転職前でも有給休暇は消化できる!確実に休むための3つの注意点を解説

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転職前の有給休暇といえば「なかなか消化することができないのでは?」と考える人が多いだろう。

しかし、有給休暇は大切な労働者の権利だ。たとえ転職前としても消化したいのが本音ではないだろうか。

  • 転職前に残っている有給休暇は、まとめて消化できるのだろうか
  • 転職前の有給休暇消化が認められないときは、どうすればいい?
  • 転職前に有給休暇をとることで、何か不利益になることはあるの?

上記のような考えが頭をよぎっているのに、転職前の有給休暇ができていない人が多いのも事実だ。

そこで転職前の有給休暇について筆者が伝えたいのは、

  • 転職前に残っている有給休暇は、まとめて消化できる
  • 転職前の有給休暇を消化するには、3つの注意点をおさえておけば良い
  • 転職前の有給休暇消化が認められないときは、相応の対処方法がある

ということだ。

転職前に残っている有給休暇はまとめて消化できる

会社を転職するときに気になるのが、存在している有給休暇のことである人は多いだろう。

結論からいうと、転職前には、残された有給休暇をまとめて消化してから転職することが出来る。

転職時に残っている有給休暇はすべて消化可能しよう

転職する前に残されていた有給休暇をまとめて利用することは可能である。

辞めることが確定しているのに有給休暇をとるなんて気まずいと思っている人もいるかもしれない。

しかし有給休暇は労働者のためにある貴重な権利だ。心配する必要はない。

転職前の有給休暇消化2つのパターン

転職前に有給休暇をまとめて利用する場合、最終出社日する直前に有給休暇消化する手段がある。

または後にして有給休暇消化したのちに最終出社日となるかの2つのパターンから選ぶことになるだろう。

最後の出社日より先に有給休暇を使う場合は、引き継ぎを終了させた後に有給休暇消化をする。

荷物整理や挨拶のために転職前に2・3日間出社する場合、「最終出社日=転職日」となるだろう。

一方、最終出社日の次の日から有給休暇消化期間に入るケースでは、「有給休暇の最終日=転職日」となる。


ここまでは、「転職前に残っている有給休暇はまとめて消化できる」をお伝えしてきた。

転職前であっても有給休暇は消化できることを、理解していただけたことだろう。

ただし転職前に有給休暇を消化できると知ったところで、具体的にどう動けばいいかわからないのではないだろうか。

そこで次の章では「転職前の有給休暇消化をスムーズに行うための3つの注意点」についてご紹介しよう。

転職前の有給休暇消化をスムーズに行うための3つの注意点

転職前に無事に有給休暇を手にするにあたっては、職場に厄介をかけないことが第一である。

有給休暇日数の確認や引き渡し期間を考慮した転職日のセッティングなど、事前準備が肝心だ。

それを踏まえたうえで、今回ピックアップする転職前の有給休暇消化をスムーズに行うための注意点は以下の通り。

  1. 転職前に有給休暇消化するなら有給休暇日数は要チェック
  2. 転職日は有給休暇消化と引継ぎ日数を考慮して決定する
  3. 理由は「転職時の有給休暇消化」と正直に申請する

