コンプライアンスにはいくつか意味がありますが、代表的なのは「法令遵守」です。
場合によっては、「社内規定」や「社会的倫理」なども意味します。
これで、とりあえずまずは「コンプライアンスとはどんな意味なのか」という疑問が晴れたと思います。
ただし「コンプライアンス」という言葉を、具体的にどう使えばいいのかは、まだわからないでしょう。
そこで次は「コンプライアンスの具体的な使い方と実例」について紹介していきます。
「コンプライアンス」の具体的な使い方と実例
「コンプライアンス」という言葉が、どんな時・どういう会話で使われるのか解説していきましょう。
今回紹介する「コンプライアンス」の具体的な使い方とシチュエーションは、以下の通りになっています。
- 定例会議をしている時の「コンプライアンス」
- 取引先と打ち合わせ時の「コンプライアンス」
- ニュースやテレビ番組における「コンプライアンス」
会話例とともに紹介していくので、今のあなたが一番近いシチュエーションの使い方をチェックしてみてください。
定例会議をしている時の「コンプライアンス」
定例会議をしている時に「コンプライアンス」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
上司:「我が社も【コンプライアンス】に力を入れるようになった。後日ガイドブックを発行する」
部下:「【コンプライアンス】に関するテストは行わないのでしょうか」
わかりやすく変換
上司:「我が社も【法令遵守】に力を入れるようになった。後日ガイドブックを発行する」
部下:「【法令遵守】に関するテストは行わないのでしょうか」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「法令遵守」という意味で「コンプライアンス」を使います。
ちなみに法令遵守とは、社会的に定められた規定や法律にキチンと従うことを指します。
大企業になるほど、分厚いコンプライアンスガイドブックが発行されて読み込みを命じられます。
入社時やコンプライアンス改訂時はガイドブックが発行され、理解度テストが行われるので注意してください。
定例会議をしている時のコンプライアンスは、「法令遵守」という意味で使うと覚えておきましょう。
取引先と打ち合わせ時の「コンプライアンス」
取引先と打ち合わせ時に「コンプライアンス」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
取引先担当:「具体的な予算を教えてくださいよ。でなければこちらも譲歩ができません」
自社担当:「申し訳ありません・・・。【コンプライアンス】によってお伝えできないのです」
わかりやすく変換
取引先担当:「具体的な予算を教えてくださいよ。でなければこちらも譲歩ができません」
自社担当:「申し訳ありません・・・。【社内規定】によってお伝えできないのです」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「社内規定」という意味で「コンプライアンス」を使います。
取引先に社内のことを聞かれる際、「コンプライアンス」は「社内規定」という意味になるでしょう。
「社会的倫理」「法令遵守」という意味で使われることはないので、注意してください。
ちなみに大企業になるほどコンプライアンス(社内規定)が厳重になるので、取引先との会話は難しくなります。
ニュースやテレビ番組における「コンプライアンス」
プライベートでニュースを見ている時に「コンプライアンス」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
テレビ番組:「【コンプライアンス】によって、中学生は20時までの出演です」
ニュース:「【コンプライアンス】を考慮して、一部映像にはモザイクをかけます」
わかりやすく変換
テレビ番組:「【社会的倫理】によって、中学生は20時までの出演です」
ニュース:「【社会的倫理】を考慮して、一部映像にはモザイクをかけます」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「社会的倫理」という意味で「コンプライアンス」を使います。
テレビなどのメディアで「コンプライアンス」が出たら、間違いなく「社会的倫理」という意味になるでしょう。
「法令遵守」という意味ならまだしも、「社内規定」という意味で使われることはないので、注意してください。
ビジネスシーン以外で耳にするコンプライアンスは、「社会的倫理」という意味で使うと覚えておきましょう。
ここまでは、「コンプライアンス」の具体的な使い方と実例をお伝えしました。
どういうシチュエーションなら「コンプライアンス」を使ってもいいのか、また使うべきか理解できたと思います。
ただし「コンプライアンス」と似たような言葉や、実は意味が違う言葉については、まだわからないでしょう。
そこで次は「コンプライアンスと似たような言葉・間違えやすい言葉」について紹介していきます。
「コンプライアンス」と似たような言葉・間違えやすい言葉
「コンプライアンス」という言葉と一緒くたにされやすいのが、以下の言葉です。
- パワーハラスメント
- ルール
- モラル
これらの言葉と「コンプライアンス」を比較して、使い方のポイントや意味の違いを浮き彫りにしていきましょう。
「コンプライアンス」と「パワーハラスメント」を比較
「パワーハラスメント」の本来の意味は、上司が部下に身体的・精神的苦痛を与えることです。
ビジネスシーンにおいてパワーハラスメントは、「パワハラ」のような略され方をします。
一方、先述したようにコンプライアンスには「法令遵守」「社内規定」「社会的倫理」などの意味があります。
コンプライアンスとパワーハラスメントの意味を比較するとわかると思いますが、これらは全くのベツモノです。
もし、あえてコンプライアンスとパワーハラスメントを一緒に使うのであれば、どんな用法になるでしょうか。
「パワーハラスメントを厳重に処すコンプライアンスに改訂された」という言い方が予想されます。
ちなみに実際のビジネスにおいて、コンプライアンスとパワーハラスメントが一緒に使われるのは非常に多いです。
増加傾向のパワーハラスメントに歯止めをかけるために、コンプライアンスが規定されるケースが見られます。
「コンプライアンス」と「ルール」を比較
「ルール」の本来の意味は、規則です。
ビジネスシーンにおいて「ルール」は、「会社のルール」「チームのルール」のような使われ方をします。
一方、先述したようにコンプライアンスには「法令遵守」「社内規定」「社会的倫理」などの意味があります。
コンプライアンスとルールの意味を比較するとわかると思いますが、かなり似ています。
違いとしてはコンプライアンスの方が、ルールにくらべて縛りが明確になっているといえばわかりやすいでしょう。
ちなみに実際のビジネスシーンにおいては、ルールよりコンプライアンスの方がよく使われます。
漠然としたルールより、より明確なコンプライアンスを求める人が増えたためでしょう。
「コンプライアンス」と「モラル」を比較
「モラル」の本来の意味は、社会的倫理です。
ビジネスシーンにおいて「モラル」は、「モラルのない行動はしてはダメだ」というような使われ方をします。
一方、先述したようにコンプライアンスには「社会的倫理」という意味があり、モラルとは同義になります。
あえてコンプライアンスとモラルの違いを言うなら、モラルは「社内規定」という意味では絶対使われない点です。
「法令遵守」については、モラルと一緒くたにする人もいますが、「社内規定」はさすがに一緒にする人はいません。
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