ブラック企業の特徴・求人~面接で気付いて入社しないために

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ブラック企業の出している求人案件の多くは、採用のハードルが低い、待遇や環境が良い、年収が高いなど、一見すると魅力的な求人であることが多い。

転職活動を進める中で、ぱっと見で「ここ良さそう」と思ったが、よくよく確かめて応募しなかった、という経験をした人は多いはずだ。

中には入社まで進んでしまい「聞いていた話と違う」など、思わぬトラブルになってしまうケースも少なからずある。

また一方で、現在の職場がいわゆるブラック企業で、転職活動を進めているが退職するのに苦労しているという人もいるだろう。

このように、ブラック企業には「採用されやすく辞めにくい」という特徴がある。

そこで、企業の採用担当として転職や中途採用の現場を経験した筆者が、自らの転職経験も踏まえて、転職活動でのブラック企業の避け方、ブラック企業の辞め方について伝授する。

具体的には「求人案件で気付く」「面接で気付く」「入社前に気付く」の3つでブラック企業への入社を防ぐ。

また、ブラック企業から退職する方法と、ブラック企業に入社してしまった時にすぐ辞める方法の2つを紹介しよう。

ひとつの企業でコツコツがんばることは決して間違いではないが、それがブラック企業だとしたら百害あって一利なしだ。

自身のキャリアに後悔を残さないためにも、この記事をブラック企業から自分自身を守るヒントにして欲しい。

ブラック企業とは

はじめに、ブラック企業とは具体的にどのような企業を指すのか、改めておさらいしておこう。

最近ではSNSなどで安易に「ブラック企業」という言葉が使われたり、根拠のない誹謗中傷として「あの会社はブラックだ」と言ったりするようなケースも少なくないからだ。

インターネット上のクチコミや評判サイトなどで確かめる際にも、情報をただうのみにするのではなく、自分自身で正しい判断ができることが肝心だ。

ルールが守られていない企業

ブラック企業で最も象徴的なのが、労働基準法など「雇われる人を守る」ための法令やルールが守られていないケースだ。

これらの法令は、労働者の体と心の健康や労働者の権利を守るためにあり、これが普段から守られていないとブラック企業ということになるだろう。

例えば、異常な長時間労働や休日が全くないなどの過酷な勤務、残業代未払い(サービス残業)や有給休暇を認めないなど当然の権利が守られない、といった事例は深刻な法令違反だ。

一部には残業歓迎の古い体制から変えようとしている企業や、要求に応じて素直に改善している企業もあるが、これらを承知の上で堂々と違反しているような企業は非常に悪質なブラック企業と言っていいだろう。

労働基準関係法令違反に係る公表事案

いわゆるブラック企業に対する取り組みは行政でも行われており、厚生労働省では労働基準法やその関連の法令に違反した企業名を随時公表している。

労働基準関係法令違反に係る公表事案」には、長時間労働の他、作業安全などの労働安全衛生規則に関する違反、給与不払いなどの違反がある。

求人情報ではこうした情報が分からないのはもちろん、転職エージェントであってもほとんどの場合把握していないため、気になったら自身で調べてみるしかないのだ。

行政指導や書類送検の反省から体制を見直す企業も少なくないため、このリストにあるからといって現時点で確実にブラック企業だとは限らないが「要注意」と考えていいだろう。

職場のモラルが低すぎる企業

法令やルールに違反しているか線引きがしにくいハラスメントなどをはじめ、モラルが低すぎる職場もブラック企業と言っていいだろう。

厳密に言えば法令違反にもあたる場合が多いが、どちらというとその企業の文化、社風、職場の体質にかかわってくる部分なので、外部からは見えにくく、根が深いことが多い。

無視などの職場いじめや執拗な叱責、性差別発言、社内不倫の横行、会社の備品や社員ロッカーから金品の紛失、盗難など、こういった問題が多いのもブラック企業の特徴だ。

こうした例は企業の大小に関係なく職場単位でも起こるため、避けることが難しいブラックな職場環境と言えるだろう。

ブラックとまでは言えないケース

ブラック企業には「目先の売上や利益を優先し法令やモラルを無視する」という特徴があり、それとはあまり関係のない、個人的な会社に対する不満や不公平感だけではブラックとまでは言えない。

