転職者必見!確定申告が必要かどうか一発でわかる早見表と申告方法

【この時期必見】転職者向け!確定申告が必要/不要のカンタン早見表と申告手順

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転職者必見!確定申告が必要かどうか一発でわかる早見表と申告方法 転職者必見!確定申告が必要かどうか一発でわかる早見表と申告方法

多くの会社勤めの方にとって、「確定申告」という言葉は知っているが、「実際のところ何をどうするのかはよく分からない」というのが正直なところだろう。

簡単に言ってしまえば、1年間のあなたの所得税額を「確定」させ、税務署に「申告」するのが確定申告だ。

そして国内の、ほとんどの会社員の所得税は、その手続きを会社の総務部などで代行している。

給与明細などに記載されている「源泉徴収」と毎年12月に総務に提出している「年末調整」がそれにあたる業務だ。

では、1年の途中で別の会社に転職した場合の所得税は前職と転職先、どちらの会社が年末調整を行ってくれるのか。

自分自身で確定申告をしなければならないのはどのような場合か。

先にケース別に確定申告の有無をお見せしておく。

  • 【ケース①】1月1日時点で現在の職場に勤務したが、1月に前の職場から給料や退職金をもらった場合
    • 確定申告は不要(一部例外あり)
  • 【ケース②】転職時期が確定申告申請時期であり、年末調整を受けられなかった場合
    • 確定申告が必要
  • 【ケース③】前の職場を3月で退職し、求職活動をしていたが年収100万円足らずで12月31日を迎えた場合
    • 確定申告は不要だが、しておいた方が良い
  • 【ケース④】11月に前の職場を退職し、12月から現在の職場で給与を受けた場合
    • 確定申告は不要
  • 【ケース⑤】8月に転職したが12月末になっても前の職場の源泉徴収票を現在の職場に提出していない場合
    • 確定申告が必要

では、確定申告をしなかった場合どうなるのか。

転職した場合の確定申告について、実際に申告が出来るところまで詳しく紹介する。

複雑なイメージのある税金だが、確定申告のポイントは大きく分けて次の3つだ。

  1. 確定申告と年末調整についておおむね理解している
  2. 確定申告をする必要があるケース、必要のないケースが分かる
  3. 確定申告に必要な書類が用意できる、申告書作成ツールが利用できる

この3つを押さえておけばまず問題なく届出まで行えるはずだ。

なお、正確に説明するために税法上の独特な用語がいくつか登場する。

全くの初心者から会社の税務を担当した筆者の経験から、分かりにくい用語は説明を交えながらお伝えしていくので安心して最後まで読んで欲しい。

目次

知っておきたい!「確定申告」と「年末調整」

まずはひとつめのポイント、「確定申告」と「年末調整」について解説する。

冒頭で述べたとおり、どちらも「所得税額を確定させて税務署に申告する」という点では同じである。

また所得税は1月1日から12月31日までの1年間が対象となる。

この期間は所得税の大前提なので必ず覚えておいて欲しい。

よく出る専門用語を押さえておく

よく出る専門用語を押さえておく

まず詳しい説明を始める前に、いくつかの専門用語を見ておこう。

よく出るものだけ押さえておけば理解しやすくなるのでここではあまり深く意味を追わず、イメージしやすい説明にとどめる。

用語 意味
給与 確定申告では給与と賞与などを合せた「給与所得」のこと。いわゆる税込年収額と思ってよい。
ただし、通勤交通費はよほど高額でない限り所得税の対象外(非課税)なので給与に含まれない。
所得 収入-支出=「所得」である。会社員で個人の支出を申告することはまずない。
副業などの収入も所得となる。
所得×税率=所得税額となるため当然ながら所得が大きければ所得税も大きくなる。
控除 もとになる金額から「除く、引く」ということ。
ここでは一定の条件で受けられる、所得税の値引きだと考えると分かりやすいだろう。
所得から控除すべきものがあれば税金の対象となる所得額が少なくなる。これを「所得控除」という。
扶養控除、配偶者控除、保険控除などは年末調整でおなじみだろう。
また、計算した所得税額から直接税金を値引きする場合は「税額控除」という。
代表的な税額控除には住宅ローンに対する「住宅借入金等特別控除」などがある。
納付・納税 税金を支払う(納める)こと。「納付書」は、請求書と同じと考えてよい。
還付 手続きによって払った税金の一部が戻ってくること。還付を受けるには必ず手続きが必要である。
~を超える 「~以上」ではないことに注意。1万円を超える、といえば10,001円以上のこと。

