イシューにはいくつか意味がありますが、代表的なのは「本質的な課題」です。
場合によっては、「考えるべきこと」や「課題の解決」なども意味します。
これで、とりあえずまずは「イシューとはどんな意味なのか」という疑問が晴れたと思います。
ただし「イシュー」という言葉を、具体的にどう使えばいいのかは、まだわからないでしょう。
そこで次は「イシューの具体的な使い方と実例」について紹介していきます。
「イシュー」の具体的な使い方と実例
「イシュー」という言葉が、どんな時・どういう会話で・どんなワードともに使われるのか解説していきましょう。
今回紹介する「イシュー」の具体的な使い方とシチュエーションは、以下の通りになっています。
- 会社で戦略会議をしている時の「イシュー」
- 同僚と仕事について話す時の「イシュー」
- 取引先担当とうち合わせする時の「イシュー」
会話例とともに紹介していくので、今のあなたが一番近いシチュエーションの使い方をチェックしてみてください。
会社で戦略会議をしている時の「イシュー」
会社で戦略会議をしている時に「イシュー」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
上司:「現在のプロジェクトにおける【イシュー】は何だと思う?」
部下:「私はスタッフそれぞれのやる気が【イシュー】だと思います」
わかりやすく変換
上司:「現在のプロジェクトにおける【本質的な課題】は何だと思う?」
部下:「私はスタッフそれぞれのやる気が【本質的な課題】だと思います」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「本質的な課題」という意味で「イシュー」を使います。
「何?」「どれ?」とともに「イシュー」が出てきたら、確実に「本質的な課題」という意味になるでしょう。
「考えるべきこと」という意味ならまだしも、「課題の解決」という意味で使われることはないので、要注意です。
上記のような会話をする時のイシューは、「本質的な課題」という意味で使うと覚えておきましょう。
同僚と仕事について話す時の「イシュー」
同僚と仕事について話す時に「イシュー」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
同僚A:「なかなか数字がとれないのだけど・・・Bから見て、オレの【イシュー】って何だと思う?」
同僚B:「Aの【イシュー】は、お客さんに対するスタンスだな」
わかりやすく変換
同僚A:「なかなか数字がとれないのだけど・・・Bから見て、オレの【考えるべきこと】って何だと思う?」
同僚B:「Aの【考えるべきこと】は、お客さんに対するスタンスだな」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「考えるべきこと」という意味で「イシュー」を使います。
「何?」「どれ?」と一緒に「イシュー」が出たら、シーンによっては「考えるべきこと」という意味になります。
つまり「本質的な課題」と似たような意味で使われることにはなります。
ただ、「考えるべきこと」の方が、「本質的な課題」よりも広義になるので、もっと使い勝手がよくなります。
上記のような同僚同士の会話でも「考えるべきこと」という意味の「イシュー」が使えるのです。
取引先担当とうち合わせする時の「イシュー」
取引先担当とうち合わせする時に「イシュー」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
取引先担当:「予定とは全然違う状況になっています。早急に【イシュー】をお願いします」
自社担当者:「わかりました。上司の話あって対応をするので、もう少しお時間ください」
わかりやすく変換
取引先担当:「予定とは全然違う状況になっています。早急に【課題の解決】をお願いします」
自社担当者:「わかりました。上司の話あって対応をするので、もう少しお時間ください」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「課題の解決」という意味で「イシュー」を使います。
「~して」「~をお願いします」という言葉とともに「イシュー」が出てきたら、「課題の解決」という意味です。
「本質的な課題」「考えるべきこと」という意味で使われることはないので、注意してください。
上記のような会話をする時のイシューは、「課題の解決」という意味で使うと覚えておきましょう。
ここまでは、「イシュー」の具体的な使い方と実例をお伝えしました。
どういうシチュエーションなら「イシュー」を使ってもいいのか、また使うべきなのか理解できたと思います。
ただし「イシュー」と似たような言葉や、実は意味が違う言葉については、まだわからないでしょう。
そこで次は「イシューと似たような言葉・間違えやすい言葉」について紹介していきます。
「イシュー」と似たような言葉・間違えやすい言葉
「イシュー」という言葉と一緒くたにされたり、似た意味だと思われやすいのが、以下の言葉です。
- 論点・争点
- テーマ
- レッテル
これらの言葉と「イシュー」を比較して、使い方のポイントや意味の違いを浮き彫りにしていきましょう。
「イシュー」と「論点・争点」を比較
「論点・争点」の本来の意味は、「考えるべきこと」です。
ビジネスにおいて「論点・争点」は、「今回のプロジェクトは予算が論点(争点)だ」のような使われ方をします。
一方、先述したようにイシューには「本質的な課題」「考えるべきこと」「課題の解決」などの意味があります。
イシューと論点・争点の意味を比較するとわかると思いますが、これらは同義です。
違いを挙げるなら、論点・争点には「本質的な課題」「課題の解決」という意味がないことでしょう。
ちなみに実際のビジネスシーンにおいて、イシューと論点・争点が一緒に使われるのはほとんどありません。
イシューと論点・争点が「考えるべきこと」という意味で同義なので、当たり前といえば当たり前といえます。
「イシュー」と「テーマ」を比較
「テーマ」の本来の意味は、「主題」です。
一般的に「テーマ」は、「今回の作品のテーマは“自由”です」のような使われ方をします。
一方、先述したようにイシューには「本質的な課題」「考えるべきこと」「課題の解決」などの意味があります。
イシューとテーマの意味を比較するとわかると思いますが、これらは全く別物です。
ちなみに実際のビジネスシーンにおいて、イシューとテーマが一緒に使われるのは結構あります。
イシューは前章で示したようなシーンで使われますが、テーマも会議で使われることが多いです。
しかしなぜ意味が全然違う言葉である、イシューとテーマが一緒くたにされるのでしょうか。
それは人によってはテーマを「課題」という意味で使う人がいるからです。
残念ながら、テーマに「課題」という意味はありません。
そもそもテーマは「創作物」に対する主題なので、「会議のテーマ」という使い方自体も間違っています。
「イシュー」と「レッテル」を比較
「レッテル」の本来の意味は、「断定的な評価」です。
ビジネスにおいて「レッテル」は、「できないビジネスマンとしてレッテルを貼る」のような使われ方をします。
一方、先述したようにイシューには「本質的な課題」「考えるべきこと」「課題の解決」などの意味があります。
イシューとレッテルの意味を比較するとわかると思いますが、これらは全然ちがいます。
このように意味もシーンも全然違うのですが、イシューとレッテルが一緒くたにされるのは理由があります。
イシューはITの現場で「ラベル(直訳で“張り紙”)」という専門用語と一緒に使われる言葉です。
ラベルには張り紙の他に「レッテル」という意味をもつ言葉なので、密接な言葉だと勘違いしてしまうのです。
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