例えば福利厚生の充実や社内研修制度、人事評価制度など、現在のところ企業に整備の義務はなく、また、従業員全員にとって納得のいく運用は非常に難しいからだ。

また、日本にある企業の99%以上が中小企業、そのうち約85%は20人以下の小規模事業者で、そういった規模の会社までそうした環境が大企業並みに整っていること自体非常に少ないのが現状だ。

ブラック企業かどうかという話と、従業員が納得し満足できているかという話は全く別なので、クチコミを見て判断したい場合などは、それが個人的な不満なのか、ブラック企業なのかといった見極めも必要だろう。

段階別に要チェック・ブラック企業の特徴

転職活動でブラック企業を避けるために、3段階に分けて「ブラック企業の特徴」を伝授する。

ブラック企業の特徴3つ

  • ①求人案件で気付く:求人広告や求人票から特徴をチェック
  • ②面接で気付く:面接官や面接内容から特徴をチェック
  • ③入社までに気付く:内定通知や雇用条件通知書から特徴をチェック

ブラック企業へ入社をしないためにはこの3回のうち、出来るだけ早い段階で気が付くことが重要だ。

気付かずに入社すると辞めにくい状況になる場合が多いのだが、万が一入社してから気付いた場合の辞め方も後ほど解説するので参考にして欲しい。

①求人案件で気付く:求人広告や求人票から特徴をチェック

ブラック企業への入社はもちろんのこと、ムダな書類選考や面接をしないためにも、できれば応募段階で避けたいところだ。

ブラック企業が出す求人の特徴を紹介するので、良い条件ばかりに飛びつかないよう、慎重にチェックして欲しい。

求人情報に掲載すべき労働条件を明示していること

企業が求人情報を出す場合には必ず記載しなければならない条件、遵守すべき事項が法令で定められている。

厚生労働省「労働者を募集する企業の皆様へ」

まずはその内容がきちんと押さえられているかを次の表から確認しておこう。

また、この時点で提示された条件と採用される時点の条件が異なる場合は、どこがどう異なるかを書面等で分かりやすく提示することが企業には義務付けられている。

記載が必要な項目記載例チェックポイント
業務内容一般事務✓範囲が広すぎる、不明瞭などは要注意
契約期間期間の定めなし✓期間の定めがある場合=契約社員や嘱託社員とも呼ばれる
試用期間3か月 ※給与等条件に変更なし✓3か月くらいが一般的なので6か月~1年などは要注意、この期間、給与等が異なる場合もある
就業場所〇〇県■■市△△×-×-××✓支社など、面接場所と違う場合もある
就業時間
休憩時間
休日
時間外労働
9:00~18:00
12:00~13:00
土日、祝日
あり(月平均15時間)
✓就業時間-休憩時間=実働時間
実働は、週40時間以内、1日8時間以内
✓土日は年間約104日+祝日は16日ほど
✓残業1日1時間×稼働日20日で考えてみる
賃金月給 20万円~30万円✓低い方で見た方が良い、金額の幅が広すぎるのは要注意
✓固定残業代がある場合、基本給と手当、割増賃金について記載しなければならない
加入保険雇用保険、労災保険、厚生年金、健康保険✓雇用、労災、年金、健康の4保険は必ず加入になっていること(基金などの場合も)
募集者の氏名又は名称〇〇株式会社
(派遣労働者として雇用する場合)雇用形態:派遣労働者✓採用された企業の正社員でも、他の企業への派遣労働をする場合はこの項目を明記