それぞれ説明してこう。

転職前に有給休暇消化するなら有給休暇日数は要チェック

まずは、自分が入手できる有給休暇日数があと何日あるのかを認識する。

有給休暇の残り日数は、原則的に給与明細に書かれている。

記載がなければ担当部署に訊ねる、あるいは就業規定をチェックして調べるのも良い。

転職日は有給休暇消化と引継ぎ日数を考慮して決定する

転職日は、有給休暇消化と委任作業の期間を十分に勘定に入れた上で会社と相談する。

通常の有給休暇取得に於いては、有給休暇申請をしたタイミングが決算期などの繁忙期になるかどうか注意が必要だ。

会社側には有給休暇取得のタイミングを替えることができる権利を持っている。

しかし、転職前の有給休暇消化のケースでは、転職日をオーバーして休暇日を変えることはできない。

無理に有給休暇を利用しようとして会社の業務に悪影響を与えることのないようにしたい。

そのためには転職日はキッチリと上司と相談して決定するべきだ。

相談の際は有給休暇期間や委任作業の期間、転職先が確約されている場合は入社日とのバランスも含めて考えよう。

理由は「転職時の有給休暇消化」と正直に申請する

有給休暇取得に申請書の提出が求められる場合、理由欄には「転職のため」と記入して問題ないが、一般的には「一身上の都合」と記載するのが常識だ。

ちなみに本来は、有給休暇取得のために理由は求めてはいけないことになっている。

ただし、突然有給休暇の申請書を差し出すのだけは、さすがNGだ。

もしかすると、転職先でも今の会社と将来ビジネスパートナーになる可能性だってありうる。

しっかりと円満退社するためにも、常識の範囲内で有給を取得しよう。

事前に上司と相談したスケジュールについて、形式として文章を提出するのだと考えよう。


ここまでは、「転職前の有給休暇消化をスムーズに行うための3つの注意点」をお伝えしてきた。

転職前の有給休暇を確実に消化するにはどんなことに注意すべきか、理解していただけたことだろう。

ただし有給休暇消化の注意点を知ったところで、実際に認められない時はどうすればいいかわからないのではないだろうか。

そこで次の章では「転職前の有給休暇消化が認められないときの3つの対処方法」についてご紹介しよう。

転職前の有給休暇消化が認められないときの3つの対処方法

手順を踏んで有給休暇取得のオファーを出しても、会社が抗って許可されないケースもあるのが実情だ。

有給休暇の買取りを提案されるケースもあるが、そういった選択肢案もない時は工夫することが求められる。

どうしても有給休暇を利用したいときは、以下のような対処法にトライしてみよう。

  1. 転職前に有給休暇消化するだけの引継ぎ期間があるか確認して申請
  2. さらに上の上司や総務部に転職前の有給休暇消化を申請する
  3. どうしても転職前に有給休暇消化できないなら労働基準監督署に相談する

それぞれ見ていこう。

転職前に有給休暇消化するだけの引継ぎ期間があるか確認して申請

転職日は、引き継ぎの期間がしっかりと設けられた無理のないセッティングになっているかをチェックしよう。

つまりは会社の承諾がもらえる申請になっているかどうか、再度チェックしてみるのだ。

転職時期をなるべくピーク時期とずらすなど気にかけることで、有給休暇も取りやすくなることがある。

さらに上の上司や総務部に転職前の有給休暇消化を申請する

直属の上司に承認してもらえない場合、さらに上のリーダーや総務部に相談してみよう。

独自の権限で補充人員の用意を急いでくれたりするので、有給休暇消化が出来る可能性が一気に高まることだろう。

しかし完全に消化しきるのは、無理があるかもしれない。

せめて半分は消化できるように制御するなどの妥協案を提出してみよう。

どうしても転職前に有給休暇消化できないなら労働基準監督署に相談する

社内に直属の上司以外に話をする人がいない場合は「労働基準監督署」に理解を求めるという方法もある。

労働基準監督署は、Googleで「労働基準監督署 地域(例:労働基準監督署 東京)」と調べれば一発で出てくる。

まずは、労働基準監督署に足を運んで、会社側の法律に反している点などを教えてもらう。

実際に労働基準監督署が、勤め先と交渉してくれる場合は少ない。

しかし再度勤務先と交渉する際に、「労働基準監督署ではこうと言っていました」と交渉の材料にすることはできる。

このように段階を踏んで対話を進めることで、会社側の方針にも変化が出るかもしれない。

本当に有給休暇が欲しいのであれば、くれぐれも、カンタンに諦めることのないようにしよう。

ここまでは、「転職前の有給休暇消化が認められないときの3つの対処方法」をお伝えしてきた。

万が一、転職前の有給休暇消化が許可されなかった時の対策について、理解していただけたことだろう。

ただ、ここまで転職前の有給休暇について色々解説してきたが、まだ疑問が晴れていない人もいるのではないだろうか。

そこで次の章では、転職前の有給休暇消化におけるよくある疑問に回答していこう。

転職前の有給休暇消化におけるよくある疑問に回答

ここまで紹介してきた知識の他にも転職前の有給休暇消化については、多くの疑問があるだろう。

そこでこの章ではここまで解説しきれなかった、転職と有給休暇消化に関する疑問に回答していく。

今回ピックアップする転職と有給休暇消化に関するよくある疑問は、以下の通りだ。

  • 転職前に消化できない有給休暇は買い取りされるのか
  • リストラで転職となった場合は有給休暇消化できるのか
  • 派遣社員でも転職時に有給休暇消化できるのか
  • 転職前の有給休暇消化中に副業をしてもいいのか
  • 転職前の有給休暇消化中でもボーナスの対象なのか
  • 転職前の有給休暇消化中に転職先で働いてもいいのか