所得税を自分で計算して届け出るのが「確定申告」

確定申告とは、冒頭に述べた通り、自分自身の所得税額を計算、確定させ、自分で税務署に申告することである。

ますは確定申告について詳しく解説していこう。

確定申告が必要な場合

基本的に所得税の対象になる収入があって「源泉徴収」や「年末調整」がされない場合は確定申告の必要がある。

代表的なものを挙げておく。

  • 給与の収入が2,000万円を超える
  • 給与以外の所得が20万円を超える
  • 公的年金が400万円を超えるか、公的年金が400万円以下でそれ以外の収入が20万円を超える
  • 海外の企業から源泉聴取されてない退職金を受けた
  • 株取引やFX、ビットコインなどで利益を出した、不動産収入を得た、など

確定申告の期間と期限

  • 課税期間は1月1日から12月31日までの1年間
  • 申告の時期は2月16日から3月15日までの1か月間(期日が土日と重なった場合は次の月曜まで)
  • 納付期限は3月15日
  • 申告、納付の期限を過ぎると「延滞税」が課せられる

所得税額の計算の流れ

納付する所得税額は以下のように求められる。

税務署で計算してくれるのではなく、自分で申告書に記入し、自分で計算して所得税額を求めなければならない。

基本の流れはしっかりと押さえておこう。

  1. 給与+その他の収入-基礎控除と給与所得控除(一律103万円)-必要経費=所得総額
  2. 所得総額-所得控除=課税所得額(税金の対象となる所得)
  3. 課税所得額×税率=所得税
  4. 所得税-税額控除=納付すべき所得税額(確定)
  5. 源泉徴収額-納付すべき所得税額=プラスになれば「還付」、マイナスであれば不足分を「納付」

基礎控除と給与控除は一律に引かれるので後ほど詳しく説明する。

源泉徴収額は、会社から退職時に受け取る「源泉徴収票」に記載されている。

この場合、源泉徴収額は「すでに納付済みの所得税」と考えてよい。

納め過ぎている分を戻してもらうこと(還付の申告)も、確定申告を行うべき理由のひとつだ。

確定申告の代わりに所得税の申告と納付を行う「年末調整」

「年末調整」は「源泉徴収」とセットで考えると分かりやすい。

源泉徴収とは、その社員の前年度の給与所得から「概算した所得税額」を月々の給与から天引きすることを言う。

概算なので、1年の終わり、「年末」に、実際の給与額で計算し直して過不足を「調整」するのだ。

多くの場合は、源泉徴収で多めに天引きされていて、年末に還付される(戻ってくる)のではないだろうか。

しっかりと内容を把握して、控除すべきものがあれば余すことなく申告したい。

年末調整について次に詳しく説明していく。

扶養控除申告書

まずは見覚えのある申告書から解説していく。

正しくは「給与所得者の扶養控除等の(異動)申告書」という名前で、11月頃に会社の総務などから配布され、翌年分を記入するのが一般的だろう。

分かりやすく言えば「養うべき家族がいる給与所得者(会社員)の所得額から一定額を減らして所得税を軽減する」ためのものだ。

また、家族の中でも特に配偶者に対する扶養控除を「配偶者控除」という。

さらに扶養家族に変更があった場合は年末でなくても記入、提出が必要となる。

  • 家族の給与収入や所得が増え、扶養家族の要件から外れたとき
  • 結婚などで家族が別の世帯(生計)に入った、死亡した、などの理由で扶養から外れたとき
  • 結婚や子の誕生、家族の収入減などで扶養の対象になった家族が増えたとき、など

保険控除申告書と配偶者特別控除

正しくは「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」という様式で、これも年末調整の前に配布されるが、こちらは当年の分を記入する。