求人情報でよく見るブラック企業の特徴

転職サイトなどの求人情報でよく見るブラック企業求人の特徴を挙げて解説する。

そのように記載されているからブラック企業だとは言い切れないが、少なくとも慎重に見極めた方が良い求人だと言えるだろう。

同時期に複数の求人サイトで見かける

同じ時期に同じ企業、同じ仕事内容の募集を複数の求人サイトで見かけるような場合は要注意だ。

人気企業や高待遇など人気のある求人ほど非公開求人にしたり、ダイレクト・リクルーティングにしたりと、応募が殺到しないで最適な応募者が来るように工夫する。

あちこちに求人を出して大量に採用する必要がある求人や、そうしないと応募が望めない求人は要注意と言えるだろう。

同様に、8週間を超えて同じ求人が長期掲載になっているようなケースも同様に要注意だ。

社長の経営哲学や精神論に偏っている

ワンマン社長の中小企業で見かける「努力」「気合」「熱意」「感謝」といったフレーズが目立つような求人広告も要注意だ。

こうしたフレーズが従業員に向けて使われる場合は、厳しいノルマや会社への理不尽な貢献を強いられる場合があるからだ。

お客様に対して努力や感謝を見せていくことは大切だが、「仕事への感謝」や「目標必達のための努力」を前面に出している企業が従業員ファーストであることはほとんどないと言っていい。

同じように「ノリ」「勢い」「若さ」を写真などで前面に出している企業も、注意した方がいいだろう。

見栄えが良く内容が伴わない仕事内容

未経験者歓迎の「コンサル営業」や「トータルアドバイザー」といった職種なども要注意だ。

一見するとある程度の裁量をもって幅の広い仕事ができそうな印象を受けるが、入社してみるとその印象からはかけ離れた仕事内容である場合が多いからだ。

ちなみに「コンサル営業」や「トータルアドバイザー」は、いわゆる飛び込み営業などを含めた新規開拓営業であることが多い

新規開拓営業、イコール、ブラック企業とは言わないが、多くの人が持つイメージと実態のギャップがあることは確かだろう。

人間関係で退職した人が釣られるフレーズ

「和気あいあい」や「アットホームな職場」といったフレーズは人間関係が原因で退職した転職希望者ならば注目してしまいがちだが、これも要注意だ。

こうしたフレーズが登場する求人広告では、職場いじめやパワハラ、セクハラなどコンプライアンスに鈍感で、馴れ合いの人間関係になっている場合が多いからだ。

個人経営のカフェなど、仕事上、アットホームさや和気あいあいとしたコミュニケーションが馴染む職場ならばともかく、一般的な企業で通常アピールすべきポイントではない。

確かに仲の良い社員同士は和気あいあいかもしれないが、その仲間に入れない場合は、毎日の通勤が苦痛でしかないだろう。

求人広告でよく見かける言い回しの裏事情

ブラック企業の特徴ではなく、法令などで制限されているため考え出された求人広告での言い回しについて紹介しておく。

回りくどいフレーズなのでつい警戒してしまうかも知れないが、意味が分かれば応募の参考になるはずだ。

「20代~30代が活躍」

法令上、求人には年齢制限をかけるのに一定の要件があるため、制限はかけないがこの年齢層をターゲットにしていますよ、ということをアピールしている。

例えば「長期キャリアの形成のため、年齢制限して募集する場合は、経験不問にすること」といった法的な制限があるのだ。

1~2年の経理事務の経験がある若い年齢層をターゲットにした求人、という場合には、「経理の経験」を応募要件にして、「20代~30代が活躍中」というフレーズを広告に記載しておくのだ。