転職前に消化できない有給休暇は買い取りされるのか

通常の有給休暇の買いうけは、労働基準法で原則的に禁じられている。

しかし転職時に消化出来ない有給休暇の買い取りに対しては例外として認められているのだ。

ただ、買い取りは責務ではないことから、実施するかどうかは企業の就業規則によって異なるので注意したい。

ちなみに買い取り金額は、会社組織側が独自に決定することが出来る。

例えば月給を1ヶ月の一般的な労働日数で割った額面にするなどの方法を提示してくるだろう。

どうしても転職前に有給休暇を消化できない場合は、買取を望んで話し合うのもひとつの選択肢である。

リストラで転職となった場合は有給休暇消化できるのか

会社都合によるリストラの場合でも、有給休暇消化は言うまでもなく可能だ。

解雇通知は30日前に実施したらよいと規定されている。

そのため40日間の有給休暇が残存していたら、告知の次の日から有給休暇になっても30日しか消化できない。

つまり残りの10日間は使われないまま消え去ってしまうことになる。

この場合は、有給休暇の日数分を、リストラまでの期間を順延してもらえないか相談してみるほかない。

期間延長が無理な場合は、有給休暇を売却できないか持ち掛けるという方法もある。

派遣社員でも転職時に有給休暇消化できるのか

派遣社員は、派遣元と労働契約を交わしているため、派遣先会社ではなく派遣元から有給休暇を手にすることになる。

ちなみに有給休暇日数は雇用形態とは無関係に週何日働いたかによって付与される。

そのため派遣社員であるとしても、有給休暇の権利はあるのだ。

派遣社員が転職時の有給休暇を利用する際に意識しておきたいのが、「派遣契約期間外では有給休暇は利用不可」ということである。

例えば、有給休暇が10日残存しているが、業務が手一杯で契約満了日までに全うできない場合がある。

この場合、契約期間外では有給休暇を使えないため、有給休暇消化の日数分、契約スパンを延ばせないかお願いしてみよう。

ちなみに多くの派遣会社では、次に派遣先会社で残存する有給休暇を取得できるというルールを導入しているのを忘れてはならない。

転職前の有給休暇消化中に副業をしてもいいのか

有給休暇消化中は企業で働いていることになるので、就業規則を遵守するべき期間である。

今、籍を置いている会社が副業禁止と考えている場合、有給休暇消化期間中に副業をすれば違反となり、リストラされることもある。

急にリストラされると転職先への悪影響なども出てくるので、副業をするなら必ず就業規則を確認しておこう。

転職前の有給休暇消化中でもボーナスの対象なのか

転職前の有給休暇消化中でもボーナスの対象なのかは、各会社の就業規則によって変わってくる。

ボーナスの支払いについて「支払日に在職中の者すべて対象」と取り上げられているかチェックしてみよう。

もし前述のように規定されていたら、有給休暇消化中であろうとも「在籍扱い」なので、ボーナスの対象だ。

ただし、有給休暇消化中は本当に仕事しているわけではないので、減少されるケースもあるので注意してほしい。

転職前の有給休暇消化中に転職先で働いてもいいのか

多くの企業では、二重就労を制限しているが、在籍中の会社と新しい就職先の了承があれば別に働いても問題はない。

しかし大抵の企業では禁止されているのが実情なので、許可が出ることはないだろう。

許可が出たとしても、転職先企業側だけの可能性が高い。そのため下手な期待はしないことをオススメする。

最後に押さえておきたい重要ポイントまとめ

転職前に残っている有給休暇はまとめて消化できる

  • 転職時に残っている有給休暇は、消化する権利がある。
  • 転職前の有給休暇には引き継ぎのタイミングによって、2つのパターンが存在する。

転職前の有給休暇消化をスムーズに行うための3つの注意点

  • 転職前に有給休暇消化するなら、有給休暇日数は要チェックすべし。
  • 転職日は有給休暇消化と引継ぎ日数を考慮して決定する。
  • 理由は「転職時の有給休暇消化」と正直に申請する。

転職前の有給休暇消化が認められないときの3つの対処方法

  • 転職前に有給休暇消化するだけの引継ぎ期間があるか確認して申請する。
  • さらに上の上司や、総務部に転職前の有給休暇消化を申請する。
  • どうしても転職前に有給休暇消化できないなら、労働基準監督署に相談する。

転職前の有給休暇消化におけるよくある疑問に回答

  • 転職前に消化できない有給休暇は、買い取りできる。
  • リストラで転職となった場合でも、有給休暇は消化できる。
  • 派遣社員でも転職時に有給休暇をとれるかは、所属している派遣会社次第。
  • 転職前の有給休暇消化中に副業をしてはいけない。
  • 転職前の有給休暇消化中でも、ボーナスの対象になるかは会社次第。
  • 転職前の有給休暇消化中に転職先で働いてはいけない。

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Career Rules編集部

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