ペルソナの本来の意味は「仮面」ですが、ビジネスシーンでの意味としては「対象となるユーザー像」です。
これで、とりあえずまずは「ペルソナとはどんな意味なのか」という疑問が晴れたと思います。
ただし「ペルソナ」という言葉を、具体的にどう使えばいいのかは、まだわからないでしょう。
そこで次は「ペルソナの具体的な使い方と実例」について紹介していきます。
「ペルソナ」の具体的な使い方と実例
「ペルソナ」という言葉が、どんな時・どういう会話で・どんなワードともに使われるのか解説していきましょう。
今回紹介する「ペルソナ」の使い方とシチュエーションは、「マーケティング会議をする時の“ペルソナ”」です。
会話例とともに紹介していくので、今のあなたシチュエーションと結びつけながらチェックしてみてください。
マーケティング会議をする時の「ペルソナ」
マーケティング会議をする時に「ペルソナ」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
上司:「我が社の商品を買ってくれる主な【ペルソナ】はどんな人だろうか」
部下:「明らかな【ペルソナ】は主婦です。しかしそれ以外を挙げるのは難しいですね・・・」
わかりやすく変換
上司:「我が社の商品を買ってくれる主な【対象となるユーザー像】はどんな人だろうか」
部下:「明らかな【対象となるユーザー像】は主婦です。しかしそれ以外を挙げるのは難しいですね・・・」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「対象となるユーザー像」という意味で「ペルソナ」を使います。
そもそもビジネスにおける「ペルソナ」は「対象となるユーザー像」という意味しかないので迷わないでしょう。
ちなみに「ペルソナ」はマーケティング会議で必ず出てくる言葉なので、必ず意味をおさえておくべきです。
「ペルソナ」と似たような言葉・間違えやすい言葉
「ペルソナ」という言葉と一緒くたにされたり、似た意味だと思われやすいのが、「ターゲット」という言葉です。
「ターゲット」と「ペルソナ」を比較して、使い方のポイントや意味の違いを浮き彫りにしていきましょう。
「ペルソナ」と「ターゲット」を比較
「ターゲット」の本来の意味は、「対象となるユーザー像」です。
ビジネスシーンにおいて「ターゲット」は、「我が社の商品のターゲットは主婦だ」のような使われ方をします。
一方、先述したようにペルソナには「対象となるユーザー像」という意味があります。
ペルソナとターゲットの意味を比較するとわかると思いますが、これらは同義です。
ちなみに実際のビジネスシーンにおいて、ペルソナとターゲットが一緒に使われるのはそこまでありません。
なぜかというとターゲットとペルソナは同義ですが、より詳細に設定するのがペルソナだからです。
ペルソナを意識してマーケティングした方がより効果的のため、一緒に行われることはありません。
会社によってはペルソナとターゲットは完全に同義と思っている場合がありますが、大きな間違いです。
厳密には調査するべき「内容」と「深さ」が全然違うということを、忘れないようにしてください。
ここまでは、「ペルソナ」と似たような言葉・間違えやすい言葉についてお伝えしました。
「ペルソナ」と似たような言葉である「ターゲット」との違いを、理解していただけたと思います。
ただし実際にペルソナを設定するとなると、うまくできるかどうか自信が持てないのではないでしょうか。
そこで次は「実際にペルソナを設定する上でのコツや注意点」について紹介していきます。
初心者でもできる「ペルソナ」を設定する方法
意味や利用すべきシーン、実際の会話例などは理解していただけたでしょう。
しかし実際に「ペルソナ」を設定する場合、どうやれば初心者でも上手くやりきることができるのでしょうか。
ここからは、ペルソナの具体的な作り方をレクチャーしていきます。主な流れは、以下の通りです。
- ステップ1.ペルソナ設定に必要な情報を集める
- ステップ2.対象となるユーザー像に関するデータを分類する
- ステップ3.データを集約してペルソナを完成させる
ステップ1.ペルソナ設定に必要な情報を集める
まずは対象となるユーザー像によく似た人に関する情報・データを収集します。
情報収集に力を入れることで、本当にいる人物かのような現実的なペルソナを作ることができるでしょう。
ここで伝えたいことを先にまとめますと、以下の通りになります。
- アンケートおよびインタビューを行う
- 無料ソフトによるデータ分析を活用する
- 一般に公開されているデータを参考にする
アンケートおよびインタビューを行う
実際のユーザーにインタビューが可能なら、ぜひ実施しましょう。
元々の対象となるユーザー像に、比較的よく似た属性を持った人数名にインタビューしましょう。
インタビューでは「スマートフォンの利用状況」「商品を選ぶときの目安」に加えて、普段の生活などを尋ねます。
個別に色々な人にインタビューするのが不可能であれば、アンケートを実施してください。
企業向けの商品であれば、実際のユーザーに接しているセールススタッフに聞いてみるのも有効です。
無料ソフトによるデータ分析を活用する
サイトを運営しており、アクセス解析ツールを取り込んでいれば、実際のユーザー情報を知ることができます。
具体的には、Googleアナリティクスなどが頼りになります。
Googleアナリティクスなら、簡単にユーザー属性や気に入っている分野の情報を見ることができますよ。
また何曜日、何時に最も多くチェックされているのかなどもGoogleアナリティクスで見ることができます。
グーグルアナリティクスのレポートを見ることで、顧客の生活リズムがわかるでしょう。
一般に公開されているデータを参考にする
インターネット上にて一般にオープンされている調査データを、活用するのも有効です。
特に調査結果が属性別に集約されているものなどは、非常に役にたちます。
ペルソナ設定の際にユーザー像をイメージするのに大活躍することでしょう。
特におすすめのサイトは「調査のチカラ」です。様々なジャンルのリアルな調査データが手にはいりますよ。
既存の調査データは、対象となるユーザー像の実態を掴むのに非常に有効です。
公開済み情報も参考にしてペルソナをセッティングすることで、現実味を帯びたペルソナになります。
ステップ2.対象となるユーザー像に関するデータを分類する
ステップ1で集めたデータをグルーピング(分類)します。
まずは「ユーザーの特徴的な考え方や思考、生活様式」などをビックアップします。
そして「スマートフォンの利用状況」「商品を選ぶときの目安」など、関連性が高いものをまとめていきます。
ステップ3.データを集約してペルソナを完成させる
グルーピングの作業を行うと、対象となるユーザー像の輪郭がなんとなく見えるでしょう。
さらに見えてきた輪郭に、細かい属性情報や生活様式などを情報として加えていきます。
情報の追加によって、さらに輪郭を明確にし、具体的な一人のユーザーとして浮かび上がらせるのです。
具体的には「年齢」「勤務先業種」「趣味」「交友関係」「お金の使い方」「SNSの使い方」を設定します。
上記の内容まで設定すれば、十分なペルソナの完成です。
最後に完成したペルソナを実際にユーザーに接している人を中心に、他の人にも見せてください。
リアルな人物像に沿っているか、対象となるユーザー像に合致するのか再度確認しましょう。
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