転職を担当するエージェントがあることを説明しておく。

転職エージェントによってはその両面を1人が担当する場合もあるが、どちらにしても企業側担当としての一面と、登録ユーザー担当としての一面がある、と考えておいて欲しい。

この記事では分かりやすくするために、求人企業側の担当を「リクルーティング・アドバイザー(RA)」、転職希望者側の担当を「キャリア・アドバイザー(CA)」と統一しておく。

第1の顔:「求人企業」こそ、お客様

転職エージェントは企業から求人(案件)を預かり、1名採用することで所定の報酬を求人企業から受ける、という仕組みになっている。

つまり転職エージェントにとってビジネス上の「取引先・お客様」は、求人企業なのだ。

求人案件を預かる段階から採用まで、求人企業に対する転職エージェントの事情をさらに詳しく解説していこう。

求人企業やその仕事について理解する

リクルーティング・アドバイザーは、まず、顧客である求人企業のことを知ることが求められる。

転職サイトなどで広く募集される人材に比べ、転職エージェントの非公開求人などで求められる人材は、「その時、その会社で必要としている人材」であることがほとんどだからだ。

ターゲットが限られている分、全く方向違いの紹介をした転職エージェントは、企業の採用担当者から厳しいダメ出しを受けることも少なくない。

リクルーティング・アドバイザーは、採用担当者と何度もヒアリングをし、微調整をしながら求人企業の求める人材像を探りながら紹介している。

裏設定、裏ステータスがある

求人企業の求める人材像を把握していくうちに、求人票には記載できない希望条件がほとんどの場合、付いてくる。

こうした裏設定、裏ステータスには次のようなものがある。

裏設定、裏ステータスの一例

  • 年齢、年代、性別(法令上、相応の事情がないと制限付きで求人できない事柄)
  • 経験の有無(未経験可の求人でも、ある年齢以上は経験重視、など)
  • 転職回数の多さ(応募要件には記載しないが制限することがある) など

法令で求人票に記載することが認められていない事柄もあれば、範囲を狭めすぎて応募数が極端に少なくなることを嫌って裏設定にしている場合もある。

このように、転職エージェントが求人企業から提示された、知られざる紹介の条件があるのだ。

企業にとって成功報酬は安くない

なぜここまで「お客様」である求人企業からの注文が多いのかというと、その成功報酬が決して安くはないからだ。

大手転職エージェントが設定している成功報酬の相場は、2019年現在、採用者の想定年収額の35%前後となっている。

(例)月給30万円、年間賞与3か月分の場合
想定年収額(月給300,000円×12か月+賞与900,000円)×35%=1,575,000円(税別)

これが、求人企業が転職エージェントに支払う「1人採用したときの成功報酬額」の例で、少なくとも求人企業にとって決して安い費用ではないことが分かるだろう。

費用をかける分、確実に、当初の思惑通りの人材を採用したい、というのが求人企業の本音なのだ。

第2の顔:「営業成績」が求められる営業マン

転職したい登録ユーザーから見ると転職エージェントはサービスマンのように見えるかもしれないが、どちらかといえば営業職に近い。

特に企業を担当するリクルーティング・アドバイザーは新規開拓営業も担う、れっきとした営業マンだ。

また、登録ユーザーを担当するキャリア・アドバイザーも、1件でも多くの「採用=売上」のために、求人案件と人材を結び付ける役割を担っている。

営業ノルマは採用件数だけではない

転職エージェントの営業ノルマといえば、「決定人数」(採用件数)か、または「売上」(報酬額)なのだが、現在はその他のノルマ設定も多くみられるようになった。

採用件数や報酬額だけがノルマだと、登録ユーザーへのゴリ押しや、ノルマの厳しさから辞めてしまうエージェントが出てきてしまい、デメリットが大きいためだ。

そこで、書類選考通過率や面接通過率、企業への応募数、メールや電話の回数など、アドバイザーの行動指標をノルマとして設定しているケースも多い。

もちろん決定人数や売上がノルマであることに変わりはないのだが、採用に向けてどのくらいサポートをしたか、ということもアドバイザーの評価につながるようになっている。

ノルマの締日は月、四半期、決算月

転職エージェントのノルマの締日は、一般の事業会社と同じように、月末、四半期末(3か月ごと)、年度末となる。

大手A社の例では、6月、9月(半期)、12月、3月(決算)がそれにあたり、この月にはエージェントがノルマを強く意識していると思っていい。

エージェントの行動指標によるノルマは時期を限らず個々のエージェントを評価できるが、転職エージェントサービスを提供する企業にとってはやはり結果、売上高が重要なのだ。

