インバウンドにはいくつか意味がありますが、代表的なのは「外国人旅行者を誘致すること」です。
場合によっては、「海外から日本へ来る観光客」や「顧客からの質問・要求・クレーム」なども意味します。
これで、とりあえずまずは「インバウンドとはどんな意味なのか」という疑問が晴れたと思います。
ただし「インバウンド」という言葉を、具体的にどう使えばいいのかは、まだわからないでしょう。
そこで次は「インバウンドの具体的な使い方と実例」について紹介していきます。
「インバウンド」の具体的な使い方と実例
「インバウンド」という言葉が、どんな時・どういう会話で・どんな言葉と共に使われるか解説していきましょう。
今回紹介する「インバウンド」の具体的な使い方とシチュエーションは、以下の通りになっています。
- 会社で戦略会議をする時の「インバウンド」
- 企業で海外展開を考える時の「インバウンド」
- 上司と顧客対応を考える時の「インバウンド」
会話例とともに紹介していくので、今のあなたが一番近いシチュエーションの使い方をチェックしてみてください。
会社で戦略会議をする時の「インバウンド」
会社で戦略会議をする時に「インバウンド」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
上司:「我が社も本格的に【インバウンド】に取り組まないといけない」
部下:「【インバウンド】なんてしたことありませんが、何からすればいいのでしょうか」
わかりやすく変換
上司:「我が社も本格的に【外国人旅行者を誘致すること】に取り組まないといけない」
部下:「【外国人旅行者を誘致すること】なんてしたことありませんが、何からすればいいのでしょうか」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「外国人旅行者を誘致すること」という意味で「インバウンド」を使います。
戦略会議で「インバウンド」が出てきたら、確実に「外国人旅行者を誘致すること」という意味になるでしょう。
人が対象になる会話の流れではないので、「海外から日本へ来る観光客」という意味にはなりません。
また「顧客からの質問・要求・クレーム」という意味は明らかに違うので、注意してください。
上記のような会話時のインバウンドは、「外国人旅行者を誘致すること」という意味だと覚えておきましょう。
企業で海外展開を考える時の「インバウンド」
企業で海外展開を考える時に「インバウンド」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
上司:「今年は【インバウンド】が非常に多い。海外の日本に対する関心は高まっている」
部下:「【インバウンド】のための商品は必要ですが、海外展開用の商品も必要と思われます」
わかりやすく変換
上司:「今年は【海外から日本へ来る観光客】が非常に多い。海外の日本に対する関心は高まっている」
部下:「【海外から日本へ来る観光客】のための商品は必要ですが、海外展開用の商品も必要と思われます」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「海外から日本へ来る観光客」という意味で「インバウンド」を使います。
名詞や単語のように「インバウンド」が出たら、間違いなく「海外から日本へ来る観光客」という意味です。
海外に向けた話をしている時は「顧客からの質問・要求・クレーム」という意味ではないので、注意してください。
上記のような会話時のインバウンドは、「海外から日本へ来る観光客」という意味で使うと覚えておきましょう。
上司と顧客対応を考える時の「インバウンド」
上司と顧客対応を考える時に「インバウンド」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
上司:「今月挙がってきた主な【インバウンド】は?」
部下:「商品の不具合が多数の【インバウンド】として挙がっています」
わかりやすく変換
上司:「今月挙がってきた主な【顧客からの質問・要求・クレーム】は?」
部下:「商品の不具合が多数の【顧客からの質問・要求・クレーム】として挙がっています」
使い方に関する解説
今回のようなシーンでは「顧客からの質問・要求・クレーム」という意味で「インバウンド」を使います。
顧客に関する話で「インバウンド」が出てきたら、「顧客からの質問・要求・クレーム」という意味になるでしょう。
「外国人旅行者を誘致すること」「海外から日本へ来る観光客」という海外対象の意味で使われることはないです。
ここまでは、「インバウンド」の具体的な使い方と実例をお伝えしました。
どういうシチュエーションなら「インバウンド」を使ってもいいのか、また使うべきなのか理解できたと思います。
ただし「インバウンド」と似たような言葉や、実は意味が違う言葉については、まだわからないでしょう。
そこで次は「インバウンドと似たような言葉・間違えやすい言葉」について紹介していきます。
「インバウンド」と似たような言葉・間違えやすい言葉
「インバウンド」という言葉と一緒くたにされたり、似た意味だと思われやすいのが、以下の言葉です。
- アウトバウンド
- インバウンドマーケティング
- コールセンター
これらの言葉と「インバウンド」を比較して、使い方のポイントや意味の違いを浮き彫りにしていきましょう。
「インバウンド」と「アウトバウンド」を比較
「アウトバウンド」の本来の意味は、「こちらから顧客に質問・要求すること」です。
ビジネスシーンにおいて「アウトバウンド」は、「積極的にアウトバウンドする」というような使われ方をします。
一方、先述したようにインバウンドには「顧客からの質問・要求・クレーム」などの意味があります。
インバウンドとアウトバウンドを比較するとわかると思いますが、これらは顧客に対するアプローチが真反対です。
顧客から「受ける」のがインバウンドで、顧客に「自分からいく」のがアウトバウンドとなります。
「インバウンド」と「インバウンドマーケティング」を比較
「インバウンドマーケティング」の本来の意味は、インバウンドを前提にしたマーケティング(販促)です。
ビジネスシーンにおいて「インバウンドマーケティング」は、戦略の一つとして使われます。
インバウンドには「外国人旅行者の誘致」「海外から観光客」「顧客からの質問・要求」などの意味があります。
つまりインバウンドマーケティングは、外国を対象としたマーケティングを行うことになるのです。
また自分からセールスすることなく、顧客から反応があるような販促にするという意味も持ちます。
「インバウンド」と「コールセンター」を比較
「コールセンター」の本来の意味は、「顧客からの質問・要求・クレームを受け付ける場所」です。
一方、先述したようにインバウンドには「顧客からの質問・要求・クレーム」などの意味があります。
インバウンドとコールセンターの意味を比較するとわかると思いますが、これらは非常に似ています。
もし、あえてインバウンドとコールセンターを一緒に使うのであれば、どんな用法になるでしょうか。
「コールセンターでインバウンドを受ける」という言い方が予想されます。
このように、インバウンドを直接受け付けるのがコールセンターであるため、両者は一緒くたにされるのです。
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