「女性が活躍」「女性が元気な職場」

これも年齢制限の例と同様に、女性をターゲットにした募集ということだ。

男女雇用機会均等法によって、男性のみ、女性のみを限定して求人することが原則出来ないため、女性向け求人のほとんどはこうしたフレーズを利用している。

例えば、女性向けコスメの企画開発や営業、その他の企業でも女性の雇用率や女性管理職の登用率を上げたい場合などが挙げられるだろう。

こうしたフレーズを使った求人広告の場合、男性が応募してもまず書類段階で不採用になると思って間違いない。

「経験者を優遇」「経験を考慮」

未経験から経験者まで幅広く募集したい場合で、求人情報の「給与額」の記載にかかわらず優遇される場合がある、と思って良い。

給与額の欄は、範囲が広くなり過ぎないことが望ましいが、給与の最低ラインを記載することが優先されるため、あえて経験者の待遇について記載しているのだ。

「採用枠を超えて応募者があった場合は経験者を優先」と誤解している人も少なくないが、実際は「経験(能力)によってはここに書いてある以上の条件で」という意味だ。

また「前職年収を考慮」などもあるので、こうしたフレーズの求人にはきちんと希望年収額などを用意して臨むようにしたい。

②面接で気付く:面接官や面接内容から特徴をチェック

応募する前にブラック企業を避けられることが最善だが、面接の段階でブラック企業の特徴に気付いてもまだ遅くはない。

言うまでもなく求人企業に直接出向いて目にすること、耳にする生の情報に勝るものはない。

注意すべきポイントについて解説するので、自分が選ばれるだけでなく、自分も企業を選ぶ心構えをもって臨んで欲しい。

面接官の身だしなみが乱れている

面接官は人事担当者や配属後の管理責任者が務めることになるが、求人企業のこうした役職者の身だしなみが乱れている時は要注意だ。

社員個人の感覚の差はあるものの、身だしなみに気を配る適度な余裕と、それを維持する適度な緊張感がある職場が理想的だからだ。

毎晩遅くまでの残業や休日出社などで疲弊していると、スーツやシャツのシワや汚れ、無精ひげなど、自分自身をケアする余裕がなくなることは言うまでもない。

また、社内でそれを気にしてケアしてくれる、誰かが注意、指導してくれるといった環境やモラルも期待できない職場だと思っていいだろう。

質問が一方的、高圧的な面接

面接での質問が矢継ぎ早で一方的であったり、圧迫面接と言われるような高圧的なものであったりする場合は要注意だ。

こうした企業は、入社してから急にその一方的、高圧的な態度が180度変わるようなことはまずあり得ないからだ。

こうした面接を正当化する時「理不尽に耐えられるかを見たい」「このくらいで怯んでいてはやっていけない」などがあるが、そもそも理不尽に耐えたり脅されたりする職場を良い職場とは言わない

質問に対する回答をちゃんと聞いて、応募者が言った言葉にも反応を返してくれる。

そうした、まともな言葉のキャッチボールができない面接であれば辞退した方がいいだろう。

労働条件に対する回答があいまい

慎重な応募者であれば求人票に記載されている条件について質問し明らかにしておくと思うが、それに対する回答があいまいな企業も要注意だ。

労働条件は求人票を作成する時点、応募する時点でほぼ決まっているもので、あいまいにする理由がないからだ。

例えば、面接の時点で「給与はいくらになりますか」といった質問は即答できるものではないが、仕事内容や平均残業時間、有給休暇の取得など、当然決まっている事柄は回答できるはずだ。

実際の面接の現場では、いわゆる逆質問に「特にありません」という回答も少なくないが、この逆質問こそ、企業を見極めるうえで重要な質問なのだ。

面接官以外も会社の様子をチェック

求人企業に一歩入ったら、受付や取り次ぎをしてくれる社員の様子から社内の掃除、デスク周りまで見ることが可能ならばできるだけ見ておこう。

やはり良い職場環境であればあるほど、社員の雰囲気は明るく、清潔感があり、忙しい中にも活気と適度な緊張感があるからだ。

社員の顔や声に疲れや険しさが目立つ、あちこち壊れていたり蛍光灯が切れたりしている、トイレが汚い、デスク周りに空き缶や空き瓶が散乱している、といった職場にはやはり何かしら問題があることが多い。