営業成績があと一歩、といったエージェントにとってはノルマを意識せざるを得ない時期といえるだろう。

1件でも多く採用するための役割分担

転職エージェントは1件でも多く採用するため、リクルーティング・アドバイザーとキャリア・アドバイザーだけでなく役割分担やチームなどで構成されている。

業界・職種の専門別チーム

扱う求人によって、その専門分野の知識を持ったアドバイザーで構成されたチームを作っている転職エージェントもある。

求人の内容と登録ユーザーのスキルや経験を照らし合わせる「マッチング」において、各々の仕事内容など正しい理解が必要不可欠なためだ。

IT・Web通信、介護医療、事務営業などのチームがあり、転職エージェントによっては、業種や業界に特化した転職サイトや転職エージェントをそれぞれジャンル別に運営している場合もある。

アドバイザーとアシスタント

大手の転職エージェントでは、アドバイザーにアシスタントがついており、担当エージェントの外出時や土日の連絡なども対応できる体制を取っている

アドバイザーが営業マンとしての業務、外回りや他の転職希望者との面談で忙しかったとしても、連絡などが円滑に行われるようにしているのだ。

リクルーティング・アドバイザー、キャリア・アドバイザー、アシスタントの連携で効率よく進められる体制を取っている。

第3の顔:「転職希望者」に寄り添いたいと思っている

ここまでの解説では転職エージェントのビジネスとしての側面を紹介してきたが、転職エージェントの本音を言えば転職希望者の役に立ちたいという気持ちは強い。

アドバイザーの仕事に就いている担当者も転職経験者が少なくないということもあるが、人材関連の会社に入社する多くは転職の手助けをしたい、という動機があるからだ。

営業成績に直結しない場合でも、エージェントそれぞれのこうした思いや親身さが、結果、その転職エージェントサービスの評判を支えているのは間違いないだろう。

相談を受けることに積極的

転職全般でよく分からないことや判断がつかないこと、または転職活動を始めることを迷っている場合でも、転職エージェントは相談に積極的に対応してくれる。

相談もないまま選考の段階で失敗したり、いざ退職の段階になって揉めてしまったりする方が、売上の面からみても好ましくなく、なにより単純に「頼りにされたい」という思いもある。

実際に転職希望者から相談を受け、それに応えていった案件ほど思い入れが強くなることは少なくないのだ。

一方で、紹介した案件や提案に対してYES/NOといった事務的な対応のみの登録ユーザーには、アドバイザーも自然とビジネスライクな対応になりがちではある。

第三者的な視点とアドバイス

転職エージェントのアドバイスが冷たい、突き放されたと感じることもあるかもしれないが、それは第三者的な視点で最善と思われるアドバイスであることが多い

本当に対応が好ましくないアドバイザーもいないとは言い切れないが、熱心なアドバイザーほど、親身になっているからこそ厳しい現実も正直に伝えたいと考えている。

単に営業成績のことを考えるなら、1人でも多く採用されやすい求人に紹介すれば良いので「それだと難しいです」といった厳しいアドバイスをあえてする必要はないのだ。

厳しいものは厳しいとあえてはっきり言う、転職しない方がいいかも、といった意見も、実は第三者的に見て登録ユーザーのキャリア全体を考えた結果である場合もある。

アドバイザーとキャリアコンサルタント資格

転職エージェントで働くアドバイザーの中には「キャリアコンサルタント資格」の取得を目指している人も少なくない。

取得によって自分のスキルやキャリア、給料をアップさせたい、という動機ももちろんあるが「転職先の紹介だけでなくプロとして転職サポートをしたい」という声をよく聞く。

キャリアコンサルタント資格は2016年に始まった国家資格で、受講(有料)時間数、筆記及び実技試験、さらに実務経験を経なければならないため、ややハードルが高い。

それでも人材関連企業に入社し、人にかかわる仕事がしたいというモチベーションを持っているエージェントは多く、転職希望者が思うよりずっと「良いアドバイスをしたい」という意識は高いのだ。

転職エージェントで注意すべきアドバイザー5選

転職エージェントが求人企業を「お客様」としている点、営業マンの一面、アドバイザーとしての本音を紹介したが、実在する、注意した方がいいエージェントについて紹介する。

