面接は誰しもが難しいと感じ、できるだけ好印象を与えたいと思うものだ。
そんな多くの人の不安を解消するべく、今回は面接時のマナーについて徹底解説する。
必ず押さえておくべきマナーから、余裕があれば押さえておきたいマナーまで詳しくお伝えしよう。
多くの人が迷う入室時のマナーや、自己紹介のマナーなど、迷ったら確認しにきてほしい記事になっている。
これから面接を控えている人や、転職活動中の人は必見だ。
ちなみにマナーの概要については下記動画を見れば大筋はつかめる。
必ず押さえておくべき面接マナー
それでは、まずは必ず押さえておくべき面接のマナーについて解説しよう。
先に箇条書きしておくと、以下のポイントに気をつけてほしい。
必ず押さえておくべき面接マナー5つ
- 遅刻は絶対にしない
- 2種類ある入室の流れを覚えておく
- 自己紹介は長々と話さない
- 面接時は姿勢を伸ばす
- 面接終了後には一礼する
それぞれを詳しく解説していく。
面接マナー1.遅刻は絶対にしない
絶対にしてはいけないと言っても、なかなか実践するのが難しいのが「遅刻は絶対にしない」ということ。
筆者自身、何度も遅刻してくる応募者を見てきたが、第一印象として良くはないとお伝えしておく。
遅刻をしないというのは、社会人としての最低限のマナーである。
電車の遅延なども考えた上で、出発時間を決めるべきなのだ。
遅延証明書を握り締めながら「電車が遅延していたので!」と駆け込んでくる人を見ると、「学生気分が抜けないのかな?」と感じてしまう。
万が一、遅延に巻き込まれても間に合うよう、少し早めに現地に到着しているのが好ましい。
ただし、早く面接会場に行くのはマナー違反。
後述するが、企業は業務をおこないながら採用をしている。
時間より早く来られても、迷惑なだけなのだ。
早く着いても時間を潰せるところを見つけておくといいだろう。

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面接マナー2. 2種類ある入室の流れを覚えておく
入室時のマナーに関しては、不安に感じる人も多いのではないだろうか。
入室方法には2パターンある。
面接官が中で待っているパターンと、後から来るパターンだ。
実際にどちらのパターンでも焦らないよう、あらかじめ想定しておこう。
ここでは、2つのパターンそれぞれのマナーを解説していく。
面接官が中で待っているパターン
まずは、面接官が中で待っているパターンをお伝えしよう。
簡単に説明すると、以下のような流れで入室をおこなう。
入室の流れ1.面接官が中で待っている場合
- (1)ノックし、返答があったら「失礼します」と言って入る
- (2)入室したら出入口に近い椅子の横に立ち、カバンは足元へ置く
- (3)面接官の方を向いて挨拶し、お辞儀する
- (4)「どうぞ」と言われたら「失礼します」と言い座る
入室する際はドアをノックし、「どうぞ」と言われたら「失礼します」と言って入るのが一般的。
ノックと同時に「失礼します」と声をかける人がいるが、このタイミングは間違い。
中から返答があってから「失礼します」と言いながら入室する。
面接会場にドアがない場合や、開いている場合にはノックは不要。
「失礼します」と言いながら、一歩会場へ入る。
入室後は静かにドアを閉め、出入口に近い下座の椅子の横に立つ。
あらかじめ席が指定されている場合には、その椅子の横に立とう。
かばんは足元、または荷物を置くために椅子等が用意されているときは、そこに静かに置く。
「早く置かないと」という思いから荷物を汚く置く人がいるが、避けた方がいい。
あまりにも時間がかかるのは問題だが、そうでなければ雑に置く方が印象が悪い。
できるだけきれいに、素早く荷物を置こう。
荷物を置き終えたら、面接官の方を向いて「本日はよろしくお願いいたします」とあいさつし、お辞儀する。
高校生の場合には「〇〇高校から来ました、△△です。よろしくお願いいたします」と学校名も告げる。
大学生の場合には「〇〇大学〇〇学部4年の△△です。よろしくお願いいたします」と、学校名と学部名も伝えるのが一般的だ。
「どうぞ」や「おかけください」と言われたら、「失礼します」と言いながら椅子に座る。
面接官が後から入ってくるパターン
次に、面接官が後から入ってくるパターンをお伝えしよう。
入室の流れ2.面接官が後から入ってくる場合
- (1)無人の会場に案内されたら、「失礼します」と言って入る
- (2)案内者から声をかけられている間は話を聞く
- (3)案内者が退室したら、荷物を置き、椅子に座る
