ベストプラクティスにはいくつか意味がありますが、代表的なのは「最も効率の良い方法」です。
場合によっては、「業界標準」や「まだ見ぬ最高の手法」なども意味します。
これで、とりあえずまずは「ベストプラクティスとはどんな意味なのか」という疑問が晴れたと思います。
ただし「ベストプラクティス」という言葉を、具体的にどう使えばいいのかは、まだわからないでしょう。
そこで次は「ベストプラクティスの具体的な使い方と実例」について紹介していきます。
「ベストプラクティス」の具体的な使い方と実例
「ベストプラクティス」という言葉が、どんな時・どういう会話で使われるのか解説していきましょう。
今回紹介する「ベストプラクティス」の具体的な使い方とシチュエーションは、以下の通りになっています。
- 同僚と情報共有する時の「ベストプラクティス」
- 取引先に提案する時の「ベストプラクティス」
- 会社の戦略会議をする時の「ベストプラクティス」
会話例とともに紹介していくので、今のあなたが一番近いシチュエーションの使い方をチェックしてみてください。
同僚と情報共有する時の「ベストプラクティス」
同僚と情報共有する時に「ベストプラクティス」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
同僚A:「この事務作業する上で【ベストプラクティス】って何なのだろう…」
同僚B:「やっぱりエクセルで自動計算できるようにするのが【ベストプラクティス】でしょ」
わかりやすく変換
同僚A:「この事務作業する上で【最も効率の良い方法】って何なのだろう…」
同僚B:「やっぱりエクセルで自動計算できるようにするのが【最も効率の良い方法】でしょ」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「最も効率の良い方法」という意味で「ベストプラクティス」を使います。
現状に疑問をもった会話で「ベストプラクティス」が出たら、「最も効率の良い方法」という意味になるでしょう。
「まだ見ぬ最高の手法」という意味ならまだしも、「業界標準」という意味で使われないので要注意です。
現状を良くする会話でのベストプラクティスは、「最も効率の良い方法」という意味で使うと覚えておきましょう。
取引先に提案する時の「ベストプラクティス」
取引先に提案する時に「ベストプラクティス」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
取引先担当:「御社の提供するサービスは、他社に比べてどうなのですか?」
自社担当者:「はい、【ベストプラクティス】と思っております」
わかりやすく変換
取引先担当:「御社の提供するサービスは、他社に比べてどうなのですか?」
自社担当者:「はい、【業界標準】と思っております」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「業界標準」という意味で「ベストプラクティス」を使います。
「どんなクオリティ?」と聞かれる会話で「ベストプラクティス」が出たら、「業界標準」という意味になります。
「まだ見ぬ最高の手法」および「最も効率の良い方法」という意味で使われることはないので、注意してください。
「質」を問われる質問でのベストプラクティスは、「業界標準」という意味で使うと覚えておきましょう。
会社の戦略会議をする時の「ベストプラクティス」
会社の戦略会議をする時に「ベストプラクティス」が出てくると、どんな意味になるのでしょうか。
以下の具体的な会話を見て、使い方と意味を理解しましょう。
元の会話
上司:「今日の会議はみんなで【ベストプラクティス】を出していきたいと思う」
部下:「【ベストプラクティス】を出すために、まずは要因を列挙してもいいですか?」
わかりやすく変換
上司:「今日の会議はみんなで【まだ見ぬ最高の手法】を出していきたいと思う」
部下:「【まだ見ぬ最高の手法】を出すために、まずは要因を列挙してもいいですか?」
使い方に関する解説
今回のようなシチュエーションでは「まだ見ぬ最高の手法」という意味で「ベストプラクティス」を使います。
未来に向けた話をするうえで「ベストプラクティス」が出たら、「まだ見ぬ最高の手法」という意味になるでしょう。
「最も効率の良い方法」という意味ならまだしも、「業界標準」という意味で使われることはないので、要注意です。
未来をよくするための会話で出るベストプラクティスは、「まだ見ぬ最高の手法」という意味でつかいましょう。
ここまでは、「ベストプラクティス」の具体的な使い方と実例をお伝えしました。
どういうシチュエーションなら「ベストプラクティス」を使っていいのか、また使うべきか理解できたと思います。
ただし「ベストプラクティス」と似たような言葉や、実は意味が違う言葉については、まだわからないでしょう。
そこで次は「ベストプラクティスと似たような言葉・間違えやすい言葉」について紹介していきます。
「ベストプラクティス」と似たような言葉・間違えやすい言葉
「ベストプラクティス」という言葉と一緒くたにされやすいのが、以下の言葉です。
- ベンチマーキング
- クエリ
- レプリケーション
これらの言葉と「ベストプラクティス」を比較して、使い方のポイントや意味の違いを浮き彫りにしましょう。
「ベストプラクティス」と「ベンチマーキング」を比較
「ベンチマーキング」の本来の意味は、「目標と比較して現状を改善すること」です。
ビジネスにおいて「ベンチマーキング」は、「目標達成のためのベンチマーキング」のような使われ方をします。
一方、先述したようにベストプラクティスには、「まだ見ぬ最高の手法」などの意味があります。
ベストプラクティスとベンチマーキングの意味を比較するとわかると思いますが、ちょっとだけ似ています。
両者とも未来のために動くことですが、決して同じ意味ではないので注意してください。
「ベストプラクティス」と「クエリ」を比較
「クエリ」の本来の意味は、「質問」「命令」のことです。
一方、先述したようにベストプラクティスには「最も効率の良い方法」「業界標準」などの意味があります。
ベストプラクティスとクエリの意味を比較するとわかると思いますが、これらは全くの別物です。
そもそもクエリは完全なIT用語で、一般的なビジネスシーンでは使われません。
検索サイトに打ち込むキーワードを「検索クエリ(検索したい質問文)」と呼んだりします。
ベストプラクティスはITの現場でよく言われる言葉なので、クエリと密接だと思っている人がいるのでしょう。
「ベストプラクティス」と「レプリケーション」を比較
「レプリケーション」の本来の意味は、複製品を作ることです。
一方、先述したようにベストプラクティスには「業界標準」などの意味があります。
ベストプラクティスとレプリケーションの意味を比較するとわかると思いますが、これらは全くの別物です。
そもそもレプリケーションは完全なIT用語で、一般的なビジネスシーンでは使われません。
ITの現場で大切なデータの「レプリケーション(複製品)」を作って、万事に備えることはよくあります。
このように意味は全然違うのですが、ベストプラクティスとレプリケーションが一緒にされるのは理由があります。
クエリと同じように、ベストプラクティスがITの現場でよく言われる言葉なので、密接だと思う人は多いのです。
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