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経営者JPの面白調査「平成を象徴する経営者やリーダー」を読んでみた感想まとめ

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経営者JP総研のおこなった「平成を象徴する経営者やリーダー」についての調査結果が発表された。

主に下記7つの項目について調査されている。

経営者JPで調査された7つの項目

  1. 平成を象徴する経営者3人
  2. 新年号で活躍しそうな経営者3人
  3. 平成を代表する3大リーダー
  4. 平成ではまったもの3つ
  5. 平成を思い出すビジネス書は3つ
  6. 平成で起こったできごとで印象深いのは?
  7. 影響の大きかった政策

今回の調査は、個人事業主とビジネスへの意識が高い人を対象としたものである。

記事中に出てくる経営者やリーダーについて動向を注意しておくと、今後のビジネスで参考になるかもしれない。

それでは、さっそく始めよう。

平成を象徴する経営者はこの4人

まず、「平成を象徴する経営者」にえらばれたのは、以下の経営者だ。

平成を象徴する経営者4人

  • 1位:孫正義
  • 2位:稲盛和夫
  • 3位:堀江貴文
  • 3位:永守重信

1位が孫氏、2位が稲盛氏、堀江氏と永守氏は同率で3位であった。

どの経営者も存在感のある人たちであるが、それぞれの経歴や選ばれた理由について1人ずつご紹介しよう。

1位:孫正義(そんまさよし)

孫正義氏は、ソフトバンクグループの創業者であり、現在は多くの企業で会長職に就いている。

自分はアイディアを出すが、コストは他者に負担してもらう方法で事業を拡大してきた実業家だ。

一見すると、悪徳商法のように感じるが、コストを負担してでも実現したくなるほど、孫氏のアイディアには魅力があるということ。

自身のアイディアを武器にたたかう事業家である。

「平成を象徴する経営者」部門で堂々1位に選ばれた理由としては、

  • 世界でも通用する圧倒的な実力を持っていること
  • 年齢を重ねても挑戦を続け、成長を続けていること
  • 先を見るスキルに長け、戦略が明快であること

などが挙げられている。

経営者の多くは、年齢を重ねたり、事業が拡大したりするにつれ、保守的な気持ちが強くなってしまう。

「企業を守りたい」という思いが強くなり、挑戦するのに躊躇ってしまうことも多いのだ。

一方で孫氏は、ソフトバンクグループが大きく成長し、知らない人はいないほどに事業を拡大している中、なおも戦略的でおもしろい挑戦をし続けている。

保守的な気持ちが強くなりすぎている経営者には、耳が痛いことだろう。

孫氏がこれほどまでに攻めていけるのも、自身のアイディアや、やり遂げる力に自信があるからではないかと筆者は考える。

守りに入ってしまうとまず考えるのが「失敗したらどうしよう」ということ。

しかし、孫氏は「失敗しないためにどうすればいいか」を考えているように思う。

成長を続ける経営者に必要なスキルは「ならばどうするか」と、戦略的に物事を考えるスキルかもしれない。

2位:稲盛和夫(いなもりかずお)

稲盛和夫氏は、京セラKDDIの創業者である。

現在は、公益財団法人稲盛財団の理事長や、日本航空の名誉会長などの職に就いている。

京セラやKDDIといった、知らない人がいないほどの大企業を創業した本人だ。

さらに、経営破綻した日本航空(JAL)の再編に携わり、3年に満たないうちに再上場を成功させた功績の持ち主。

中小企業経営者の勉強会「盛和塾」の塾長を務めており、1万2千人以上の経営者を育ててきた。

「新・経営の神様」とも呼ばれ、多くの経営者から師事されている存在である。

「平成を象徴する経営者」部門で2位に選ばれた理由としては、

  • 人の輪を大事にする経営を深化させ、ハイテク・IT産業の勃興を支えたこと
  • アメーバ経営の導入や日本航空の再建などインパクトを残したこと
  • 企業体質までも変革に成功したから