- (4)面接官が入室したら立ち上がり、到着を待つ
- (5)面接官が席についたら挨拶し、お辞儀する
- (6)「どうぞ」と言われたら「失礼します」と言い座る
まず、面接官が後から入ってくる場合、先に案内役の社員から部屋へ通される。
無人の部屋ではあるが、入る時に「失礼します」の声かけをしよう。
部屋に入ると、案内者から面接までの流れなどを説明されるだろう。
その間は荷物を片付けたりせず、案内者の方を向いて話を聞こう。
案内者は面接官ではないが、案内時の様子を面接官に伝える可能性もある。
くれぐれも失礼のないようにしておきたい。
案内役の社員が退室したら、荷物を足元、または荷物用の椅子等に置き、椅子に座って待つ。
誰もいないからといって、室内を歩き回ったり、スマホをいじったりするのはNGだ。
面接官が入ってきたら、席を立ち、面接官が入ってくるのを待とう。
面接官が席に着いたら「本日はよろしくお願いいたします」と挨拶し、お辞儀する。
挨拶の仕方は、面接官が中で待っているパターンと同様だ。
「どうぞ」と声をかけられたら、「失礼します」と言いながら席に着く。
面接官によっては、先に座るように促してくる人もいる。
転職者を席に着かせてから、面接官が座ることもあるのだ。
このような場合には、(5)と(6)を反対にして対応すればいい。
「失礼します」と言って着席し、面接官が席に着いたら自身の挨拶をする。
人によって変わる入室のパターンだが、大きく分けて2つあると知っていれば怖くないだろう。
面接マナー3.自己紹介は長々と話さない
面接冒頭で「自己紹介をお願いします」や「軽く自己紹介を」などと言われることもある。
その時に長々と話すのは避けた方がいいだろう。
あらかじめ自己紹介を考えておき、スマートに話すことがポイントだ。
「◯分で」と指定されることもあるので、一般的な1分、3分、5分の3パターンで用意しておくと慌てずに済む。
自己紹介に盛り込む内容としては、
自己紹介に盛り込む内容
- 自身の名前
- 学生であれば出身校(大学生なら学部も)
- 「よろしくお願いいたします」の言葉
- どうして応募したのか
- 仕事に対する意気込み
- これからやりたいこと
などを、自己紹介に使う時間に合わせて入れていこう。
高校生や大学生であれば、自己紹介に関するマニュアルの配布もあるかもしれない。
そのマニュアルを参考に、自分ならではの自己紹介を考えてみてほしい。
緊張して、考えてきたことが飛んでしまったという場合には、最低限の自己紹介だけでも可。
学生であれば、「〇〇学校から来ました、△△です。今日はお時間をいただき、ありがとうございます。よろしくお願いいたします」というシンプルなものでも問題ない。
思い出そうと必死になるあまり、冗長で言いたいことが伝わらない自己紹介をするのなら、シンプルな挨拶で乗り切った方が好印象だ。
転職回数が多い人の転職の場合、採用担当者も理由が気になる。
転職回数が多い場合のアピール方法
- どうして転職回数が多いのか
- どのようなことを経験してきたのか
など、転職回数は多くても、きちんと仕事に対する熱意はあるということをアピールしよう。

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面接マナー4.面接時は姿勢を伸ばす
面接の時間が進むにつれて、だんだん猫背になる人が多い。
面接時には姿勢を伸ばすことを意識しよう。
猫背は、やる気がなく暗い印象になる。
また不健康そうに見えることもあるので、常に姿勢を伸ばすことを意識する。
背筋を伸ばし続けるコツは、背もたれに寄りかからないことだ。
面接時は、背もたれに寄りかからないのが当たり前だが、猫背になると無意識に寄りかかってしまうもの。
背中に背もたれが当たったら、猫背になっている証拠なので、すぐに姿勢を直そう。
面接マナー5.面接終了後には一礼する
つい忘れてしまいがちなのが、面接終了後の挨拶。
面接が終わったからといって、すぐに退出するのはマナー違反だ。
まずは椅子の横に立ち、「本日はありがとうございました」と言って一礼する。
1人で退室する際には、ドアの前で振り返って一礼し、静かにドアを閉めること。
もしエレベーターまで見送られる場合には、エレベーターに乗ったら「ありがとうございました」と挨拶し、扉が閉まるまで頭を下げておきましょう。
また、エレベーターの閉まるボタンを押すことを忘れずに。
筆者も以前、お互いに頭を下げたまま、しばらくドアが閉まらず微妙な空気が流れたことがある。