まずは保険控除申告について解説していく。

10月~11月頃になると医療保険、生命保険、地震保険など加入している保険会社から「保険料控除証明書」が届く。

この証明書から「控除額」の欄を保険料控除申告書の欄に転記して、所得控除の額を計算する。

「実際に払った保険料」ではなく、その年の12月までに払われるであろう「控除証明額」を転記することに注意して欲しい。

1月1日から12月31日までの所得税を計算する、という原則を押さえておけばこのようなミスもないだろう。

記入し終わったら証明書を添付した申告書を提出する。

続いて、配偶者特別控除について解説する。

前出の「扶養控除」では、所得が38万円以下、または給与所得が103万円以下であれば「配偶者控除」として所得控除が受けられた。

しかしこの金額を超えて所得控除が受けられるのが「配偶者特別控除」だ。

段階的に、配偶者の所得金額が多くなれば控除額は少なくなっていく。

また平成30年分からは改正により、配偶者の給与所得が最大で201万6千円まで控除の対象となった。

いわゆる年収の壁を気にしながら働くようなケースは多少緩和されたといえるだろう。

住宅ローンに対する控除

税額控除の代表的なものとして住宅ローンに対する控除を挙げておく。

正しくは「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申請書」という様式を提出する。

住宅ローンを組んでいると不動産仲介業者や金融機関などから証明書と様式、申告の案内を受けることが出来るだろう。

会社からは配布されないが、記入して他の申告書と一緒に会社に提出する。

分かりやすく言い換えれば「家を建てるのに借入をした場合は所得税を軽減する」という制度なので、必ず申請しておきたい控除の手続きだ。

源泉徴収票

年末調整で過不足の調整が終わると配布されるのが源泉徴収票だ。

給与と所得、所得税など、この一枚を見れば所得税に関する情報がまとめられている。

今まで何気なく眺めて給与明細と一緒に保管していたのならじっくりと意味を確認しながら見返すことをオススメする。

  • 1年間の給与所得の総額
  • 1年間の源泉徴収額
  • 所得控除と税額控除の金額
  • 課税所得額
  • 年末調整した額
  • 確定した所得税額

これまでの解説と照らし合わせてモレがないか、申告し忘れで損していないか、ぜひ確認してみて欲しい。

また、この「源泉徴収票」は会社を退職した際にも発行されることになっている。

退職時の源泉徴収票については転職した時の確定申告や年末調整にも非常に重要なのでケース別の解説の中でも触れる。

まずは源泉徴収票の内容や意味、年末と退職時に発行されるということを押さえておいて欲しい。

市区町村(住民税)への所得申告は不要

会社を通して納付している税金といえば住民税があるが、これは個別に申告する必要はない。

確定申告であっても年末調整であっても税務署から居住地の市区町村に所得情報が回るからだ。

所得によって住民税の金額も異なるが、納付するときには税額が決定しているので参考までに押さえておけばよいだろう。

ちなみに、自分で住民税を納付しなければならないのが「普通徴収」、会社の給与から天引きされるのを「特別徴収」という。

退職のタイミングによっては会社の手続きによって特別徴収がストップし、転職先の手続きが終わるまでの間、自宅に住民税の納付書が届くことがある。

新しい職場で早めの申し出をすれば普通徴収しなくて済むこともあるが、職探しで無職の期間は当然ながら普通徴収となる。

1回の納付額が数万円とまとまった額になることも少なくないので、慌てないように備えておくことが大切だ。

【ケース別】確定申告の必要有無と一発でわかる早見表

ここまで確定申告と年末調整について詳しく解説してきた。

初めは暗号のようにも見えた用語にも慣れ、所得税と確定申告について理解が深まったのではないだろうか。

ここからは転職によって確定申告が必要になるケース、不要のケースを挙げて解説する。

確定申告によって手元に戻ってくる分をそのままにしていたり、後で申告漏れが発覚して延滞税を課せられたりするような事態は何としても避けたいものだ。

ケースから見る、転職で確定申告が必要な場合

まずは転職で考えられる様々なケースを挙げ、確定申告が必要か不要かを示す。

あなたがいずれかには当てはまるように5つのケースを用意したので、ここまでの解説と照らし合わせながら見て欲しい。

  • 【ケース①】1月1日時点で現在の職場に勤務したが、1月に前の職場から給料や退職金をもらった場合
    • 確定申告は不要(一部例外あり)