などが挙げられている。

選ばれた理由として挙げられた「アメーバ経営」とは、社員1人1人が自主的に経営に参加する考え方のこと。

稲盛氏自身の実体験から生み出された経営手法である。

部門の組織を5人〜10人ほどの小さなグループ細分化し、それぞれが1つの会社であるかのように運営する。

そうすることで、社員全員が自グループの利益を最大化させようと考えるため、経営に参加できるのが特徴。

経営に関して意識しているのは一部の社員だけという企業では、成長するスピードが遅くなってしまいがち。

しかし、アメーバ経営を取り入れることで、社員にも“自分事”に感じてもらえ、高スキルの社員が増えるメリットがある。

稲盛氏は人格を重視している経営者で、才能よりも徳の高さが大切だと考えている。

自分のやりたいことと違うことをやることになっても、そのことに全力を注げば結果は後からついてくると、本気で動いてきた経営者だ。

初めから「楽しい仕事をする」のではなく、「仕事を楽しくする」ための考え方は、現代において大切な考えなのではないだろうか。

稲盛氏の考え方について、より知りたい方は著書「生き方」を読んでみるのもいいだろう。

大切にしている思いや仕事への向き合い方など、稲盛氏の軸となる考え方が理解できる。

自分にも真似できることがないか、振り返ってみるといい。

3位:堀江貴文(ほりえたかふみ)

堀江貴文氏は、実業家でありながら、作家、投資家、タレントなど、さまざまな分野に手を伸ばし、肩書きは多岐に渡る。

堀江氏は何かとニュースなどに取り上げられることが多く、

  • ライブドアの上場廃止
  • 球団の買収計画
  • ニッポン放送買収計画
  • 総選挙への出馬
  • 証券取引法違反での逮捕

などの話題で一度は名前を聞いたことがあるはずだ。

歯に衣着せぬ物言いも特徴で、時にSNSが荒れてしまうこともある。

しかし「自分の時間を生きること」を大切にするなど、時間に流されてしまいやすい現代において、大切になる考えを持っている経営者でもある。

「平成を象徴する経営者」部門で3位に選ばれた理由としては、

  • 決断力の早さなど合理的な思考が魅力的であること
  • やりたいことを突き詰めて行動する人であること

などが挙げられている。

たしかに堀江氏の決断力は驚異的で、新サービスへの参入や宇宙事業への参入、最近ではYouTubeにも進出し話題を呼んでいる。

常人には真似できないのではないかと感じるほど、徹底的に効率にこだわっており、電話でのやり取りは禁止。

用があればメールなどで連絡するように、社員や取引先にも伝えているそうだ。

一見すると、周りに敵が増えてしまいそうではあるが、他者への愛情があるからこその“お節介”が多く、慕われている。(参考:https://www.1101.com/horiemon/

芯をしっかりと持ち、言いたいことをズバリ言う姿勢も見習いたいが、それ以上に、社員や関係者に対する優しさを持つ人徳もまた見習いたい。

3位:永守重信(ながもりしげのぶ)

永守重信氏は、日本電産株式会社の創業者であり、現在も代表取締役会長の職に就いている。

優秀な技術を持っているにもかかわらず、経営不振に陥った企業を買収し、子会社化することで再建させるビジネススタイルで活躍している。

自身は仕事が一番楽しく、365日仕事をする生活をしていた。

しかし、海外企業の有り様を見て、生産性が大切であることを認識。

将来は残業ゼロにすることを目標とする方向へ舵を切った。

「平成を象徴する経営者」部門で堀江氏と同率3位に選ばれた理由としては、

  • 短期間に世界的な企業に成長させたこと
  • 買収による事業拡大に成功したこと

などが挙げられている。

2019年1月には、日本電産の業績予想を下方修正するというニュースで話題になったが、それでも永守氏は上を目指しているようだ。

長い間、同じ業界や企業で活躍していると、頭が凝り固まってしまう経営者も多いなか、永守氏は時代の流れに適応できる柔軟さを持っている。

自身がやってきたことが現在でも通用すると驕らず、常に勉強し、考え方を改める柔軟さを見習いたい。

新年号で活躍しそうな経営者はこの3人

続いて、「新元号で活躍しそうな経営者」には、以下の3人が選ばれた。

新元号で活躍しそうな経営者3人

  • 1位:孫正義
  • 2位:三木谷浩史
  • 3位:豊田章男

平成でも活躍した孫氏は、新元号でも活躍を期待されていることがわかる。

孫氏と三木谷氏、豊田氏の3人に共通することは「常に挑戦している」ということだろう。

挑戦する気持ちが見て取れる経営者は、新元号になってからも活躍するに違いない。

1位:孫正義(そんまさよし)