面接官が応募者の身だしなみや表情を見て印象で判断するように、応募者も会社を見て、ある程度印象で判断してもそれは全くの的外れとは言えないのだ。

③入社までに気付く:内定通知や入社案内から特徴をチェック

書類、面接と選考を通過して内定の連絡をもらったものの、ブラック企業かどうか不安を持っている場合には内定通知や入社案内などから判断する。

内定を受けてしまうと基本的には辞退できないため、ブラック企業だった場合には入社してすぐ退職することになりトラブルにもなりやすい。

この段階でのブラック企業の特徴を解説するので、最後の砦と思って慎重に確認して欲しい。

内定通知書を必ず確認する

内定通知を電話連絡で受けることもあるかも知れないが、基本的には書面で受け、労働条件や給与額を確認して欲しい。

内定を受けるにあたって、給与その他の労働条件が求人票に記載してあること、面接で確認したことと違っていないかどうかを確認することが最重要だからだ。

転職エージェントを利用している場合でも給与額(年収額)のみ記載された内定通知書で承諾する場合がほとんどで、以降、労働条件が確認できるのは入社初日になる。

「内定通知書」を書面で受けること、内定を受けるか検討するにあたって「労働条件は求人票通り」であることを確認することは最終の防衛ラインと言えるのだ。

理解できないことは質問する

労働条件や待遇について、または仕事内容についてあいまいになっていることは遠慮なく質問して解決しておくことをおすすめする。

ここで確認したことで自身にとって不利になることはないが、聞かなかったことで後悔することが少なくないからだ。

あくまで「内定を承諾するかどうか考えるのに必要」な範囲できちんと確認しておく分には求人企業にも悪い印象を与えることはないし、そのような理由で内定取り消しにもならない。