  • 【ケース②】転職時期が確定申告申請時期であり、年末調整を受けられなかった場合
    • 確定申告が必要
  • 【ケース③】前の職場を3月で退職し、求職活動をしていたが年収100万円足らずで12月31日を迎えた場合
    • 確定申告は不要だが、しておいた方が良い
  • 【ケース④】11月に前の職場を退職し、12月から現在の職場で給与を受けた場合
    • 確定申告は不要
  • 【ケース⑤】8月に転職したが12月末になっても前の職場の源泉徴収票を現在の職場に提出していない場合
    • 確定申告が必要

あえて少々迷うようなケースも挙げてみたがすぐに判断できただろうか。

ケース別にさらに詳しく確認してみる。

【ケース①】1月1日時点で現在の職場に勤務したが、1月に前の職場から給料や退職金をもらった場合

確定申告の必要はない。

まずは1月に前の職場から受け取った給与だが、当然、源泉徴収されているはずだ。

つまり、前の職場からの給与については、いったん所得税の納付が済んでいる、ということだ。

退職時の源泉徴収票も1月に支給した分のみが記載されて発行される。

この源泉徴収票を現在の新しい職場へ提出し、この年の12月に年末調整してもらえば良い。

次に退職金の場合だが、退職金は「分離課税」といって年間の給与などに含めず、源泉徴収で所得税の納付が完結する。

したがってこれも確定申告の必要がない。

補足となるが、退職金を受ける際には「退職所得の受給に関する申告書」を、退職金を支払う前の職場に提出しておくことをオススメする。

勤続年数などによって控除が受けられ、手取り分を増やすことが出来るからだ。

また、確定申告の必要がないというだけで、「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合は確定申告した方が良い。

退職一時金の源泉徴収税率は20.42%と決まった数字で計算されてしまうため、扶養控除や保険控除と併せて申告することで計算し直され、還付が期待できるからだ。

なお、例外として、退職金を海外の企業から受けた場合など、源泉徴収されていないときは確定申告が必要となる。

【ケース②】転職時期が確定申告申請時期であり、年末調整を受けられなかった場合

確定申告が必要である。

年末調整とは、言い換えれば、確定申告の代わりに会社がその事務手続きを行っているもの、というのは前述のとおりだ。

給与所得があって年末調整を受けていないのであれば、確定申告によって所得税額を確定させる必要がある。

正直面倒だと感じるかも知れないが、給与所得者にとっては、控除の申告と言っていい。

給与所得のうち税金の対象にしなくてよい部分を申告し、所得税からは軽減できる部分を申告するためのものだ。

また、納付すべき税金は申告しなくても発生し、そのままにしておけば申告もれとして延滞税などが上乗せされる。

一方で還付については申告しなければ受けることが出来ないのだ。

【ケース③】前の職場を3月で退職し、求職活動をしていたが年収100万円足らずで12月31日を迎えた場合

確定申告の必要はないがしておいた方が良い。

給与所得があり、支給された給与からは源泉徴収されているが年末調整はしていない。

なぜこの状況で確定申告の必要がないかというと、前述の “確定申告の基本的な流れ” で触れた「基礎控除」と「給与控除」の額を下回る所得だからである。

確定申告で税額の計算をするとき、1年間の収入に対して一律38万円を控除する。

これが「基礎控除」だ。

さらに、給与所得に対しては「給与所得控除」が一律65万円で控除される。

合わせて103万円は自動的に控除されるので、100万円足らずの給与所得であれば、所得税額はゼロ、という計算になるのだ。

一方で源泉徴収されているため、確定申告して、払い過ぎた所得税を還付してもらった方が良い。

そのような理由から、必要はないがしておいた方が良いケース、と言えるのだ。

【ケース④】11月に前の職場を退職し、12月から現在の職場で給与を受けた場合

確定申告の必要はない。

転職者のほとんどはこのケースであるはずだ。

この場合、前の職場は給与の支払いと同時に源泉徴収し、退職時に「源泉徴収票」を発行する。

あなたはそれを新しい職場に提出する。

すると新しい職場では、前職の給与所得と源泉徴収を、現在の給与所得と源泉徴収に加算して、通算1年分を年末調整してくれる。

念のためチェックしておいた方が良い点は2つだ。

  • 前の職場から退職から1か月以内に「源泉徴収票」が発行されているか
  • 新しい職場で入社時に「給与所得者の扶養控除等の(異動)申告書」を記入し、提出しているか

