コモディティにはいくつか意味がありますが、代表的なのは「差別化ができなくなった状態」です。
場合によっては、「商品(農産物・貴金属類・エネルギー類)」や「日用品・必需品」なども意味します。
これで、とりあえずまずは「コモディティとはどんな意味なのか」という疑問が晴れたと思います。
ただし「コモディティ」という言葉を、具体的にどう使えばいいのかは、まだわからないでしょう。
そこで次は「コモディティの具体的な使い方と実例」について紹介していきます。
「コモディティ」の具体的な使い方と実例
「コモディティ」という言葉が、どんな時・どういう会話で・どんなワードと使われるのか解説していきましょう。
今回紹介する「コモディティ」の具体的な使い方とシチュエーションは、以下の通りになっています。
- 会社で戦略会議をする時の「コモディティ」
- 商品について話す時の「コモディティ」
- 消費者について話す時の「コモディティ」
会話例とともに紹介していくので、今のあなたが一番近いシチュエーションの使い方をチェックしてみてください。
会社で戦略会議をする時の「コモディティ」
会社で戦略会議をする時に「コモディティ」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
上司:「我が社の商品も【コモディティ】化が進んでいる。どうすればいいか意見がほしい」
部下:「同じ分野なら結局【コモディティ】化するので、全く別の分野に挑戦してみては?」
わかりやすく変換
上司:「我が社の商品も【差別化ができなくなった状態】が進んでいる。どうすればいいか意見がほしい」
部下:「同じ分野なら結局【差別化ができなくなった状態】になるので、全く別の分野に挑戦してみては?」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「差別化ができなくなった状態」という意味で「コモディティ」を使います。
「~化」とともに「コモディティ」が出たら、確実に「差別化ができなくなった状態」という意味になるでしょう。
「商品(農産物・貴金属類・エネルギー類)」及び「日用品・必需品」という意味で使われることはありません。
戦略や方針を話す時のコモディティは、「差別化ができなくなった状態」という意味で使うと覚えておきましょう。
商品について話す時の「コモディティ」
商品について話す時に「コモディティ」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
上司:「我が社の主戦力である【コモディティ】は理解しているか?」
部下:「はい、農産物・貴金属類・エネルギー類がメインとなっています」
わかりやすく変換
上司:「我が社の主戦力である【商品】は理解しているか?」
部下:「はい、農産物・貴金属類・エネルギー類がメインとなっています」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「商品」という意味で「コモディティ」を使います。
「日用品・必需品」という意味ならまだしも、「差別化ができなくなった状態」という意味ではないです。
ちなみに「商品」といっても、農産物・貴金属類・エネルギー類(ガスなど)しか該当しないので要注意です。
上記のような会話をする時のコモディティは、「商品」という意味で使うと覚えておきましょう。
消費者について話す時の「コモディティ」
消費者について話す時に「コモディティ」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
上司:「一般向けの新たな【コモディティ】を開発したいのだが、何かアイデアはないか?」
部下:「まずはコストがどこまで許されるかを知っておきたいです」
わかりやすく変換
上司:「一般向けの新たな【日用品・必需品】を開発したいのだが、何かアイデアはないか?」
部下:「まずはコストがどこまで許されるかを知っておきたいです」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「日用品・必需品」という意味で「コモディティ」を使います。
一般消費者が使う「商品」として「コモディティ」が出たら、間違いなく「日用品・必需品」という意味です。
「差別化ができなくなった状態」「商品(農産物・貴金属類・エネルギー類)」で使われることはありません。
一般消費者が買うものについて話す時のコモディティは、「日用品・必需品」という意味だと覚えておきましょう。
ここまでは、「コモディティ」の具体的な使い方と実例をお伝えしました。
どういうシチュエーションなら「コモディティ」を使ってもいいのか、また使うべきなのか理解できたと思います。
ただし「コモディティ」と似たような言葉や、実は意味が違う言葉については、まだわからないでしょう。
そこで次は「コモディティと似たような言葉・間違えやすい言葉」について紹介していきます。
「コモディティ」と似たような言葉・間違えやすい言葉
「コモディティ」という言葉と一緒くたにされたり、似た意味だと思われやすいのが、以下の言葉です。
- コモディティ価格
- デリバティブ
- ブランド化
これらの言葉と「コモディティ」を比較して、使い方のポイントや意味の違いを浮き彫りにしていきましょう。
「コモディティ」と「コモディティ価格」を比較
「コモディティ価格」の本来の意味は、「世界的に見た標準価格」です。
ビジネスにおいて「コモディティ価格」は、「Tシャツのコモディティは10ドル」のような使われ方をします。
一方、先述したようにコモディティには「差別化ができなくなった状態」「日用品・必需品」などの意味があります。
コモディティとコモディティ価格の意味を比較するとわかると思いますが、少し意味が違うので要注意です。
ちなみに実際のビジネスにおいて、コモディティとコモディティ価格が一緒に使われるのは多くありません。
コモディティは前章で示したようなシーンで使われますが、コモディティ価格は先物取引の現場で使われています。
「コモディティ」と「デリバティブ」を比較
「デリバティブ」は、「投資手法を指す言葉」です。
一方、先述したようにコモディティには「商品(農産物・貴金属類・エネルギー類)」などの意味があります。
コモディティとデリバティブの意味を比較するとわかると思いますが、これらは全く違います。
このように意味が全然違うのですが、コモディティとデリバティブが一緒くたにされるのは理由があります。
デリバティブは投資の対象として「コモディティ」をとる時があるのです。
具体的には、農産物・貴金属類・エネルギー類の商品は、先物取引の対象になります。
そのため、先物取引における投資手法となる「デリバティブ」とは密接な関係を持つのです。
「コモディティ」と「ブランド化」を比較
「ブランド化」の本来の意味は、「唯一無二の存在とすること」です。
ビジネスシーンにおいて「ブランド化」は、「我が社の商品をブランド化させる」のような使われ方をします。
一方、先述したようにコモディティには「差別化ができなくなった状態」などの意味があります。
コモディティとブランド化の意味を比較するとわかると思いますが、これらは真逆の意味です。
ちなみに実際のビジネスシーンにおいて、コモディティとブランド化が一緒に使われるのは非常に多いです。
共に会社の方針を決める用語であるうえに「二者択一」として経営者が頭を悩ませるポイントでもあります。
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