今回は次の5つを代表例として解説しよう。

注意すべきアドバイザーの代表例5つ

  • 【要注意1】希望とかけ離れた転職先ばかり紹介される
  • 【要注意2】特に理由もなく電話面談にしたがる
  • 【要注意3】紹介から応募まで妥協の提示が多い
  • 【要注意4】何かにつけて急かされる
  • 【要注意5】アドバイスやおすすめに一貫性がない

その時のノルマ事情がそうさせるのか、元々そういう営業スタイルなのかは別として、もし思い当たる点があったら担当か、転職エージェント自体を変えることも検討しよう。

【要注意1】希望とかけ離れた転職先ばかり紹介される

転職エージェントを利用し始めて最初のうちはズレがあるかもしれないが、希望とかけ離れた転職先ばかりを紹介されると感じたら要注意だ。

転職エージェントに伝えた希望より採用されやすいことを優先した求人案件を紹介しているか、担当者とのコミュニケーションが上手くいっていないか、そのどちらかが考えられるからだ。

どちらの理由でも転職活動が滞ってしまうため、すぐに対処したい。

担当者とのコミュニケーションが上手くいっていない

転職エージェントの担当者とのコミュニケーションが不足している場合はこちらからも積極的に連絡することで改善できるが、「話が通じていない」という場合もある。

キャリア・アドバイザーが転職のプロだと言っても、経験が浅い場合など、業界や職種の知識に乏しいこともあるからだ。

理解が難しいようであれば、理由を伝えて担当者を代えてもらうなどの対応も必要だろう。

また、希望と異なる求人への応募を断る際には、何が違ったのか、どうだったら良かったのかを伝えることが担当者との意思疎通には有効な手段だ。

採用優先で求人案件を紹介されている

自身の希望より採用されやすい求人の紹介が多い場合は、妥協できない条件をはっきりアドバイザーに伝えよう

こうしたケースではエージェント側の営業ノルマが影響している場合もあるが、自身の希望の設定に無理がある場合もある。

例えば30歳、転職回数3回で年収700万円以上、など、自分の希望が、現在の転職市場で難しいのかどうか、妥協すべきかどうかをアドバイザーに相談してみることをおすすめする。

その上でやはり妥協することが難しい、状況が変わらないのであれば、担当者か、または転職エージェントを変えるのも方法のひとつだ。

【要注意2】特に理由もなく電話面談にしたがる

転職エージェントの利用にあたって登録時の面談は大切なプロセスだが、電話面談にしたがる担当者には要注意だ。

多くの転職エージェントは社内に面談できるスペースを用意しており、登録ユーザーはそこへ出向いて担当者と面談をする。

電話面談とは、転職エージェントの所在地から遠方に住んでいるか、どうしても時間の取れない登録ユーザーが取る手段

この面談でアドバイザーが得た印象や話の概要は求人企業に紹介する際の参考情報として提供されるため、出来る限り対面で面談が行われる方が有利だと言えるだろう。

2つ以上の転職エージェントに登録して対応

すぐにでも紹介できそうな新規ユーザーは対面、相談重視の新規ユーザーは電話、など優先順位がついてしまうことがある。

このような場合は2つ以上の転職エージェントに登録して利用することが有効な対応策だろう。

転職エージェントやアドバイザーにもよるので正確ではないが、アドバイザー1人が数名~10名前後の転職希望者を担当しており、特にキャンペーンでCMを増やした直後などは担当人数が増えたりもするからだ。

そのまま忙しい担当者に任せても転職活動全体に影響する可能性もあるため、面接を丁寧にしてくれる転職エージェントを別に見つけておくことをおすすめする。

遠隔地からの応募では動機をしっかりと

遠隔地のため電話面談になってしまうような場合は、「動機」を明瞭にすることが求人企業へのイメージアップにつながる

姿勢や身だしなみ、雰囲気といった印象以上に、その候補者の「動機」は求人企業にとって重視する事柄だからだ。

例えば地方から都心部への転職を希望する場合なら、なぜ都心部への転職を希望しているのか、といった理由を第三者でも納得できるような言葉で用意しておくことをおすすめしたい。