このことが採用の可否につながるわけではないが、気まずくならないためにも閉めるボタンを押してから頭を下げよう。
さらに押さえておくと良い面接マナー
前章では、必ず押さえておくべき面接マナーをお伝えした。
すべて完璧にできている自信のある人は、少ないのではないだろうか。
必須マナーを押さえた上で、余裕があれば次に紹介するポイントも意識してみるといい。
ここでは面接前、面接中、面接後の3つに分けてお伝えする。
【面接前に注意する3つのマナー】
- マナー1.早く着きすぎないように調整する
- マナー2.受付の人にも笑顔で対応する
- マナー3.他の転職者と大きな声で雑談しない
【面接時に気をつける5つの注意点】
- 注意点1.声が小さい
- 注意点2.においが強い
- 注意点3.清潔感がない
- 注意点4.言葉遣いが雑
- 注意点5.一方的に話し続ける
【面接後に注意すること】
- できるだけまっすぐ帰る
面接前に注意する3つのマナー
まずは、面接前に注意する3つのマナーについて解説しよう。
面接前に注意する3つのマナー
- マナー1.早く着きすぎないように調整する
- マナー2.受付の人にも笑顔で対応する
- マナー3.他の転職者と大きな声で雑談しない
どれも忘れがちなので、この記事を読んでいる皆さんにはぜひ覚えておいてほしい。
マナー1.早く着きすぎないように調整する
面接前に注意してほしい1つ目のマナーは、早く着きすぎないことだ。
記事の冒頭で、遅刻はマナー違反だとお伝えした。
「だったら早く着けば好印象なのでしょう」と言わんばかりに、約束時間の10分以上前に会場に到着する人がいる。
こちらも大きなマナー違反なので、絶対にやめてほしい。
企業は日常業務をおこないながら、採用活動もおこなっている。
分刻みのスケジュールをこなす社員もいるなかで、約束の時間を守るのは必須なのだ。
会場設営などの時間や、面接者の応募書類に目を通す時間など、あらかじめ決めていることが多い。
企業によっては面接開始の5分前まで、同じ会場で会議等がおこなわれていることもある。
早く着きすぎるのは迷惑をかける可能性が高いので、早くても5分前に着くように調整するのがいいだろう。

何分前に着くのが常識?転職面接に勝つための10分前行動
採用面接は大きく分けて2つの面から採用、不採用を判断する重要な選考のプロセスだ。 そしてその判断基準のひとつが「スキルや経験」、もうひとつが「人柄や印象」と...
マナー2.受付の人にも笑顔で対応する
採用面接では、面接官だけが採用の可否を決めるわけではない。
もし面接で好印象でも、受付に立っていた人が「すごく対応が悪かった」と伝えたら採用にならない可能性もある。
特に気をつけておきたいのが、
面接官以外にも対応には気をつける
- 受付の社員
- 面接会場までの案内役の社員
- 廊下ですれ違った社員
どれも面接官と同じと思った方がいい。
筆者の経験では、通りすがりの社員を装った役員が「挨拶をしたのに返答がなかった」と不採用にしたことがある。
あなたの人柄を判断するために、わざとすれ違っている可能性もあるのだ。
企業に足を踏み入れた瞬間から面接は始まっていると考え、笑顔で対応しよう。
マナー3.他の転職者と大きな声で雑談しない
面接会場に入ったら、他の転職者がいたということもあるだろう。
このような場合には、基本的には話さない方がいい。
静かに座って待っていることが好ましい。
もちろん、挨拶をされた場合には返すべきだ。
前項でお伝えしたように、転職者を装った社員の可能性もなくはない。
しかし雑談等にはあまり乗らず、軽く会釈するなどのライトな対応を心がけるといい。
周りの人の迷惑になることにもなり、面接官に良い印象を与えることはないからだ。
面接時に気をつける5つの注意点
続いて、面接時に気をつけてほしい5つの注意点をお伝えしよう。
面接時に気をつける5つの注意点
- 注意点1.声が小さい
- 注意点2.においが強い
- 注意点3.清潔感がない
- 注意点4.言葉遣いが雑
- 注意点5.一方的に話し続ける
どれも無意識でおこなってしまいがちなので、意識して臨もう。
注意点1.声が小さい
まず、1つ目の注意点は声が小さいこと。
緊張していて声が小さくなってしまう気持ちは理解できるが、面接で好印象を与えられることはない。
緊張していても、できるだけハキハキと話すことが大切だ。
日頃から小さくなってしまう人は、大きな声を出す練習をしておくといいだろう。
面接本番は普段よりも声が出にくくなる上に、日常会話では伝わる音量でも、面接官との距離はそれ以上の場合が多い。