孫氏は、前章でお伝えした「平成を象徴する経営者」でも堂々の1位を獲得している。

やはり常に挑戦を続け、成長し続けている点が評価されているのだろう。

「新元号で活躍しそうな経営者」で1位に選ばれた理由としては、

  • テクノロジーに精通しており、先見力があること
  • 新規ビジネスに挑戦する気概があること
  • 日本の未来を形作れるビジョンを持っていること

などが挙げられている。

挑戦を続けるためには、常に先を読み、適切なタイミングで仕掛けていく必要がある。

すぐに身につけるのは難しいが、一歩先の未来を予想する練習をしてみるのもいいかもしれない。

2位:三木谷浩史(みきたにひろし)

三木谷浩史氏は、楽天株式会社の創業者で、現在は代表取締役会長兼社長である。

社内の公用語を英語としたことでも有名で、当時「英語を勉強しなくては」と慌てた方も多いのではないだろうか。

楽天は言わずと知れた大企業であり、多くのサービスで利益を得ている。

しかし、三木谷氏は利益を溜め込むことはしていない。

積極的な買収や合併をおこなっており、挑戦的な経営を続けている経営者だ。

「新元号で活躍しそうな経営者」で2位に選ばれた理由としては、

  • 常に挑戦する経営をしていること
  • QRコード決済や総合金融事業で業績アップが見込めること
  • 新規展開に積極的であること

などが挙げられている。

楽天では「楽天ペイ」というサービスをスタート。

キャッシュレス化に向けたQRコード決済の先駆者であり、利用者も増えている。

新元号では、キャッシュレス化の波が大きくなることが予測できるため、三木谷氏率いる楽天もさらに成長していくのだろう。

3位:豊田章男(とよだあきお)

豊田章男氏は、トヨタ自動車株式会社の取締役社長の職に就いている。

創業者一族の一員でありながら、降格人事などを経験し、自らの実力で社長職に就いた人物である。

「新元号で活躍しそうな経営者」で3位に選ばれた理由としては、

  • トヨタを本気で変革しようとしていること
  • 時代や環境に合わせて経営戦略・企業戦略を実践していること
  • トヨタを自動車産業ではないセグメントへ持っていくことが予想できること

などが挙げられている。

豊田氏は、現場に一番近い社長でありたいと、現場をよく見る社長としても有名。

好奇心旺盛で、肩書きが何であれ、その分野に詳しい人には積極的に話をしようとする姿勢が魅力だ。

社長だからと驕らず、知見のある人から意見を聞く姿勢は見習いたい。

平成を代表する3大リーダーはこの3人

次に、「平成を代表する3大リーダー」に選ばれた3人をご紹介する。

平成を代表する3大リーダー

  • 1位:安倍晋三
  • 2位:小泉純一郎
  • 3位:イチロー

3人中2人が政財界からの選出である。

どちらも、長期に渡り日本のトップに在籍していることから選ばれたのだろう。

また、イチローは日本に多くの勇気や明るいニュースをもたらしてくれた存在。

3人とも日本を牽引したことで選ばれたようだ。

1位:安倍晋三(あべしんぞう)

安倍晋三氏は、言わずと知れた政治家である。

2012年から第96代内閣総理大臣の職に就いており、歴代2番目に長い期間の総理大臣として、国内外から注目されている。(なお、歴代最長は戦前の桂太郎氏の2,886日)

「平成を代表する3大リーダー」で1位に選ばれた理由としては、

  • 歴代2番目に長い期間の総理大臣であること
  • 長期政権で、日本の岩盤にクサビを打ち続けている
  • 国力を結集して、停滞している日本の景気回復に貢献したこと