転職の動機、その勤務地やその仕事内容を希望する動機を電話面談でしっかりと伝えることで後の選考も有利に運びやすいからだ。

【要注意3】紹介から応募まで妥協の提示が多い

転職エージェントへの登録、面談を終え、求人案件の紹介が始まってから希望の条件についてよく妥協を求められるような場合は注意が必要だ。

そういったケースでは、少なくともその転職エージェントには希望に沿う案件が非常に少ない可能性が高い

自分自身の設定した希望が高望みで、納得できる妥協ならば問題はないが、そうでなければそのまま話を進めることはおすすめしない。

転職したら何とかなる、という考えはタブー

転職活動をしていると多少の妥協をする必要はあるのだが、転職したら何とかなる、という漠然とした妥協はすべきではない

妥協できない条件はその1つ1つに妥協できない理由があって、何かが良ければもう一方は妥協しても良いというものではないはずだ。

筆者自身の例なのだが、それ以外の条件が良く希望していた勤務地を妥協して転職を決めたところ、片道約2時間、1日4時間の通勤時間になってしまったことがある。

最初は何とかなるかもと考えがちだが、転職したあと毎日、毎月、毎年続いても平気かどうか、よく考えて決めて欲しい。

転職しないという選択も含めて検討する

転職エージェントに言われるままに妥協を重ねて転職するなら、今は転職しない、という選択もアリだ。

転職そのものや転職先への採用が最終的な目的になってしまうと、転職してから後悔したり、苦労したりするケースが少なからずあるからだ。

年収額アップを目的に転職を決めたものの、なかなか採用に至らず、気付いてみれば職場が変わっただけで年収はほとんど変わらないというケースは多い。

転職エージェントにとっては「採用」が目的なので妥協を勧めることがあるが、自身の目的は見失わないようにして欲しい。

【要注意4】何かにつけて急かされる

前項の【要注意2】でも解説したように、アドバイザーは何人もの登録ユーザーを担当しているので忙しいこともあるが、何かにつけて急かしてくるようなアドバイザーには要注意だ。

その中でも特に、紹介から応募、または内定から内定承諾について急かされるような場合は、担当者がノルマに追われている可能性がある。

また、不人気の求人案件はなかなか採用が決まらないため、求人企業に急かされている可能性も考えられる。

どちらにしても急かされて転職が好転するケースは少ないので、対処することをおすすめする。

中には本当に急いだほうがいいこともある

転職エージェントから紹介を受けて応募を急かされた場合など、求人の内容が優良案件の場合は急いだ方がいいこともある。

多くの優良案件は採用予定人数が少なく、ある程度同じ時期に選考を進めたいため、応募者多数になると締め切ってしまう場合があるからだ。

アドバイザーとの面談などを通じて関係が上手くいっている場合などは優良案件を優先的に紹介してくれるケースも多く、その求人内容を見れば優良かどうかはある程度掴めるはずだ。