面接の練習をおこなうと同時に、声のボリュームについても意識しておこう。
注意点2.においが強い
2つ目の注意点は、においが強いというポイント。
においに気をつけろというと「きちんとお風呂に入っている」などと言う人がいるが、そうではない。
気になるにおいの種類
- 柔軟剤
- 香水
- ヘアワックス
- お昼に食べたもの
- 直前に入った店舗でついたタバコの臭い
など、自分では気をつけているつもりでも、多くの臭いをまとっているのだ。
特に、香水や食べたもの、タバコの臭いは、強すぎると気になってしまう。
面接の予定が入っているときは、
においで注意するべきポイント
- 香水は控えめにする、またはつけない
- お昼にはにおいのないものを食べる
- お店は禁煙席を選ぶ
といった対策が好ましい。
注意点3.清潔感がない
3つ目の注意点は、清潔感がないこと。
面接では人柄ももちろん見ているが、身なりも確認されている。
身なりで注意するべきポイント
- スーツが汚れている、しわしわになっている
- 肩にフケがのっている
- ネクタイやシャツにシミがある
- 靴が汚い
- カバンの角が削れている
といったポイントは特に目立つところなので、面接前にチェックしておくと安心だ。
どんなに面接対応が良くても、清潔感がない人は採用されづらい。
できるだけきれいに見えるよう、こまめなチェックが欠かせない。

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注意点4.言葉遣いが雑
4つ目の注意点は、言葉遣いが雑ということ。
面接の受け答えでは、丁寧な言葉遣いでおこなうことが大切だが、時々できていない人を見かける。
本人は丁寧にしているつもりなのかもしれないが、語尾が伸びていたり、返事が軽かったりするのだ。
言葉遣いで注意するべきポイント
- 「~です」ではなく「~っす」と聞こえる
- 「~が、~で、」が「~がぁ、~でぇ、」になる
- 「そうですね」が「そうっすね」
など、意識しているつもりなのだろうが、普段の言い方が出てしまう人が多い。
この場合の対処法は、普段から話し方に注意するほかない。
緊張すると、つい普段の話し方になってしまうのだから、普段から丁寧な言葉遣いを意識すればいいのだ。
言葉遣いが原因で採用を逃さないよう、日頃から注意しておこう。
注意点5.一方的に話し続ける
5つ目の注意点が、一方的に話し続けてしまうこと。
緊張すると、この悪いクセが出てしまう人が多いのではないだろうか。
沈黙や無言でいることが耐えられず、聞かれてもいないことをひたすらに話し続けてしまう人は一定数いるが、これはNG。
面接では、1質問に対して1回答でやり取りするのが基本。
緊張しすぎると話しすぎてしまうクセがある人は、普段の3割くらいの省エネモードで話すことをイメージしてみてほしい。
また、「相手の話を聞いてあげる」くらいのスタンスで臨んだ方が、うまくいく可能性もあるので、どちらも試してみてほしい。
面接後に注意すること
最後、面接後に注意してほしいことは、できるだけまっすぐ帰ること。
面接が終わったら、企業のそばで面接の振り返りをしたり、その後に予定があって出かけたりすることもあるかもしれない。
しかし、どこで誰が見ているかわからないので、できればまっすぐ帰宅するのが好ましい。
もちろん、次に他の企業で面接が入っている場合は仕方ない。
しかし、もし次の予定が遊びの予定なら、一旦帰宅してから出直すのが好ましい。
筆者の同僚から聞いたエピソードだが、居酒屋で聞いたことがある声がすると思ったら、隣の席が面接相手だったという話を聞いたことがある。
つまり、どこで誰に会うかわからないので、できるだけその足で出かけるのは避けた方が無難ということだ。
まとめ
必ず押さえておくべき面接マナー
- 遅刻は絶対にしない
- 2種類ある入室の流れを覚えておく
- 自己紹介は長々と話さない
- 面接時は姿勢を伸ばす
- 面接終了後には一礼する
面接前に注意する3つのマナー
- マナー1.早く着きすぎないように調整する
- マナー2.受付の人にも笑顔で対応する
- マナー3.他の転職者と大きな声で雑談しない
面接時に気をつける5つの注意点
- 注意点1.声が小さい
- 注意点2.においが強い
- 注意点3.清潔感がない
- 注意点4.言葉遣いが雑
- 注意点5.一方的に話し続ける
面接後に注意すること
- できるだけまっすぐ帰る
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