などが挙げられている。

長期政権ということで、自身や周りのスキャンダルなどに振り回されることもある。

しかし、最低限の説明や早期に対応することで、自身の足元が揺るがないように対策している。

部下への対応の仕方やSNS、メディアへの対応など、“うまいやり方”はビジネスにおいても参考になるだろう。

2位:小泉純一郎(こいずみじゅんいちろう)

小泉純一郎氏も、安倍氏と同じく政治家である。

過去には内閣総理大臣として日本を牽引し、カリスマ性をもって任期を全うした。

  • 聖域なき構造改革
  • 恐れず怯まず捉われず

などの、いわゆる「小泉語録」が流行語大賞に選ばれたこともある。

「平成を代表する3大リーダー」で2位に選ばれた理由としては、

  • ポピュリズムを使い、いろいろなことを変革したこと
  • 熱狂的な国民好感度を得ていたこと
  • 強いリーダーシップをもって、経済成長をつくったこと

などが挙げられている。

政治といえば、あまり興味関心を持たれないことが多い。
しかし、小泉氏は圧倒的なカリスマ性で注目を集め、政治に対しての抵抗感を薄めたと言えるだろう。

小泉氏のカリスマ性はなかなか真似できないが、大衆を味方につけるスキルは身につけておきたいところだ。

3位:イチロー

イチロー氏は、本名を鈴木一朗という、プロ野球選手である。

2019年3月に現役を引退したが、通算安打世界記録保持者であり、日本に多くの希望をもたらした。

「平成を代表する3大リーダー」で3位に選ばれた理由としては、

  • 人が慕う強烈なリーダーシップがあること
  • スポーツに対する姿勢のお手本になる人物であること
  • 日本の野球のレベルアップも促進したこと

などが挙げられている。

幼い頃から野球一筋で、自身のスキルを上げるための努力は惜しまないことで有名だ。

小さなことを積み重ねることで、大きな成果をあげられることを身をもって体現した人物である。

引退会見で「監督職に就くことはない。人望がないから」と言っていた。

しかし、周りから見るとリーダーシップがあるように感じる。

「人望がない」と笑えることは、彼なりのユーモアなのかもしれない。

このように、真面目に1つのことに集中し、結果を出す姿勢は見習いたい。

「才能がないから」と諦めている人は、イチロー氏を目指して努力を始めてみよう。

平成ではまったものはこの3つ

次に、「平成でハマったもの」については、次の3つが選ばれた。

平成でハマったもの3つ

  • 1位:スマートフォン
  • 2位:PC(パソコン)
  • 3位:Facebook

どれも身近で、一度は触れたことがあるのではないだろうか。

1位:スマートフォン

スマートフォンとは、スマホとも呼ばれ、従来の携帯電話よりも高度なシステムを搭載したもの。

パソコンよりも軽く、持ち運びのしやすさから、人気を博している。

日本で、多くの人が使用しているiPhoneが発売されたのが2008年。

そこから一気に普及が加速し、総務省の行った「平成30年版 情報通信白書」の調査では75.1%が保有しているという結果が出ている。

たしかに、通勤時に電車内を見渡せば、ほとんどの人がスマホに夢中になっている。

メールやSNSだけでなく、電子書籍を読むこともできるなど、機能が充実しているため、普及率が高まるのも納得だ。

便利さがウリでもある一方で、歩きスマホなどのマナー違反も目立っている。

作業を効率的に進められるため取り入れたいが、トラブルに巻き込まれないよう、使い方を見直すことも必要かもしれない。

2位:PC(パソコン)

PCは、パーソナルコンピューター(Personal Computer)の略である。

総務省の行った「平成30年版 情報通信白書」では、家庭における普及率は72.5%であった。

平成後半には、金額も抑えたパソコンも多く登場し、普及率が上がってきているのではないだろうか。

スマートフォンでできることも増えてはいるが、まだパソコンの方が便利なこともある。

家庭に1台だけでなく、今後は1人1台持つ時代になると予測できる。

3位:Facebook(フェイスブック)