よほど失礼な聞き方でもない限り、回答拒否や不機嫌な態度、内定取り消しなどがあったら、やはりそれもブラック企業の可能性が高いと思っていいだろう。

雇用条件通知書を確認する

正確に言うと、雇用条件通知書は入社時に受け取るものなので、入社前に気付くという面から見れば手遅れではある。

ただ、雇用条件通知書が入社時に交付され、その内容が求人票、面接での話、内定通知書と一貫して合っていることは非常に重要なのだ。

もしも何の断りもなく、求人票や内定通知書より条件が悪くなっていることがあれば、求人票に合わせて修正してもらうか、出来るだけ早く退職の準備をしよう。

中には雇用条件通知書を交付しない企業もあるが、明らかな法令違反でもあり、ブラック企業の可能性が高いといえる。

ブラック企業の辞め方

冒頭に説明したように、ブラック企業は「採用されやすく辞めにくい」ということが多い。

正確に言えば、「使い捨て」と呼ばれるように企業の都合のいいタイミングで辞めることは構わないが、こちらの都合やタイミングで辞めることが難しいのだ。

ここでは退職の心構えと、次の2つのケースの辞め方を伝授する。

ブラック企業を辞める2つのケース

  • 辞め方①転職のため、退職を申し出て辞める場合
  • 辞め方②入社してみたらブラック企業だったのですぐに辞める場合

2つのケースではどちらも円満退社でないことを仮定して解説するので、多少難航しても落ち着いて対処できるよう参考にして欲しい。

ブラック企業を辞める時の心構え5つ

ブラック企業を辞める場合は通常の退職より苦労するケースが多く、相応の心構えが必要だと思っておこう。

何度もしつこく引き留められたり、脅しとも取れることを言われたり、中にはその重圧に負けて退職を考え直す人もいる程だからだ。

そういった状況でも辞めるべき時に辞めることができるよう、次の心構え5つをもって退職に臨んで欲しい。

その1.退職の意志を変えることも、変える必要もない

嫌味を言われようと、逆に待遇や給与の改善を提示されようと、「退職の意志を変える必要は一切ない」と心に決めておこう。

ブラック企業に戻る選択は何も解決しない上に、会社からは「要注意」の社員、という見方をされることがほとんどだ。

退職の意思を伝えたら、取り下げたとしてもその先に最良の仕事環境は待っていないことを覚えておいて欲しい。

その2.申し訳ないと思う必要は一切ない

多くの真面目な日本人は職場を辞めることに「申し訳なさ」を感じてしまうが、その必要は一切ない。

また、会社に残る同僚に対しては裏切りなどではなく、むしろ「辞めてもいいんだということを、身をもって示す」くらいの気持ちで構わない。

そもそも辞めて申し訳ないと思えるほど自分との関係が良好な会社であったら「ブラック企業」などではないはずだ。

その3.社員の退職が理由で潰れる会社はない

良くも悪くも、社員1人辞めたくらいで会社の経営が破綻するようなことはなく、もしそうだとしたら元々その企業の先は長くないはずだ。

自分が辞めたら会社が困るので辞められない、会社が困るだろうから辞めてやろう、といった考えは不毛な考えだと言っておく。

自分がその会社の社長や株主でもない限り、辞めたとしてもそれが原因で会社は潰れないので全く気にしなくてよい。

その4.会社側に納得してもらう必要はない

退職交渉とは、双方が納得するためのものではなく、退職の具体的な日付と引継ぎ、有給消化などについて交渉するもの

もちろん会社側が納得して、快く送り出してくれるのが最善なのだが、そのための議論に長い時間を割く意味はない。

退職も有給消化も法律で守られた権利なので、一方的に伝えるだけで会社に納得してもらう必要はないのだ。

その5.円満退社でなくても仕方がない

もちろん最善は引継ぎから有休消化まで、自分自身と会社の同意で進めることができ、気持ちよく辞め、気持ちよく送り出す円満退社だ。

だが、円満でも、話がもつれても、気分良く辞めることができるか、気分は良くないが辞めるか、退職するという結果だけ見れば同じなのだ。

円満退社させてもらえないブラック企業ならば、とにかく辞めることを最善とするのも仕方がないことだろう。

辞め方①転職のため、退職を申し出て辞める場合

一般的な退職の流れとしては、直属の上司に個別に話をして、そのあと退職願または退職届を提出する。

可能な限り会社のルールや書式に従って進めることが望ましいが、ブラック企業を退職する場合は特に『退職届』と記載する。

また、話がこじれるときには多少強引な手段も必要になると考えておこう。

退職理由に会社の悪いところを挙げない

退職を申し出る時の退職理由は何でも構わないのだが、例えブラック企業だったとしても会社の悪いところを挙げないことが上手く辞めるためのコツだ。

会社の悪いところを挙げることで上司が感情的になることもあれば、「今後改善するから」と慰留される場合もあるからだ。

例えば「私の親戚がやっている事業に誘われてもう返事をしてしまった」など、辞める以外の選択肢がないことを理由にするのがいいだろう。

ひとこと言いたいかも知れないし、逆に心苦しいかも知れないが、出来るだけ穏便に退職するためにも、場合によっては「嘘も方便」で乗り切ることが必要だ。

退職を認めない、退職届を受け取らないと言われたら

ブラック企業を退職したい場合、退職届を受け取ってもらえないというトラブルも少なからず起こっている。

このような場合は、内容証明郵便を会社宛てに送る。

具体的には、次の手順で進めるとスムーズだ。

ブラック企業をスムーズに退職するための5ステップ

  1. 退職の意思表示をし、引継ぎや社外への挨拶はしておく
  2. 私物は持ち帰り、会社から貸与されているものは返却できるように、書類などは整理しておく
  3. 残業の記録や給与明細、パワハラ、セクハラの録音などがあれば手元に保管しておく
  4. いつでも退職できる状態になったら、内容証明郵便で「退職届」と「有給休暇取得届」を出す
  5. 退職届提出日から最低2週間で退職は成立する(民法による)