特に源泉徴収票は必ず必要になるので、退職したら速やかに発行してもらおう。

【ケース⑤】8月に転職したが12月末になっても前の職場の源泉徴収票を現在の職場に提出していない場合

確定申告の必要がある。

退職時の源泉徴収票がない、という状況そのものがあってはならないのだが、まれにこういったケースは起こる。

こうした場合は新しい職場ではなく、まずは前の職場かもしくは税務署に相談することになる。

例えば次のような場合だ。

  • 紛失してしまった
  • いつまで待っても退職時の源泉徴収票がもらえない
  • 前の職場が倒産してしまっている、など

まず、紛失してしまった場合は前の職場にお願いして源泉徴収票を再発行してもらう。

退職の状況によっては言いにくいこともあるかもしれないが、年末調整に間に合うように用意出来れば年末調整で済む。

源泉徴収票を発行してもらえない、という場合はもちろん催促してよい。

所得税法に定められており、会社は退職日から1か月以内に源泉徴収票を発行しなければならないのだ。

また、催促に応じてくれない場合は「源泉徴収票の不交付の届出書」を税務署に提出して、税務署から催促してもらう方法もある。

さらに前の職場が倒産してしまっている場合などは源泉徴収票の発行が困難だろう。

このような場合もまずは税務署に相談してみることをオススメする。

過去に給与明細で認められたケースもあるため、普段から給与明細はきちんと取っておくようにして欲しい。

いずれにせよ、前職の源泉徴収票が用意できないと会社の総務では年末調整が出来ない。

また、当然ながら確定申告にも退職時の源泉徴収票は必要なのだ。

退職したときには必ず源泉徴収票を受け取り、新しい職場に提出する、ということを覚えておいて欲しい。

確定申告の必要有無が分かる早見表

ここまでケース別の解説で、転職における確定申告の必要の有無と、さらには不要だが確定申告をした方が良い場合もあるということが理解できたと思う。

代表的な確定申告の必要有無を一覧表にまとめるので、これまでのおさらいを兼ねてチェックしてみて欲しい。

◎は原則として必ずする、というケースだ。

転職の場合 確定申告 年末調整
年の途中で転職し、前職の源泉徴収票を、新しい会社に提出している
年の途中で転職し、前職の源泉徴収票を、新しい会社に提出できていない
年の途中で退職し、年末の時点で無職の状態だった
年の途中で退職したまま年末を迎え、その年の給与所得が103万円以下 した方が良い
1月から新しい職場で働き、1月に前の職場から給与が支給された
退職金が支給されたが「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない した方が良い
<その他の場合>
給与所得が2,000万円を超える
給与所得以外(副業など)の収入が20万円を超える 給与分のみ
医療費控除が受けられる場合(支払った額-保険料が10万円を超える場合) した方が良い
年末調整で保険控除を記入し忘れてしまった した方が良い
株式、FX、仮想通貨などで利益を出している 給与分のみ