Facebook(フェイスブック)は、世界的に利用されているSNSである。

実名での登録が原則であり、学歴や職歴を登録することで、同級生や同僚と手軽に繋がることができる。

懐かしい友人と再会することも可能なため、若年層よりも3〜40代以降の利用者が多い印象だ。

しかし、Facebookに投稿されるポスト(記事)に対して、嫉妬心や自分との比較で疲れてしまう人も増えている。
SNSを利用する際には、自分と比べないことを意識したい。

もし、「あの人は〇〇なのに、わたしなんて……」などと感じるようになったら“SNS疲れ”していると言える。
一旦、SNSを見ることをやめ、自分との時間を大切にする方がいいだろう。

平成を思い出すビジネス書は3つ

次に、「平成を思い出すビジネス書」に選ばれたものは、次の書籍だ。

平成を思い出すビジネス書3選

  • 1位:7つの習慣
  • 2位:NOと言える日本
  • 3位:イノベーションのジレンマ
  • 3位:ビジョナリー・カンパニー

『イノベーションのジレンマ』と『ビジョナリー・カンパニー』は同率3位であった。

1位:7つの習慣

「平成を思い出すビジネス書」1位に選ばれたのは、スティーブン・R・コヴィー氏の『7つの習慣』だ。

7つの習慣

7つの習慣

日本だけでなく、世界的に人気の書籍であり、愛読者も多い1冊である。

日常的な繰り返し(習慣)によって作られている、わたしたちの人格。

逆説的ではあるが、人格を変えるためには習慣を変えればいいのである。

紹介されている7つの習慣を身につけることで、人格によい影響を与え、人生を変えることに繋がる。

本書では、習慣を身につけるための実践方法も載っているので、スムーズに取り入れられるはずだ。

なかなかの長文なので、最後まで読むのがつらいという方は、漫画版を手に取ってみるといいだろう。

まんがでわかる 7つの習慣

まんがでわかる 7つの習慣

2位:NOと言える日本

「平成を思い出すビジネス書」2位に選ばれたのは、ソニーの会長であった故・盛田昭夫氏と、政治家の石原慎太郎氏の共著である『「NO」と言える日本』である。

「NO(ノー)」と言える日本

「NO(ノー)」と言える日本

アメリカのビジネス方法への批判を通して、日本政府に対しての批判を込めたエッセイだ。

日本人は奥ゆかしさが良しとされてきたが、自分自身の意見を主張するべきだと述べられている。

しかし、石原氏の総裁選の最中に発売されたこともあり、宣伝のための書籍ではないかと言われている。

そうは言っても、受け身ではビジネスはできないだろう。
森田氏、石原氏のいう「自分の意見を主張するべき」という意見は賛成だ。

もちろん加減は必要だが、言いたいことはきちんと主張するのがいいだろう。

3位:イノベーションのジレンマ

「平成を思い出すビジネス書」3位に選ばれたのは、クレイトン・M・クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」だ。

イノベーションのジレンマ

イノベーションのジレンマ

大企業がイノベーションをおこそうとすると、落とし穴にハマるという理論を提唱する書籍である。

大企業は自社の安定を確保しつつ、次世代の急激なイノベーションにも対応しなければいけない。

イノベーションをおこすことだけでなく、「イノベーションのジレンマ」のメカニズムを理解しておくべきという流れになっているため、注目されている書籍だ。

顧客至上主義の否定など、日本企業には耳の痛い内容も多い。

経営者だけでなく、一般社員のうちから理解しておくと強みになるだろう。

3位:ビジョナリー・カンパニー

『イノベーションのジレンマ』と同率で、「平成を思い出すビジネス書」3位に選ばれたのは、『ビジョナリー・カンパニー』だ。

ビジョナリー・カンパニー

ビジョナリー・カンパニー

ジェームズ・C・コリンズ著のベストセラーである。

ビジョナリーとは、事業の将来を見据えた企業運営をしていくこと。

本書では、永続している企業の特徴について深掘りしている。

ビジネスを長く続けるために必要なことについて、予想を覆すような結果が出ているのが興味深い1冊だ。

自社を衰退させないためにも、読んでおいて損はない書籍である。

平成で起こったできごとで印象深いのは?