退職日から有休消化の日数を逆算して内容証明郵便を送れば、退職届が会社に到着してから退職日まで1日も出社することなく退職が可能だ。

ただし、これは最終手段だと考えておくべきで、トラブルに発展することもあるため、最悪の場合、次の「弁護士を利用する」方法も考えておこう。

退職代行(弁護士)を利用する

現在、報道等でも知られ始めた退職代行だが、弁護士事務所に依頼することをおすすめする。

弁護士に代行してもらうことで、万が一揉めた時も、法的にトラブルに対処することが可能だからだ。

基本的な手順は前出の内容証明郵便で退職届を送る方法と似ているが、弁護士でない退職代行業者は、引継ぎをしなかったために起こった損害の賠償、といった企業側の主張に法的に対処することができない。

また、そこまで話がこじれることは滅多にないとしても、企業側にとって弁護士事務所からの通知や通達はそれなりに効果があるものだ。

費用は5万円前後とやや高額だが、ブラック企業を退職するにあたって深刻なトラブルが避けられない場合は利用を検討して欲しい。

辞め方②入社してみたらブラック企業だったのですぐに辞める

応募から面接、内定の承諾まで慎重に進めてきたつもりでも「最初に聞いていた労働条件と違う」などのトラブルは起こる。

そのような場合でも、やはり基本的には退職を申し出てから辞めるという手順はほぼ同じだ。

即日退職したい気持ちも分かるが後々自分が不利にならないためにも手順を踏んでおく方が得策だろう。

転職エージェントを利用して転職した場合

転職エージェントを利用して入社した場合は、まず転職エージェントに、求人票と実態の何がどう異なるのかを連絡して対処を依頼する

転職エージェントが根本的に何か解決したり、補償したりしてくれるわけではないが、次の転職先に対しては慎重に吟味してくれる可能性が高いからだ。

採用から一定期間内に退職されてしまうと転職エージェントは企業に一部返金などが生じるため、事情を話して自分の味方につけておいた方が後々有利に話を進めやすい。

求人情報や面接時のメモ、雇用条件通知書などを手元に揃えておくと話もしやすいだろう。

入社2週間以内の場合、解雇扱いにされる場合も

基本的な手順は前出の、転職のために退職を申し出る方法と同じだが、試用期間内の入社後2週間以内は注意が必要だ。

この期間内に「正当な理由があれば」、企業は解雇予告手当なしに試用期間中の社員を解雇することができる。

よほどのことがない限り正当な理由には該当しないのだが、退職を申し出た場合、1円でも払いたくない企業側は何かしら理由をつけて解雇扱いにすることも考えられる。

不当な解雇、などで争うことも可能だが時間も労力もかかってしまうため、すぐ辞めたいところを少し先延ばしにして、自主退社の形にするのがいいだろう。

給与算定期間、または1か月で辞める

このような理由から、ブラック企業だと気が付いても1か月分の給与が発生するくらいの期間を待って退職を申し出るようにするのがベターだ。

理由のひとつは解雇扱いにされないため、もうひとつはこの期間を使って転職活動を少しでも進めておくためだ。

さらに社内に共感してくれる味方を作ることができればより心強いだろう。

入社から1か月後に申し出をして、その2週間後に退職日ならば、入社して間もないためしつこい引き留めや引継ぎの苦労はほとんどないはずだ。

心得でも触れたように、ブラック企業とハッキリわかる理由があるのなら固い意志で退職に臨むようにしよう。

まとめ

ここまで、ブラック企業に応募、入社しないための回避策を、求人、面接、入社前と解説した。

また、転職にあたってブラック企業を退職する方法、転職でブラック企業に入社してしまった場合の退職方法についても紹介した。

ブラック企業は何か一つの事柄ではなく、企業体質から来るものが多いので、注意深くチェックしていけば避けることは可能だ。

記事を振り返ってまとめるのでその特徴を頭に入れてブラック企業を避けるヒントにして欲しい。

ブラック企業とは

  1. 労働基準法など「雇われる人を守る」ための法令やルールが守られていない
  2. 労働基準関係法令違反に係る公表事案」に公表されている企業は要注意
  3. ハラスメントなどをはじめ、モラルが低すぎる職場
  4. 個人的な会社に対する不満や不公平感の口コミだけではブラックとまではいえない

