イニシャルコストにはいくつか意味がありますが、代表的なのは「初期費用」です。
場合によっては、「開発費」や「導入費」なども意味します。
これで、とりあえずまずは「イニシャルコストとはどんな意味なのか」という疑問が晴れたと思います。
ただし「イニシャルコスト」という言葉を、具体的にどう使えばいいのかは、まだわからないでしょう。
そこで次は「イニシャルコストの具体的な使い方と実例」について紹介していきます。
「イニシャルコスト」の具体的な使い方と実例
「イニシャルコスト」という言葉が、どんな時・どういう会話で・どんなワードともに使われるのか解説していきましょう。
今回紹介する「イニシャルコスト」の具体的な使い方とシチュエーションは、以下の通りになっています。
- 法人ではないお客さんに提案する時の「イニシャルコスト」
- 社内打ち合わせの時の「イニシャルコスト」
- 取引先企業に提案する時の「イニシャルコスト」
会話例とともに紹介していくので、今のあなたが一番近いシチュエーションの使い方をチェックしてみてください。
法人ではないお客さんに提案する時の「イニシャルコスト」
法人ではないお客さんに提案する時に「イニシャルコスト」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
お客さん:「これを買った場合、大体どれくらいの【イニシャルコスト】を覚悟すべきなのでしょうか」
営業マン:「概算にはなりますが【イニシャルコスト】は20万円です。実際はもう少し安くなります」
わかりやすく変換
お客さん:「これを買った場合、大体どれくらいの【初期費用】を覚悟すべきなのでしょうか」
営業マン:「概算にはなりますが【初期費用】は20万円です。実際はもう少し安くなります」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「初期費用」という意味で「イニシャルコスト」を使います。
何か新規でモノやサービスを買ってもらう時、「イニシャルコスト」は「初期費用」という意味になるでしょう。
「導入費」という意味ならまだしも、「開発費」という意味で使われることはないので、注意してください。
法人ではないお客さんに提案する時のイニシャルコストは、「初期費用という意味で使う」と覚えておきましょう。
社内打ち合わせの時の「イニシャルコスト」
社内打ち合わせの時に「イニシャルコスト」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
上司:「今回の新製品は完成まで大体どのくらい【イニシャルコスト】が必要になる?」
部下:「現状での【イニシャルコスト】はおよそ1,000万円です。もう少し抑えられるようにします」
わかりやすく変換
上司:「今回の新製品は完成まで大体どのくらい【開発費】が必要になる?」
部下:「現状での【開発費】はおよそ1,000万円です。もう少し抑えられるようにします」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「開発費」という意味で「イニシャルコスト」を使います。
何か新製品や新プロジェクトの話で「イニシャルコスト」が出たら、確実に「開発費」という意味になるでしょう。
「開発費」は素人目には似たように感じますが「初期費用」「導入費」という意味とも違うので、注意してください。
社内打ち合わせの時のイニシャルコストは、「開発費という意味で使う」と覚えておきましょう。
取引先企業に提案する時の「イニシャルコスト」
取引先企業に提案する時に「イニシャルコスト」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
自社担当:「我が社のサービスを導入してもらう場合、この紙に示した【イニシャルコスト】が必要です」
取引先担当:「ちょっと高すぎますね・・・。もうちょっと【イニシャルコスト】を落とせますか?」
わかりやすく変換
自社担当:「我が社のサービスを導入してもらう場合、この紙に示した【導入費】が必要です」
取引先担当:「ちょっと高すぎますね・・・。もうちょっと【導入費】を落とせますか?」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「導入費」という意味で「イニシャルコスト」を使います。
他社にサービスを提案する時「イニシャルコスト」が出たら、間違いなく「導入費」という意味になるでしょう。
「初期費用」という意味ならまだしも、「導入費」という意味で使われることはないので、注意してください。
取引先企業に提案する時のイニシャルコストは、「導入費という意味で使う」と覚えておきましょう。
ここまでは、「イニシャルコスト」の具体的な使い方と実例をお伝えしました。
どういうシチュエーションなら「イニシャルコスト」を使っていいのか、また使うべきか理解できたと思います。
ただし「イニシャルコスト」と似たような言葉や、実は意味が違う言葉については、まだわからないでしょう。
そこで次は「イニシャルコストと似たような言葉・間違えやすい言葉」について紹介していきます。
「イニシャルコスト」と似たような言葉・間違えやすい言葉
「イニシャルコスト」という言葉と一緒くたにされやすいのが、以下の言葉です。
- ランニングコスト
- 保守料金
- 管理費
これらの言葉と「イニシャルコスト」を比較して、使い方のポイントや意味の違いを浮き彫りにしていきましょう。
「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」を比較
ランニングコストの本来の意味は、「運転資金」です。
何かサービスを維持していくために、必要な費用という意味になります。
ビジネスシーンにおいても、ランニングコストは使われることが多い言葉です。
企業が経営をしていく上で、必要な資金のこともランニングコストと呼びます。
一方、イニシャルコストは初期費用という意味で、継続的にお金が必要なランニングコストと意味が違ってきます。
あえてイニシャルコストとランニングコストを一緒に使うのであれば、どうなるのでしょうか。
「イニシャルコストは10万円で、その後ランニングコストが毎月5万円かかります」といった使い方になります。
イニシャルコストよりもランニングコストの方がビジネスで使われるので、一緒くたにならないように要注意です。
「イニシャルコスト」と「保守料金」を比較
保守費用とは、長期間何かしらの運用をしなければならない機器に対してかかる費用です。
機器の機能を保持するために、定期的に必要な料金になります。
点検や補修・調整などをするためのお金、もしくは修理費等も含めて保守費用といいます。
先ほど紹介したランニングコストと意味が似ていますが、意味は少し変わってきます。
製造業や何かしら機器を販売する営業では、毎日のごとく保守料金は出てきます。
だからこそ、必ず意味を理解しておかなければなりません。
先述したようにイニシャルコストは、初期費用と言う意味です。
定期的にお金のかかる保守料金とは、性質がまるで異なります。一緒くたにならないように気をつけましょう。
「イニシャルコスト」と「管理費」を比較
管理費は、主に不動産業界で使われる言葉です
アパートなど共同住宅は、そのまま放置しておくと劣化するので、修繕するために必要なお金になります。
具体的には、毎月の掃除や修繕等のために発生するお金になります。
一方イニシャルコストは、初期費用と言う意味ですから、毎月お金がかかる管理費とは全然性質が違います。
そもそも管理費が使われる不動産業界では、イニシャルコストという言葉自体もなかなか使われません。
歴史が古い業界と言うこともあり、横文字に弱いからこそイニシャルコストが出てこない背景があるのでしょう。
不動産業界の場合は、イニシャルコストではなく「初期費用」とそのまま言うことが多いです。
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