アドバイザーとの関係、実際の求人内容を判断材料に、本当に急いだ方がいい案件にはすぐに対応するようにしたい。

他でも選考が進んでいる、という理由は使える

優良案件でも自分の理想に近い求人でもなく、応募や内定の承諾を急かされている場合は、他でも選考が進んでいるので待って欲しい、という理由で猶予をもらうのが有効だ。

他にも優先したい選考があるということが分かってなお担当の案件を急かしてくるアドバイザーはノルマ、採用重視だと思っていいだろう。

さらに内定を出している求人企業に対しては「他社でも欲しがっている人材」という位置づけができるため猶予をもらいやすい。

10日以上といった猶予は長すぎるが、3日~5日程度ならばゆっくりと吟味して判断する時間を得られるはずだ。

【要注意5】アドバイスやおすすめに一貫性がない

比較的経験の浅いアドバイザーにありがちなのが、アドバイスやおすすめに一貫性がないというケースだ。

この原因は、転職希望者の考えている優先順位を正しく把握できていないか、または意図的に採用の結果が出しやすい求人案件を優先しているかなどがある。

新人エージェントでも、登録ユーザーの情報と求人情報をマッチングさせること自体は比較的容易に出来る仕組みになっている。

その上で何を優先して求人案件を紹介するのか、応募や選考にあたって何をアドバイスするのか、という部分でアドバイザーとしての力量が問われるのだ。

そんなに重視していない条件をアピール

転職希望者がそこまで重視していない条件をアピールして応募を勧めてくるような場合は、その求人案件ありきの紹介である場合が多い。

その求人案件で採用がなかなか決まらず何とかしたいという思いがあるか、担当者が主観的に良い案件だと思っているか、どちらにしても登録ユーザー目線ではない。

前者であれば応募には慎重になった方がいいのは言うまでもないが、後者の場合は、アドバイザーに相談して判断することをおすすめする。

自分はその条件を重視していないがこの求人や求人企業にどんな魅力があるのかをアドバイザーに相談して、全ての可能性を見逃さないようには気をつけたいところだ。

簡単でも記録を残しておく

担当者とのメールのやり取りを残している転職希望者は多いと思うが、面談や電話で話した要点も残しているという人は少ないだろう。

転職活動中はかんたんなメモ程度でもいいのでおすすめやアドバイスを記録しておき、前にもお願いしたのに分かってもらえていない、といったことに早く気付くようにして欲しい。

アドバイザーが未熟なだけならば何度か相談を繰り返すうちに改善されることが多いが、意図的に採用を重視されている場合はあえてそうしているため改善される見込みは低い。

最初から2社以上の転職エージェントに登録してリスク回避するか、一貫性のないアドバイスが続く場合はエージェントを変えるのがいいだろう。

他にもある、転職エージェント利用の裏事情

転職エージェントの内部事情や要注意のサイン、その対処法などを詳しく説明したが、その他にも様々な裏事情がある。

転職活動に転職エージェントを利用すること自体はおすすめしているので、裏事情を参考に、上手に付き合っていって欲しい。

アドバイザーも普通の会社員

分かりきっていることだが、転職エージェントで働くアドバイザーも普通の人間で、ごく一般的な会社員だ。

誰かを騙して得しようとはそもそも思っていないし、担当している登録ユーザーの採用が決まれば少なからずほっとする。

担当したユーザーから「ありがとう」と言われれば素直に嬉しいが、モンスター・クレーマーを担当してしまう事だってあるのだ。

最初から警戒心や敵意剥き出しで利用するのではなく、「お願い」や「お礼」をやり取りしていけば自ずと良い関係になりやすい、ということを忘れないでおこう。

担当者の変更は出来る

転職エージェントの目的は求人と応募者を結び付け、採用に導くことなので、そのために必要であればもちろん担当者を変更できる。

他社の転職エージェント利用に移る、または登録しているがアクティブでないユーザーになるよりは担当変更して転職してもらった方が会社にとってもメリットだからだ。

ただし、何でもかんでもアドバイザーのせいにしたり、何となく気に入らないといった個人的な理由の変更は極力しない方が良い。

特定の分野に強いアドバイザー、初めての転職なのでベテランのアドバイザー、同性のアドバイザー、など、転職成功を目的にした担当者変更を申し出るようにして欲しい。

辞退はほどほどに

エージェントにとって最も厄介なユーザーは、質問が多いユーザーでも、条件のハードルが高いユーザーでもなく、辞退が多いユーザーだ。

紹介した案件を辞退してその理由が分からない、選考が進んでいる途中での辞退、または内定辞退が多い、といったユーザーに対しては、対処のしようがなくなってくるからだ。

辞退をすることが悪いのではなく、なぜ辞退なのか、どうだったらOKだったのかを具体的かつ前向きにアドバイザーと共有するべきなのだ。

担当者が異なる場合であっても転職エージェントは求人企業と転職希望者に板挟みの関係なので、理由のはっきりしない辞退ばかりが続くとユーザーとしての優先順位は低くなるばかりだ。