段階別に要チェック・ブラック企業の特徴

ブラック企業への入社をしないためにはこの出来るだけ早い段階で気が付くことが重要

①求人案件で気付く:求人広告や求人票から特徴をチェック

  1. 求人情報に掲載すべき労働条件を明示していること
  2. 求人情報でよく見るブラック企業の特徴
    ・同時期に複数の求人サイトで見かける
    ・社長の経営哲学や精神論に偏っている
    ・見栄えが良く内容が伴わない仕事内容
    ・人間関係で退職した人が釣られる「和気あいあい」や「アットホームな職場」
    といったフレーズ
  3. 求人広告でよく見かける言い回しの裏事情
    ・「20代~30代が活躍」・・・若手を募集している
    ・「女性が活躍」「女性が元気な職場」・・・女性を募集している
    ・「経験者を優遇」「経験を考慮」・・・記載の給与額以上を検討してもらえる
    可能性がある

②面接で気付く:面接官や面接内容から特徴をチェック

  1. 面接官の身だしなみが乱れていないか
  2. 質問が一方的、高圧的な面接ではないか
  3. 労働条件(逆質問)に対する回答があいまいではないか
  4. 会社の設備が汚い、面接官以外の社員に疲れや険しさが目立っていないか

③入社までに気付く:内定通知や入社案内から特徴をチェック

  1. 内定通知書で労働条件を必ず確認する
  2. 理解できないことは質問する
  3. 雇用条件通知書を確認する(ただし入社後になる)

ブラック企業の辞め方

ブラック企業は、こちらの都合やタイミングで辞めることが難しい。

ブラック企業を辞める時の心構え5つ

  • その1.退職の意志を変えることも、変える必要もない
  • その2.申し訳ないと思う必要は一切ない
  • その3.社員の退職が理由で潰れる会社はない
  • その4.会社側に納得してもらう必要はない
  • その5.円満退社でなくても仕方がない

辞め方①転職のため、退職を申し出て辞める場合

  1. 退職理由は、会社の悪いところを挙げないで辞める以外の選択肢がないことを理由にする
  2. 退職を認めない、退職届を受け取らないと言われたら、
    ①退職の意思表示をし、引継ぎや社外への挨拶はしておく
    ②私物は持ち帰り、会社から貸与されているものは返却できるように、書類などは整理しておく
    ③残業の記録や給与明細、パワハラ、セクハラの録音などがあれば手元に保管しておく
    ④いつでも退職できる状態になったら、内容証明郵便で「退職届」と「有給休暇取得届」を出す
    ⑤退職届提出日から最低2週間で退職は成立する(民法による)
  3. 退職代行(弁護士)を利用する
    ・民間の代行業者より弁護士事務所に依頼する方が良い
    ・費用は5万円前後、弁護士であれば退職時のトラブル対応にも強い

辞め方②入社してみたらブラック企業だったのですぐに辞める

やはり基本的には退職を申し出てから辞めるという手順はほぼ同じ。

  1. 転職エージェントを利用して転職した場合
    転職エージェントに、求人票と実態の何がどう異なるのかを連絡して対処を依頼する。
  2. 入社2週間以内の場合、解雇扱いにされる場合も
    不当な解雇にあたり対応が長引く場合もあるため、出来るだけ自主退社の形にする方が良い
  3. 給与算定期間、または1か月で辞める
    解雇扱いにされないため、もうひとつはこの期間を使って転職活動を少しでも進めておくため。
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Career Rules編集部

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