ブレストは「ブレインストーミング」の略称で、意味は「自由に意見を出し合うこと」です。
これで、とりあえずまずは「ブレストとはどんな意味なのか」という疑問が晴れたと思います。
ただし「ブレスト」という言葉を、具体的にどう使えばいいのかは、まだわからないでしょう。
そこで次は「ブレストの具体的な使い方と実例」について紹介していきます。
「ブレスト」の具体的な使い方と実例
「ブレスト」という言葉が、どんな時・どういう会話で・どんなワードともに使われるのか解説していきましょう。
今回紹介する「ブレスト」の使い方とシチュエーションは、「会社の戦略会議をする時の“ブレスト”」です。
会話例とともに紹介していくので、今のあなたシチュエーションと結びつけながらチェックしてみてください。
会社の戦略会議をする時の「ブレスト」
会社の戦略会議をする時に「ブレスト」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
上司:「今日の会議は【ブレスト】で行う。そのため、とくに会議の準備はしなくていい」
部下:「わかりました。何時に会議室にいけばいいでしょうか」
わかりやすく変換
上司:「今日の会議は【自由に意見を出し合ってOK】だ。そのため、とくに会議の準備はしなくていい」
部下:「わかりました。何時に会議室にいけばいいでしょうか」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「自由に意見を出し合うこと」という意味で「ブレスト」を使います。
そもそも「ブレスト」には「自由に意見を出し合うこと」という意味しかないので迷うこともないでしょう。
ちなみに「ブレスト」は社内で行われることが多く、取引先でブレストを行うことはほとんどありません。
「ブレスト」と似たような言葉・間違えやすい言葉
「ブレスト」という言葉と一緒くたにされたり、似た意味だと思われやすいのが、「アイデア出し」という言葉です。
「アイデア出し」と「ブレスト」を比較して、使い方のポイントや意味の違いを浮き彫りにしていきましょう。
「ブレスト」と「アイデア出し」を比較
「アイデア出し」の本来の意味は、その名の通り「アイデアを出すこと」です。
ビジネスシーンにおいて「アイデア出し」は、「今日の会議はアイデア出しだけにする」のような使われ方をします。
一方、先述したようにブレストには「自由に意見を出し合う」という意味があります。
ブレストとアイデア出しの意味を比較するとわかると思いますが、これらはほぼ同義です。
もし、あえてブレストとアイデア出しを一緒に使うのであれば、どんな用法になるでしょうか。
「今日の会議はブレストなので、自由にアイデア出しして欲しい」という言い方が予想されます。
ちなみに実際のビジネスシーンにおいて、ブレストとアイデア出しが一緒に使われるのはそこまでありません。
なぜかというとアイデア出しには「自由にしていい」という前提条件がないから。
アイデアを出すとしても、それなりのフィルターをかけて発言して欲しいという場合もあります。
一方、ブレストは基本的に何を発言しても自由なので、アイデア出しのように暗黙のルールがありません。
ここまでは、「ブレスト」と似たような言葉・間違えやすい言葉についてお伝えしました。
「ブレスト」と似たような言葉である「アイデア出し」との違いを、理解していただけたと思います。
ただし実際にブレストを行うとなると、うまくできるかどうか自信が持てないのではないでしょうか。
そこで次は「実際にブレストを行う上でのコツや注意点」について紹介していきます。
実際に「ブレスト」を行う上でのコツや注意点
意味や利用すべきシーン、実際の会話例などは理解していただけたでしょう。
しかし実際に「ブレスト」をする場合、どうやれば全くの初心者でも上手くやりきることができるのでしょうか。
ここでお伝えしたいことを先に伝えておくと、以下の通りになります。
- 批判的な態度・発言は絶対NG
- 自分の発言への上乗せを受け入れる
- 湧き出てくるアイデアに制限を設けない
- 明るく話しやすい雰囲気を心がける
- アイデアをホワイトボードで全員が見えるところに書く
- 議題となるテーマからはぶれない
- 「量」を出すことが一番
- ブレストに参加するメンバー選定も重要
批判的な態度・発言は絶対NG
批判的な態度・発言をしないことは、ブレストをやる上で1番大事な部分でしょう。
勇気を振り絞って発言したのにダメ出しをされると、自由に発言できません。
一度、批判をされると場の空気もおかしくなるうえ、自由な発想がしにくくなります。
もし「それは違うんじゃないかな」と思っても、批判だけはNGです。
「そういう考え方もあるのだな・・・」と思うようにしましょう。
自分の発言への上乗せを受け入れる
他の人から出た意見を利用して、上乗せする形で改善案を出すのもブレストの醍醐味です。
そのため「自分が提案したアイデアなのに真似された」なんて思うのは、意味がありません。
よりよい提案の為の改善案と思い、受け入れることが大事です。
湧き出てくるアイデアに制限を設けない
議題があるとどうしても現実的になったり、周りの様子を見てアイデアを考えてしまいます。
しかし、ブレストは自由になったもん勝ちの方式です。
「そんな事できない」と思うアイデアでも、そこから派生すればいいのです。
つまりは破天荒なアイデアを実現させるための方法として、現実に落とし込むようにしましょう。
明るく話しやすい雰囲気を心がける
アイデアというのは、リラックスした状態が一番出やすいものです。
デスクの前でPCに張り付いて考えるよりも、休憩中などに同僚と話している場合のほうがポンポン出てきます。
あえて寝そべりながら、ブレストする会社も海外にあるほどです。
アイデアをホワイトボードで全員が見えるところに書く
誰かがアイデアを発言したら、すぐにホワイトボードに書いてください。
つまり、全員が見える場所に書きだす必要があるのです。
ただしブレストは色々な独創性が飛び交う場なので、ぼーっとしてる次の瞬間には聞き逃してしまいます。
議事録係がいると、ブレストが捗るでしょう。なるべくなら用意したいものです。
議題となるテーマからはぶれない
自由なディスカッションをするのがブレストですが、ちょっとした心がけも必要です。
自由に話すのはいいですが、議題のコンセプトやテーマはぶらさないようにしましょう。
あくまで何の為にブレストをしているのか意識すればいいだけです。
テーマを意識してブレストすれば、どんな意見も無駄にはならずに有意義な時間が過ごせます。
「量」を出すことが一番
質が高い発言をするのはもちろん一番なのですが、それにとらわれすぎてもいけません。
質を意識しすぎて、小さなアイデアを消すのはもったいないです。
恥ずかしい気持ちもあると思いますが、いかなる小さなアイデアでも沢山発言しましょう。
ブレストに参加するメンバー選定も重要
絶対に必要というわけではないのですが、メンバー選定にもコツがあります。
可能であれば、特徴のあるメンバーで構成したほうがよりいいブレストができるでしょう。
奇抜なアイデアを発言する人や、第三者の発言に対してツッコんで場を盛り上げる人は必須です。
もちろん、批判・否定ではなく、あくまで笑いをさそうツッコミが必要です。
また傍観者として、発言内容に客観的に反応する人も重要でしょう。
ブレストはどうしても主観が入ってしまいます。
そのため、客観視して世間の反応をその場でしてくれる人がいると、発言者のバランスがとれてきます。
具体的にはいい反応をしてくれた時に「これはいいアイデアなんだ」とちょっとした快感を得られるのです。
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