企業の採用担当者とエージェントはよく話している

求人企業の採用担当者と企業担当のアドバイザーは、登録ユーザーとキャリア・アドバイザーに比べ付き合いが長く、よく話もしている。

転職活動期間だけの付き合いである転職希望者と比べ、求人企業と転職エージェントは年間単位の契約を結んでいるからだ。

筆者の経験上、転職エージェントから預かった事前情報と面接の話とが異なる場合が時々あるのだが、それはすべて企業に伝わっているので要注意だ。

もちろんアドバイザーには守秘義務があるので、企業に伝えて欲しくないことはあらかじめ断ってから話すようにするのがいいだろう。

【2023年4月最新】筆者オススメの厳選転職エージェント6選

最新情報を比較!筆者がおすすめする厳選転職エージェント

ここでは、筆者がオススメする転職エージェントを厳選して紹介しておこう。

転職エージェントを最大限活用する為には、

  • 自分の希望に合ったスタイルの転職エージェントか
  • その業界・企業に強みを持っているか
が大きなカギを握っている。

転職エージェントの利用先は、一つでなければ行けない決まりはない。

筆者としては、厳選した6社から3~4社ほど申し込むことをオススメしている。

勿論、やり取りが追い付かないレベルはNGだが、ある程度話を聞いてみて「この人が一番信頼できる」と感じたエージェントに活動を絞っていくのがベストだ。

※ランキングは筆者の見解による

1.ビズリーチ

BIZREACH

ビズリーチ

※参照:ビズリーチ公式HP

ビズリーチの詳細情報

求人数 約80,000件以上
累計利用企業数 約23,500社以上
ヘッドハンター数 5,800名以上
利用者の年齢 登録者の約半数が30~40代
特徴 ヘッドハンターと企業両面からのスカウト方式
料金 基本は無料/有料プランは30日間で5,478円(税込)
運営会社 株式会社ビズリーチ
主要対応エリア 全国対応
※2023年4月現在の公式ホームページ情報を調査 ※非公開事項は筆者のヒアリングによる

ビズリーチの評価チャート

こんな方にオススメ

  • 年収500万円以上で、よりキャリアアップしたい方
  • 管理職・専門職の経験がある方
  • マネジメントスキルに自信がある方
  • 語学力に自信がある方
  • グローバル志向の方
ビズリーチについて、下記の記事でも詳しく解説しているのでぜひ読んでほしい。
※WEB履歴書等の詳細情報入力すると非公開の高収入案件を見ることができます。

無料登録はこちら (公式サイト)

ちなみにビズリーチでは、登録時にWEB履歴書を基本情報(下記赤い部分・13項目)まで入力すると非公開の高収入求人が見られるようになっている。

ビズリーチの完了画面

ビズリーチの完了画面

1画面1設問なので、筆者の場合も3分ほどで入力ができた。

求人の条件にはこだわりたい!という場合は、ひと手間惜しまず入力してみよう。

但し、年収500万以上の人しか非公開求人を見られる権利を得られないようになっている。

年収500万以下の人は「リクルートエージェント」がオススメだ。

2.リクルートエージェント

リクルートエージェント

リクルートエージェント

※参照:リクルートエージェント公式HP

リクルートエージェントの詳細情報

求人数 公開370,121件 非公開258,533件
得意な業界 IT・通信・機械・小売・サービス・人材
コンサルタント数 約400名
面談の有無 有り
応募書類添削対応 有り
選考日程調整対応 有り
年収交渉対応 有り
転職実績(累計) 約40万名
転職実績(年単位) 約2万名
求人の更新頻度 高い
料金 無料
運営会社 株式会社リクルート
主要対応エリア 全国対応
拠点数 16拠点(2023年4月時点)
※2023年4月現在の公式ホームページ情報を調査 ※非公開事項は筆者のヒアリングによる

リクルートエージェントの評価チャート

こんな方にオススメ

  • 幅広い職種・業界を紹介してほしい方
  • 大手企業・中堅企業を希望する方
  • 転職によって年収アップを目指す方
リクルートエージェントについて、下記の記事でも詳しく解説しているのでぜひ読んでほしい。
※WEB履歴書・レジュメの入力は登録後でも行えます

無料登録はこちら (公式サイト)

3.dodaエージェントサービス

dodaエージェントサービス

dodaエージェントサービス

※参照:dodaエージェントサービス公式HP

dodaエージェントサービスの詳細情報

求人数 公開189,949件
コンサルタント数 不明/分野別コンサルタントが存在/提携エージェント300社
面談の有無 有り
応募書類添削対応 有り
選考日程調整対応 有り
年収交渉対応 有り
求人の更新頻度 高い
料金 無料
運営会社 パーソルキャリア株式会社(旧・株式会社インテリジェンス)
主要対応エリア 全国対応
拠点数 32拠点(2023年4月時点)
※2023年4月現在の公式ホームページ情報を調査

dodaエージェントサービスの評価チャート

こんな方にオススメ

  • 幅広い職種・業界を紹介してほしい方
  • 20代後半~30台前半の方
  • 志望業界の予備知識がある方
  • 面接や書類の添削を受けなくても転職が出来る自信がある方
  • 転職のスケジューリングに不安がある方
dodaエージェントサービスについて、下記の記事でも詳しく解説しているのでぜひ読んでほしい。
※WEB履歴書・レジュメの入力は登録後でも行えます

無料登録はこちら (公式サイト)