ここではおさらいとして今まで登場したものを表にまとめたが、付け加えたのは「医療費控除」だ。

(支払った医療費-受け取った保険金)-10万円で、上限200万円まで所得から控除される。

治療や入院などで医療費が多くなった年には、確定申告をして医療費控除の申請をし、還付を受けた方がいいだろう。

会社で年末調整を終え、源泉徴収票を受け取ってからでも、その源泉徴収票と必要書類を持って確定申告は出来る。

保険控除などを記入し忘れた場合なども同様だ。

「した方が良い」という場合は還付が期待できるケースだ。

繰り返しになるが、還付を受けるためには申告が必須だということを改めてお伝えしておく。

確定申告に必要な書類と手順まとめ

確定申告のポイント3つのうち、

  • 確定申告と年末調整についておおむね理解している
  • 確定申告をする必要があるケース、必要のないケースが分かる

この2つについてはかなり理解が進んだのではないだろうか。

転職時期の都合などで確定申告することになるとしてもここまでを理解していれば慌てることはないだろう。

最後にポイントの3つめである「確定申告に必要な書類が用意でき、申告書作成ツールが利用できる」に触れる。

実際の確定申告が出来る段階に入っていく。

「確定申告書等作成コーナー」を使わない手はない

確定申告を経験者はもちろん、初めてであればなおさら、「確定申告書等作成コーナー」を利用することを強くオススメする。

申告書というと、会計ソフトなどを導入しなければならないように感じられるかもしれないが、それは会社や個人事業主など取りまとめるべき収支が多い場合だ。

その点「確定申告書等作成コーナー」は、比較的簡易な税務申告をするために、国税庁が提供している無料サービスなので、必要なポイントを押さえ、無駄がない。

以下に使い方を簡単に説明する。

提出するまでは何度失敗しても問題ないので、とにかく一度操作してみることをオススメする。

  1. トップページから「申告書・決算書・収支内訳書等 作成開始」をクリック
  2. 今回だけ確定申告、といった場合には「書面提出」をクリック
  3. 確認事項、規約をチェックし、「作成する申告書等の選択」へ。「所得税コーナー」へ進む
  4. 「入力方法選択」では次の2つのどちらかを選ぶ
    1. 申告する年の収入が、給与(月給+賞与)のみ→「給与・年金専用」(確定申告書A)
    2. 給与以外に退職金、副業収入や資産運用の利益などがある→「全ての所得対応」(確定申告書B)
  5. 以降は設問に従って必要事項を入力し「納付する金額」が出てくるまで進める
  6. 「作成した申告書の表示・確認」をクリックすれば、申告書が作成されている

これだけの手順だ。

ちなみに、「e-Tax」による申告はICカードリーダライタなどの機器の準備を含め事前の準備が必要なので、毎年税務の申告をするのでなければ「書面提出」で充分だろう。

準備書類と提出書類

その年の給与所得と源泉徴収が記載された「給与所得の源泉徴収票」は必ず用意が必要だ。

また、普段は年末調整で会社に提出している「保険料控除証明書」などは準備書類として手元に用意して、その金額を申告書に記入することになる。

記入し終わった準備書類は台紙に貼って提出する。

簡単に表にまとめるので確認してみて欲しい。

項目 添付書類 添付または提示
申告書 確定申告書
(確定申告書A・・・給与、賞与のみの場合)
(確定申告書B・・・退職金、副業の収入がある場合)
提出用と控用の2部作成
添付書類用の台紙を用意する
退職金 確定申告書(第三表・分離用)

「所得金額」のうち「退職」欄に金額を記入

給与
退職金
給与所得の源泉徴収票(原本)
退職所得の源泉徴収票(原本)
※「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していない場合
台紙に貼って申告書と一緒に提出
社会保険料控除
生命保険料控除
地震保険料控除
医療費控除
保険会社などから自宅に郵送される控除証明書
医療費の領収書
台紙に貼って申告書と一緒に提出
または提出の際に提示する
住宅ローン控除 (特定増改築等)住宅借入金等特別控除申請書 申告書と一緒に提出
本人確認書類 A:マイナンバーカードの写し
B:マイナンバー通知カードの写しまたはマイナンバー記載の住民票
+運転免許証、パスポートなどの身元証明書の写しの2点
台紙に貼って申告書と一緒に提出

必要な申告書や台紙は国税庁のホームページからダウンロードできる。

もちろん「確定申告書作成コーナー」を利用した場合はそのまま印刷したものを使って構わない。

郵送する場合の準備

提出する先は、自身の居住地を管轄する税務署となる。

窓口に持ち込む場合は前述した必要書類の一式を持参すればよい。

郵送の場合は次の注意を守って送付すれば間違いないだろう。

  • 簡易書留郵便で送付する(マイナンバーを含む書類のため)
  • 封筒には送り主(自分)の住所、氏名を記載する
  • 封筒に82円切手を貼り、自宅住所を記入して同封する(返信用)