続いて、「平成で起こったできごとで印象深いこと」という質問では、以下の3つが上位に挙げられた。

平成で起こったできごとで印象深いこと3つ

  • 1位:震災
  • 2位:リーマン・ショック
  • 3位:バブル崩壊

平成を振り返り印象深いできごとの結果

※出典:経営者JP総研「平成で最も印象深い出来事」より

どれも大きな出来事であり、印象深い人も多いのではないだろうか。

震災を除けば、ビジネス関連の出来事が上位に入っているのが印象的だ。

1位:震災

平成では、2つの大震災が発生した。

どちらも人々の生活を多く変え、未だに記憶に残っている人も多いだろう。

阪神淡路大震災は、兵庫県淡路島北部沖を震源として、マグニチュード7.3の地震があった。

兵庫県を中心に、大阪や京都など、近畿圏の広い範囲で大きな被害を受けた。

早朝だったこともあり、地震の被害だけでなく、火災で命を落とした方も多い。

犠牲者は6,434人に達し、東日本大震災に次ぐ被害の規模だ。

東日本大震災は、宮城県牝鹿半島の東南東沖を震源として、マグニチュード9.0の地震であった。

岩手県沖から茨城県沖までの広い範囲で影響を受けている。

東日本大震災では、地震被害だけでなく、巨大な津波や原子力発電所の事故などで、甚大な被害を受けた。

2019年3月の時点で、死亡者は15,895人、行方不明者は2,539人にのぼっている。

過去最大の震災である。

「平成で起こったできごとで印象深いこと」の1位に選ばれた理由としては、

  • 阪神大震災では建造物の脆さ、東日本大震災では原子力の恐さで震撼させたこと
  • 生き方、働き方、時間の大切さを改めて考えるきっかけになったこと
  • 日本人の復興力と忍耐力を目の当たりにし、達観した視点をもるきっかけになったこと

などが挙げられた。

2つの震災から、自然に対する人間の無力さを感じた人が多いようだ。

しかし、震災から復興する力を持っていることも同じく証明された。

日々の生活を大切にし、生きていることに感謝する気持ちを大切にしたいものだ。

2位:リーマン・ショック

リーマン・ショックとは、2008年にアメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻したことで起こった世界的な金融危機のこと。

アメリカドルの下落が進んだために、輸出産業で大きなダメージを受けた。

これらのことから、日本経済も景気後退につながった出来事だ。

「平成で起こったできごとで印象深いこと」の2位に選ばれた理由としては、

  • 為替予約やスワップ取引分の外貨を捌くのに、毎日眠れなかったこと
  • いまだにその影響や恐怖感を払拭できない経営者が多いこと
  • 自社が史上初めて赤字決算に転落した記憶があること