4.マイナビエージェント

マイナビエージェント

マイナビエージェント

※参照:マイナビエージェント公式HP

マイナビエージェントの詳細情報

求人数 公開45,541件 非公開18,120件
得意な業界 IT・通信・メーカー・小売・サービス
コンサルタント数 不明
面談の有無 有り
応募書類添削対応 有り
選考日程調整対応 有り
年収交渉対応 有り
転職実績(累計) 厚生労働省委託事業「職業紹介優良事業者認定制度」において「職業紹介優良事業者」事業者認定を取得
転職実績(年単位) -
求人の更新頻度 高い
料金 無料
運営会社 株式会社マイナビ
主要対応エリア 全国対応
拠点数 5拠点(2023年4月時点)
※2023年4月現在の公式ホームページ情報を調査

マイナビエージェントの評価チャート

こんな方にオススメ

  • 幅広い職種・業界を紹介してほしい方
  • 企業の内情をちゃんと把握したい方
  • 転職活動が初めてで、サポートしてもらいたい方
マイナビエージェントトについて、下記の記事でも詳しく解説しているのでぜひ読んでほしい。
※WEB履歴書・レジュメの入力は登録後でも行えます

無料登録はこちら (公式サイト)

5.パソナキャリア

パソナキャリア

パソナキャリア

※参照:パソナキャリア公式HP

パソナキャリアの詳細情報

求人数 約40,000件(うち非公開求人約25,000件)
取引先企業数 約16,000社
得意な業界 ソフトウェア・通信・IT・電気・機械
得意な職種 営業・エンジニア・管理部門
コンサルタント数 不明
面談の有無 有り
応募書類添削対応 有り
選考日程調整対応 有り
年収交渉対応 有り
転職実績(累計) 累計約25万人の転職支援
求人の更新頻度 高い
料金 無料
運営会社 株式会社パソナ
主要対応エリア 全国対応
拠点数 50拠点(2023年4月時点)
※2023年4月現在の公式ホームページ情報を調査 ※非公開事項は筆者のヒアリングによる

パソナキャリアの評価チャート

こんな方にオススメ

  • 女性で理系職種の転職希望者
  • 安定して長く働ける会社に行きたい方
  • 専門的なスキルを活かしたい方
  • 管理職を経験した事がある方
  • 第二新卒の転職希望者
パソナキャリアについて、下記の記事でも詳しく解説しているのでぜひ読んでほしい。
※WEB履歴書・レジュメの入力は登録後でも行えます

無料登録はこちら (公式サイト)

6.JACリクルートメント

JAC Recruitment

JAC Recruitment

※参照:JACリクルートメント公式HP

JACリクルートメントの詳細情報

求人数 約13,000件
取引先企業数 約25,000社
コンサルタント数 550名以上
転職実績(年間) 年間約67,000人が登録
特徴 外資系・海外企業に強み
料金 無料
運営会社 株式会社ジェイエイシー リクルートメント
主要対応エリア 全国対応
拠点数 9拠点(2023年4月時点)
※2023年4月現在の公式ホームページ情報を調査

JACリクルートメントの評価チャート

こんな方にオススメ

  • 外資系企業・海外勤務を希望している方
  • 管理職経験が長い方
  • 各職種・業界のトップ人材
  • 語学力を活かして働きたい方
JACリクルートメントについて、下記の記事でも詳しく解説しているのでぜひ読んでほしい。
※WEB履歴書・レジュメの入力は登録後でも行えます

無料登録はこちら (公式サイト)

転職エージェントと合わせて活用したい!市場価値算出ツール「ミイダス(MIIDAS)」

ミイダス

ミイダス

※参照:ミイダス公式HP

ここまで読んできて、

  • 自分の市場価値はどの程度なのか分からなくなった
  • どのレベルの求人を希望すれば良いのか不安になってきた
という人はいないだろうか。

満足度の高い転職のためには、企業が望む人材と自身のスキルのバランスが取れていることが重要だ。

経歴詐称に近いレベルでコンサルタントに応募書類を改変され、年収はアップしたものの周りに追いつけず、居づらくなって辞めたという話も時々耳にする。

自分の市場価値を把握する、企業からのオファーによる転職活動という2つの特徴を持つのが「ミイダス」だ。

ミイダスでは自分の経歴・スキルを入力すると、200万人の転職者データベースから自分の市場価値(適正年収)を算出してくれる。

またそのプロフィールを元に、書類選考通過と同じステップとなる企業からのオファーが届く仕組みだ。

  • 今すぐ転職活動をするのは不安だが、自分の市場価値は知っておきたい
  • 自分の経歴・スキルを歓迎してくれる企業に入りたい
という人には、一度試してみる価値があるだろう。