こうしておけば税務署で「収受印」(受付印)が押された控用が返送されてくるのだ。

返信用封筒への切手の貼り忘れなどにも充分注意して欲しい。

当然ながら期限である3月15日直前は税務署の窓口が非常に混雑する。

郵送であっても3月15日に間違いなく到着するように、また書きもれや間違いがあった場合には再提出の必要もあるため、期限に余裕を持って提出したい。

まとめ

確定申告と年末調整とは何か、という説明から、確定申告書の提出までお伝えしてきた。

源泉徴収票をきちんと転職先の新しい職場に提出し、1年の途中で転職しても年末調整のリレーが上手くいけばそれに越したことはない。

かけなくてもよい手間はかけない方がいいのだ。

しかし図らずして確定申告をすることになったとしても、その機会を「年末調整より納税額をスリムにできるチャンスかも」と前向きにとらえてやり切った方が満足感は段違いではないだろうか。

最後に重要なポイントを振り返ってまとめたい。

確定申告をする上で押さえておきたいポイントは大きく分けて次の3つ。

  1. 確定申告と年末調整についておおむね理解している
  2. 確定申告をする必要があるケース、必要のないケースが分かる
  3. 確定申告に必要な書類が用意できる、申告書作成ツールが利用できる

確定申告は「1年間の所得から所得税額を確定させ、税務署に申告する」もので、年末調整はそれを会社が代行して行っているものだということをお伝えした。

確定申告の対象期間と申告期限

確定申告の対象期間と申告期間については次の通りだ。

  • 課税期間は1月1日から12月31日までの1年間
  • 申告の時期は2月16日から3月15日までの1か月間(期日が土日と重なった場合は次の月曜まで)
  • 納付期限は3月15日
  • 申告、納付の期限を過ぎると「延滞税」が課せられる

 所得税額を計算する基本の流れ

所得税額を計算する基本の流れを押さえておけば申告書の作成がよりスムーズになる。

  1. 給与+その他の収入-基礎控除と給与所得控除(一律103万円)-必要経費=所得総額
  2. 所得総額-所得控除=課税所得額(税金の対象となる所得)
  3. 課税所得額×税率=所得税
  4. 所得税-税額控除=納付すべき所得税額(確定)
  5. 源泉徴収額-納付すべき所得税額=プラスになれば「還付」、マイナスであれば不足分を「納付」

特に給与所得者にとって確定申告とは、収入と所得税からいくら控除するのかを申告していると言ってよい。

控除できるものには、

  • 扶養控除
  • 保険料控除
  • 配偶者特別控除
  • 住宅ローン控除

などがある。

年末調整できない場合は確定申告の必要あり

給与所得者が転職などによって確定申告をする場合は年末調整を受けられない場合と言っていい。

  • 給与以外の所得がある
  • 年末時点で会社に就業していない
  • 前の職場の源泉徴収票を新しい職場にリレーできていない

これらの場合には自分自身で確定申告をする必要がある。

また、確定申告しておいた方が良いケースには、

  • 「退職所得の受給に関する申告書」を提出せず受け取った退職金がある
  • 1年間に保険料以上に多額の医療費を支払っている
  • 年収が103万円を下回る

などがある。

これらは確定申告によって還付が期待できるため、面倒でも確定申告することをオススメする。

国税庁ホームページから「確定申告等作成コーナー」を使って申告書を簡単に作成する

国税庁が公開している「確定申告等作成コーナー」を使えば申告書の知識がなくても作成可能だ。

  • 準備書類は「保険料控除証明書」など、いつもの年末調整で添付する書類とほぼ同じ
  • マイナンバーと身元確認書類の写しが必要
  • 税務署の窓口でも郵送でも提出可能
  • 郵送の際には控用返送用の返信用封筒を同封する
  • 期限には余裕を持って提出する

税金の事務は独特の用語があり入りにくい印象が強い。

しかし何の金額を申告すれば良いのかポイントを押さえてしまえば、特に給与所得者の確定申告は決して高いハードルではない。

確定申告の手間は確かにわずらわしいが、この機会に所得税に対して正しく理解することでより賢い納税者になることが出来るはずだ。

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Career Rules編集部

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