などが挙げられた。

自分自身の資産として影響を受けた人は少なくても、勤めている企業が影響を受けた人が多いようだ。

そのことが記憶に深く刻まれ、何事にも慎重になる経営者を目の当たりにする。

たしかにリーマン・ショックのような出来事は、いつ起こるかわからないため不安に感じるものだろう。

しかし、守っているだけではビジネスが進むこともない。

先を読みながら、進み続けるスキルを身につけておきたい。

3位:バブル崩壊

「平成で起こったできごとで印象深いこと」の3位に選ばれたのは、バブル崩壊だ。

平成に入ってすぐ、日本の景気が底辺を見たバブル崩壊。

それまでの生活が一変したことで、人々の記憶に残っているようだ。

「平成で起こったできごとで印象深いこと」の3位に選ばれた理由としては、

  • ボーナス減や不良債権対応といった苦い経験があったこと
  • 自分自身の仕事に大きな影響があったこと
  • バブル崩壊やその後を歩んできたこと

などが挙げられている。

自分自身の生活に直接影響したバブル崩壊。

それまでの華やかな生活が強制的に終わり、堅実な生活を強いられただろう。

しかし、その経験を糧に現在まで活躍している人がいるのも事実。

物事を前向きに捉えて突き進む力も必要になるのだろう。

最悪な状況に陥っても、「どうすれば好転できるか」を考えることが大切だ。

影響の大きかった政策

最後に、「平成で影響の大きかった政策」で選ばれたのは、次の3つだ。

平成で影響の大きかった政策3つ

  • 1位:消費税増税
  • 2位:働き方改革
  • 3位:週休2日制

影響の大きかった政策の結果

※出典:経営者JP総研「影響の大きかった政策」より

自分の生活を変える政策が注目されているようだ。

新元号では、働き方改革の適用が本格的に始まる。

法改正や環境整備をしっかりと進めておきたいものだ。

1位:消費税増税

「平成で影響の大きかった政策」で1位に選ばれたのは、消費税増税だ。

平成では、2度の消費税増税があった。

そもそも消費税が導入されたのは、平成元年なのだ。

  • 1989年4月に消費税が導入され、3%からスタートした。
  • 1997年4月には5%へ、2014年には8%へ増税された。

さらに2019年10月には、10%に増税されることが決定。

「平成で影響の大きかった政策」で1位に選ばれた理由としては、

  • 販売不振などの影響で、販促方法の検討に大きな影響を与えたこと
  • システム投資やオペレーション変更などがコスト増になったこと
  • 一度離れたお客様が戻ってこないことを体験したこと

などが挙げられた。

消費税の増税により、消費者の購買行動が抑えられてしまう原因は、払った消費税がきちんと活用されていないことに対する抵抗ではないかと、筆者は考える。

もちろん、自分の資産を減らしたくないという気持ちもあるだろうが、実感できる税金の良い使い方をされていないことが、一層の買い控えを引き起こしているのではないだろうか。

わかりやすく、国民が納得する税金の使い方をしてほしいものだ。

2位:働き方改革

「平成で影響の大きかった政策」で2位に選ばれたのは、働き方改革だ。

働き方改革とは、日本企業の労働環境を見直す取り組みのこと。

2016年に安倍晋三氏によって掲げられた政策。

  1. 長時間労働の解消
  2. 正社員と非正規雇用の格差を減らす
  3. 労働人口不足の解消

といった3つの課題を解消するために、企業へ対応が求められている。

「平成で影響の大きかった政策」で2位に選ばれた理由としては、

  • 仕事中心だった生活から、余暇時間の過ごし方を考える視点ができたこと
  • 働く時間が制限されたことにより、生産性を意識するようになったこと
  • 就業規則だけでなく、社員の教育まで幅広い対応が必要になったこと

などが挙げられた。

今までの日本では「長く働くことが正義」とされていたが、アメリカをはじめとした企業からは懐疑的な見方をされてきた。

ここへきて、生産性の向上へ大きく舵を切った日本。

そのことで就業規則の見直しや、社員への徹底など、一時的に負担が増えるかもしれない。

しかし、それを乗り越えることで1人1人の生産性が高い企業を目指すことができるはずだ。

また、余暇時間のできた人は、自身の研鑽に励むもよし、趣味に没頭するもよし、より良い時間の使い方を見つけてほしい。

3位:週休2日制

「平成で影響の大きかった政策」で3位に選ばれたのは、週休2日制の導入だ。

今でこそ、ほとんどの企業で導入されている週休2日制であるが、官公庁が導入したのは1992年のことである。

「平成で影響の大きかった政策」で3位に選ばれた理由としては、

  • 子どもの行事に参加しやすくなったこと
  • 世間の変化に対応できた人、できなかった人の差が見えたこと
  • 生活そのものを変えるきっかけになったこと

などが挙げられている。

働き方改革と同様に、生産性の向上に欠かせない休暇。

根性論で「がむしゃらに働け」というのではなく、毎日働き続けても効率は落ちていくことを理解することが大切だ。

「最近の若い人は……」などとボヤいている人ほど、生産性を比べると若者に負けていることがあるので、注意したい。

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Career Rules編集部

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