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転職エージェントについては下記記事で詳しく解説している。

まとめ

ここまで転職エージェントの仕組みやアドバイザーの思っていることなど、裏事情について解説してきた。

繰り返しになるが、転職活動において転職エージェントの利用はメリットが多い。

振り返ってまとめるので、アドバイザーとの良好な関係やスムーズな転職活動に役立てて欲しい。

転職エージェントを理解するための3つの顔

  1. 第1の顔:「求人企業」こそ、お客様
  2. 第2の顔:「営業成績」が求められる営業マン
  3. 第3の顔:「転職希望者」に寄り添いたいと思っている

エージェントにも2種類ある

  1. 求人企業側の担当・・・リクルーティング・アドバイザー(RA)
  2. 転職希望者側の担当・・・キャリア・アドバイザー(CA)

第1の顔:「求人企業」こそ、お客様

  • 転職エージェントの料金は求人企業が支払う仕組みになっている
  • 求人企業やその仕事について理解することが求められる
  • 応募要件の他に、年齢や経験、転職回数などの裏設定、裏ステータスがある
  • 企業が支払う成功報酬の相場は採用者の想定年収×35%

第2の顔:「営業成績」が求められる営業マン

  • 特に企業を担当するリクルーティング・アドバイザーは新規開拓営業も担う、営業マン
  • 営業ノルマは採用件数か売上金額が主流
  • 最近では書類選考通過率や面接通過率、企業への応募数など、アドバイザーの行動指標にノルマ設定がある場合も
  • ノルマの締日である月、四半期、決算月にはエージェントがノルマ重視になりやすい
1件でも多く採用するための役割分担
  • 業界・職種の専門別チームで専門的な紹介やアドバイスに対応
  • アドバイザーにはアシスタントが付いて時間や曜日をカバーしている

第3の顔:「転職希望者」に寄り添いたいと思っている

  • 転職エージェントも本音では転職希望者の役に立ちたいという気持ちは強い
  • 相談を受けることには積極的に対応したいと思っている
  • 第三者的な視点とアドバイスから冷たい意見になることもある
  • キャリアコンサルタント資格などを通じてアドバイザーのスキルを高めたいと思っている

転職エージェントで注意すべきアドバイザー5選

【要注意1】希望とかけ離れた転職先ばかり紹介される

  • 担当者とのコミュニケーションが上手くいっていない
  • 採用優先で求人案件を紹介されている
  • どちらのケースでもすぐに対処した方が良い

【要注意2】特に理由もなく電話面談にしたがる

  • 遠隔地でもなければ対面の面談をしてくれるアドバイザーがベスト
  • 2つ以上の転職エージェントに登録して対応する
  • 遠隔地からの応募では動機をしっかりと伝えてイメージアップ

【要注意3】紹介から応募まで妥協の提示が多い

  • 妥協しなければ案件がないのか、採用重視なのかの見極めが必要
  • 転職したら何とかなる、という考えはタブー
  • 転職しないという選択も含めて検討する

【要注意4】何かにつけて急かされる

  • 注意すべきタイミングは紹介から応募、内定から内定承諾をするとき
  • 中には優良案件もあり、本当に急いだほうがいいこともある
  • 数日の猶予が欲しい時に「他でも選考が進んでいる」という理由は使える

【要注意5】アドバイスやおすすめに一貫性がない

  • 比較的経験の浅いアドバイザーにありがちな「案件ありき」の視点
  • そんなに重視していない条件をアピールされたら慎重に確認を
  • アドバイザーからの紹介ややり取りは、簡単でもいいので記録を残しておく

他にもある、転職エージェント利用の裏事情

  • アドバイザーも普通の人間で、ごく一般的な会社員
  • 「お願い」や「お礼」をやり取りしていけば自ずと良い関係になりやすい
  • 転職成功を目的にした担当者変更ならばしてよい
  • エージェントにとって最も厄介なユーザーは辞退が多いユーザー
  • 辞退する際にはその理由と、今後どうしたらいいかを相談する
  • アドバイザーに話したことは企業の採用担当者に伝わっていると考えておいた方がいい

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Career Rules編集部

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