「転職面接で、職歴・スキル・実績はどんな聞かれ方をするもの?」
「あまり職歴・スキルに自信がないんだけど、どう答えればいいのか…」
「自分のスキル・実績をうまく伝えられる気がしない」
初めての転職かどうかに関わらず、そんな風に悩んでいる転職者の方は多いのではないだろうか。
ただ、これまでの職歴を淡々を話すだけでは面接官の好印象を得ることは難しい。
これまでの経験で、何を成し得てきたか・身に着けたスキルは何か・どんな職種を経験してきたか…
それらを「自社でどう活かすことができるか」がもっとも見られていると言ってもいいだろう。
職歴・スキル・実績についてはしっかり隙がなく、具体性のある回答をしたいものだ。
そこで今回は、職歴・スキル・実績に関して聞かれる頻出質問と「回答のOK事例・NG事例」を動画で紹介しよう。
転職面接の頻出質問・回答事例をカテゴリーごとにすべてまとめた記事は下記から。
質問(1)今までの仕事で一番成功した・実績を挙げたことは何ですか?
成功の体験や実績は、成功した物事や実績の大きさと関係なく「その成功の要因を分かっているか」が重要になる。
なぜ成功したか、なぜ実績を残せたか、という成功までの過程を整理しておこう。
OKな回答事例(1)
リーダーを務めた営業チームで、年間1億円の売上を達成して社長賞を頂いたことです。
昨年まではあと少しというところで1億円に届かなかったのですが、この「あと少し」を受注できるように工夫したことが要因だと思います。
(面接官:それはどんな工夫ですか? )
2つあるのですが、目標の再設定と掘り起こし顧客リストの再検討です。
当初の売上目標は8,000万円で達成したのですが、そのタイミングで残り期間に対して目標2,000万円を改めて設定したことがチームのモチベーションにつながりました。
それと併せて顧客リストを洗い直したのですが、以前はたまたまタイミングが合わなかっただけ、のような、実は受注しやすい取引先が意外にも数件あって、受注につなげることができました。
「成功したこと・実績」回答のポイント・注意点
- 仕事上の成功や実績は、開発した製品、販売台数といった具体的なものが望ましい
- 出せた成果と、その要因の関係が分かることが大切
- 例えば「貴重な経験ができたことが成果だと思います」のように偶然的なものはNG
- 同じく、たまたま上手くいった、成功と呼べるものがない、という回答は謙遜でもしない
- 自分のどんな行動から成功に結び付いたのかを説明できるように準備しておく
OKな回答事例(2)
営業課長として過去最高の取引先数を記録したことです。
冷凍食品のルート営業は卸業者かスーパーなど、取引先にあまり変化はないのですが、ルート営業をしながら新規開拓にも取り組めるような仕組みづくりを営業部内で進め、その結果を出すことができました。
また、新規開拓が成功していくことで、営業部員のモチベーションも上がったことがさらに成功した要因だと思っています。
この回答のOKポイント
成功の要因が分かり転職先でも活かしてくれそうな期待が持てる
OKな回答事例(3)
年間2億円のコスト削減を達成し、3年以上それを上回ることなく維持できたことです。
調達購買は常にコストダウンを求められるのですが、効果の分からない目新しい工夫にばかり手を付けていました。
そこでもう一度基本に返って丁寧に、着実にやろうと在庫管理の見直しと取引先の再選定を1年間かけて推進したのですが、その翌年に大きな成果を得ることができました。
この回答のOKポイント
結果と取り組みの因果関係が分かりやすい
NGな回答事例(1)
新規開拓営業で入社3年目でしたがチーム内トップの年間契約数を獲得して、営業部長賞を頂いたことです。
大きな成果とはいえませんがモチベーションアップにつながりました。
この回答のNGポイント
成功の要因が不明で、振り返りをしていないことが分かる
NGな回答事例(2)
新商品開発のプロジェクトチームに抜擢され、先輩社員と一緒に開発や試作を行いました。
素材の強度計算が難しかったのですが、貴重な経験をさせて頂いたと思っています。
この回答のNGポイント
何を成功と考えているのかが分かりにくい
年齢によって異なるポイント
- まだ社会人経験が浅い場合は「成功とまでは呼べない事柄」「学生時代の成功体験」でも良い
- 正直に「まだ仕事で成功と呼べるものはないので、学生時代の話でもよろしいでしょうか」と話せば問題ない
- 30代以上、40代の場合は「他にはどうですか」と聞かれた時のために、思い当たる事例を2~3個用意しておく
質問(2)今までの仕事で一番の失敗は何でしたか?
成功体験を問う質問では「なぜ成功できたか」が注目されるが、失敗体験では「そこから何を学んだか」が見られている。
もちろん失敗には要因があるものだが、失敗に気づき、学び、すでに対策を実行しているのが望ましいだろう。
これも出来事の大小はあまり関係なく、「失敗の後どうしたか」にポイントを置いて回答するべき。
OKな回答事例(1)
見積書を出した時点でお客様に伝えた納期が実際は大幅に遅れたことです。
見積の回答をする際には倉庫の在庫と製造工場、両方を確認しなければならないのですが倉庫の確認だけで回答してしまい、受注の直前になってその商品の在庫がゼロになってしまったからです。
納期が遅れたことはお客様に迷惑もかけましたし問題なのですが、私か決められた手順を守らなかったことが一番の問題と反省しています。
こうしたルールは形式上で仕方なくすべきことではなく、先輩や上司が仕事を通じてミスやトラブルのないように作り上げてきたものだと考えを改め、以降はルールの背景まで知るようにして、それを同僚や後輩に広めるようにしています。
「一番の失敗」回答のポイント・注意点
- 仕事上失敗がないに越したことはないが、失敗の経験がない、という回答はしない
- 失敗を認識できる問題意識があり、失敗から学び、対策できる人材が優秀と思われる
- 20代など経験が浅い場合は「うまくいかなかったこと・そこから学んだこと」を回答する
- 成功体験では「その要因」がポイントになるが、失敗体験は「そこから何を学んだか」が大切
OKな回答事例(2)
経理に回して支払っているはずの仕入の請求書が2か月経ってデスクから見つかり始末書処分になったことです。
仕入先に見積もり依頼をした際に支払っていないことが発覚して慌てて対応しましたが上司からも厳しく注意を受けました。
月に1度、必ず仕入伝票と請求書を突き合わせることになっているのですが、ルール通りに行っていなかったことが原因でした。
それ以降は納品書1枚でも受け取ったらすぐにファイルし、添付されていなければ取引先に連絡して取り寄せるように、伝票の扱いや仕入処理を改めて、同じミスをしないようにしています。
この回答のOKポイント
失敗、原因、その後の対策を筋道立てて説明できている
OKな回答事例(3)
お客様に商品説明の訪問をするアポイントがあることを忘れてしまい、次のアポイントも入れて頂けなかったことです。
電話で約束をしたのですが手元にあるメモ用紙にメモして、スケジュールに入れることを忘れたためです。
以降はお客様に少し待っていただいても、電話で約束をしながらその場でスケジュールに登録して同じミスをしないようにしています。
この回答のOKポイント
失敗、原因、その後の対策を筋道立てて説明できている
NGな回答事例(1)
納品したパソコンの初期不良でクレーム対応にあたったのですが、言い方が悪かったのかお客様を余計に怒らせてしまったことです。
仕方なく上司に対応してもらったのですが上司でも収まりがつかず、返金して商品を引き取ることになってしまいました。
受け取り方は人それぞれなので、ものの言い方には気をつけたいと思いました。
この回答のNGポイント
原因とその対策がほとんどなく半ば投げやりに聞こえてしまう
NGな回答事例(2)
私自身普段から2度以上チェックをする、という風に慎重に行動していて、上司や同僚にもぎりぎりのところでフォローしてもらっているので失敗といえる失敗をせずに済んでいます。
この回答のNGポイント
対策もほぼ人任せで、問題意識が足りない回答になっている
年齢によって異なるポイント
- 20代であれば失敗を上司のせいに、40代ならば部下のせいにしてしまうような失敗体験は特にNG
- 例えば「私の指導が行き届かず部下がミスしてしまったことを反省している」といった回答はマイナス
- 起こったことに対しては「自分のミス」として正しく向き合い、学ぶ姿勢が必要
- 年齢が高いほど謙虚さや素直さ、対策の質などが厳しく見られがちなので要注意
まとめ
以上が、職歴・スキル・実績に関する頻出質問と回答事例だ。
ぜひ、あなたの転職面接攻略に有効に役立ててほしい。
ある程度内容が練り終わったら、動画を再生しながらロールプレイしてみるのも有効なので、手軽に再生できるようにブックマークしておくのをおすすめしたい。
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